新卒採用活動において、先輩社員の声を伝える「インタビュー動画」は定番のコンテンツです。
しかし、いざ制作となると、「どれくらいの期間が必要?」「いつから準備を始めるべき?」といった疑問を感じる方も多いはずです。
本記事では、インタビュー動画の制作に数多く携わってきた筆者が、一般的な制作スケジュールの流れや期間の目安、短納期で進める際の注意点まで詳しく解説します。
初めて外注する方や、納期に余裕がない中で検討している方も、現実的なスケジュール感を掴むヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
よくあるQ&A
採用インタビュー動画の制作をご検討される中で、よくいただくご質問に事前にお答えします。
- インタビュー動画の制作期間は?
-
取材対象者や、インタビュー内容が決まっていれば、最短3週間程度。通常は1.5ヶ月程度。
- インタビュー動画の制作費は?
-
30万円〜100万円の幅で制作されることが多いです。
- インタビュー動画のメリットは?
-
- 実際に業務に従事している人の生の声を届けることができる
- 実際に働いている様子を見せることができる
- 実際に活躍している社員による、学生への魅力づけが可能
新卒採用にインタビュー動画が選ばれる理由

新卒採用において、なぜ多くの企業がインタビュー動画を制作するのでしょうか。筆者は大きく3つのポイントがあると考えています。
なぜ「インタビュー動画」が人気なのか?
- 効果的なコンテンツである
- 比較的安価に制作可能である
- 比較的短期間で制作可能である
一つずつ解説します。
コンテンツとして効果的である
新卒採用活動の中で、学生からの人気・ニーズの高いコンテンツとして「先輩社員の声」があります。採用サイトやパンフレットなど様々な媒体でコンテンツ化されていますがなぜ敢えて動画として制作することが効果的と言えるのでしょうか。
それは、インタビュー動画の「その人の言葉を、その人の声で届けることができる」という特長が大きく影響しています。
インタビュー動画で、先輩社員が自らの仕事ややりがい、キャリアイメージを語るのと、テキストや静止画などを組み合わせた静的なコンテンツで同じような内容を届けるのでは圧倒的に説得力が異なり、当然に動画の方がより強い説得力で届けることができます。
他の企業が、どんな新卒採用向けのインタビュー動画を制作しているかについては、ぜひこちらをご参考ください。

比較的安価に制作可能である
新卒採用インタビュー動画は、動画制作の中でも比較的安価で制作可能な部類と言えます。ミニマムな予算としては30万円くらいから制作が可能です。
制作費と動画のクオリティのバランスなどについては、こちらの記事をぜひご参考ください。

比較的短期間で制作可能である
一般的な動画制作の場合2−3ヶ月程度かかることが多いですが、インタビュー動画であれば制作をスタートとして3週間程度で納品することも可能です。
以降の章で一般的な制作スケジュールと、短期間での制作の場合などを説明します。
新卒採用向けインタビュー動画の制作期間/想定スケジュール
新卒採用向けのインタビュー動画の制作期間は、
・最短:3週間程度
・通常:1.5−2ヶ月程度
です。
それぞれのパターンの想定スケジュールを組んで見ましたのでご参考ください。
3週間程度で制作する場合
・インタビュー内容を検討する時間は十分には確保できないため、発注側で一定程度「誰に何を聞くか」「どのような返答を想定しておくか」などの準備が必要
・ロケハンは実績できない可能性が高い
・撮影日は納品日からの逆算で、調整の余地は少ない
・修正は1回
などの制限が発生する可能性が高く、基本的には「納品日から逆算した上で、制作都合のスケジュールに如何に発注側がフィットするように調整するか」という形でのスケジュール調整になる。

1.5−2ヶ月程度で制作する場合
・インタビュー内容を検討する時間は十分にに確保できるため、希望を伝えつつ制作会社に構成を依頼できる。
・候補日を設定した上でロケハン日の調整が可能
・ロケハンの実施が可能
・撮影日の候補を複数設定した上で調整可能
・修正は2-3回
など、発注側企業の希望や都合などに合わせながら、制作スケジュールを設定できる。

インタビュー動画の制作期間を左右するポイント
インタビュー動画を制作するにあたって、制作期間を大きく左右するのは下記の4つの要素です
- 撮影日数
- 撮影スタッフの数
- 撮影場所の数
- インタビュイーの数
1つずつ解説します。
撮影日数
撮影日数が増えれば、撮影日数分制作期間が延びるというのはイメージしやすいでしょう。しかし実際には撮影日分だけではなく、各撮影日に「インタビュイー」「発注企業担当者」「制作側のスタッフ」のすべてのスケジュールが合う日が撮影日となるため、想定よりも大幅に制作期間が延びる可能性があります。
また、場合によっては天候を考慮した予備日を確保する必要があるケースもあります。
撮影スタッフの数
上記の通り、撮影のためには撮影スタッフのスケジュールを調整する必要もあるため、撮影に必要なスタッフの数が増えれば増えるほど制作期間は延びる傾向にあります。もちろん、スケジュールにマッチするスタッフで制作を行うという考え方もありますが、
例えば、アシスタントなどの役割であればすべての撮影で同じスタッフである必要はありませんが、メインのカメラマンや照明担当などは基本的にはすべての撮影で同じスタッフであることが望ましいと言えます。
撮影場所の数
撮影場所が増えれば、その分撮影日数が増える可能性が高まります。特に屋外での撮影が増える場合「日照時間」内に撮影を行う必要があります。
また、撮影する場所が複数ある場合、1つの撮影場所から次の撮影場所までの距離も重要なポイントになります。移動に時間がかかる場合にはやはり撮影日をわけて撮影する必要がでてきてしまいます。
インタビュイーの数
ここまでの説明の通り、撮影に係る人数が増えるほど制作期間に大きな影響を及ぼします。そしてそれはインタビュイー(インタビューされる人)の数も同様です。
「同じ場所」で「短い時間」のインタビューであれば、必ずしも制作期間が延びることもありませんが、ただし、インタビュイーの数が増えるとそのインタビューに差し込むインサートカットの撮影ボリュームも増えます。
インサートカットというのは、インタビュイーがインタビューに答えている音声にかぶせる画のことです。
例えば採用向けのインタビューで仕事内容について話している際に、実際の仕事シーンを被せることでインタビューの内容をより具体的にイメージできるように演出します。
インタビュイーの数がふえれば、このインサートカットの撮影ボリュームも増えるため、制作期間としては長くなりやすくなります。
インタビュー動画の制作プロセス

どのようなインタビュー動画を制作するかによって細かな部分は変わりますが、大まかには下記がインタビュー動画を制作する際のプロセスです。
- 企画構成
- ロケハン
- シナリオ作成/香盤作成
- 撮影
- 編集/修正
一つずつ解説します。
企画構成
インタビュー動画の場合、構成自体はシンプルになることが多く、例えばWebCMやコーポレートムービーなどと比較するとここにかかる工数は抑えやすいと言えます。
一方で、インタビュイーの語りがメインになるため、
・何を語ってほしいのか
・どうやってその語りを引き出すのか
・それを誰に見てもらうのか
などは発注企業担当者と制作側でしっかりと詰めておく必要があります。
ロケハン
ロケハンというのは、撮影予定場所を事前に下見することです。
制作期間や予算の兼ね合いでロケハンを実施しないケースもありますが、多少制作費が追加になったとしても基本的にはしっかりとロケハンを行うことを強くおすすめします。
ロケハン時に確認するのは以下のポイントです。
- インタビューを撮影する場所
- インサートカットを撮影する場所
- 撮影する順番
1つずつ説明します。
インタビューを撮影する場所
インタビューを撮影するのに最適な場所を探ります。ポイントとしては「抜け(被写体の後ろの景色)」「自然光の有無や入り具合」「騒音の有無」「広さ」などです。
撮影場所の情報がネット上に公開されていたとしても、実際に現地で確認しないとわからない情報も多く、特に自然光の影響を受ける場合にはその場所に日が当たる時間帯・確度、日の出・日の入りの時間が香盤(撮影当日のスケジュール)にも影響します。
インサートカットを撮影する場所
インタビュー内容にリンクするシーンを「インサートカット」として撮影しますが、「どこで」「どんなシーン」を撮影するのかを事前に決めておく必要があります。
例えば「このシーンでは従業員が作業しているイメージ」を撮影したいから「従業員役の人にタブレット端末を操作してほしい」そのために「作業着を着た作業員が必要」など、当日いきなり希望しても用意が難しい要望が出てくることもあります。
そのため、やはりロケハンを実施して「撮影したい内容」と「撮影が可能な内容」をしっかりと突き合わせる必要があります。
撮影する順番
現地で撮影する場所の見当をつけて、日照時間や撮影場所の位置関係、必要な機材などを考慮しながら効率よく撮影できる順番を考えます。
シナリオ作成/香盤作成
ロケハンで撮影場所と撮影する順番を決めることができたら、企画構成にそれらの情報を反映して、より詳細なシナリオ・絵コンテ、香盤(撮影当日のスケジュール)として作成します。
撮影
シナリオ・絵コンテ、香盤をもとに撮影を行います。インタビューはとにかくインタビュイーの語りが重要です。制作スタッフだけではなく、現場にいる発注企業のご担当者の方も含めてその場の全員で「話しやすい雰囲気」を作ることが、よりよいインタビューを引き出すポイントの1つです。
編集・修正
インタビュー動画の場合、事前のシナリオがしっかりと作成できており、インタビューも概ねそのシナリオにそって撮影できていれば編集は比較的短い時間で完了することができます。
ただし、カラーグレーディング(色味の調整)などに時間を要するケースもあります。
編集された動画を発注企業側で確認して、必要があれば修正を行います。
最後に
いかがでしたでしょうか。比較的短い期間で制作することは可能ではあるものの、その場合どうしても犠牲になる部分もあります。
caseではお客様の希望納期に合わせて最適なスケジュールをご提案します。まずはご相談ください。
情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
是非、下のボタンからお気軽にお問い合わせください。