新卒採用向けの密着動画|制作費・予算・相場と価格帯別の制作範囲

「新卒採用で密着動画を制作したいが、どのくらいの費用がかかるのか」「短納期で間に合うのか」「社内調整で何を準備すればよいのか」——人事・採用担当者にとって、効果的な密着動画の制作は重要な課題です。

本記事では、新卒採用における密着動画の制作費・予算・相場から、社内調整のポイント、効果測定まで、実務で必要な情報を体系的に解説します。台本テンプレートや撮影許諾書のサンプルもご用意し、すぐに実践できる内容をお伝えします。

結論ショートQA

  • Q. 密着動画の相場は? A. 60〜80万円/80〜120万円/150万円〜(撮影日数・編集範囲で変動)
  • Q. 納期は? A. 標準6〜8週間、短納期4週間〜(社内許諾のスムーズさで前後)
  • Q. 何が含まれる? A. 企画、撮影、編集、比率別書き出し(横/縦 など)
目次

この記事の要点

  • 相場と料金帯:60〜80万円(基本版)、80〜120万円(標準版)、150万円〜(プレミアム版)
  • 最短納期:4週間から対応可能、標準は6〜8週間
  • 必要な社内調整:出演同意、撮影許可、情報セキュリティ、法務チェック
  • 計測KPI:視聴完了率、説明会満足度、ES(エントリーシート)通過率、内定承諾率
  • 次アクション:台本テンプレートダウンロード、無料見積もり、15分相談

密着動画とは?新卒採用で有効な理由

密着動画とは、実際の職場で働く社員の1日や業務プロセスを追いかけるドキュメンタリー形式の動画です。新卒採用において、次の効果が期待できます。

仕事理解の促進

テキストや静止画では伝わりにくい業務の流れ、職場の雰囲気、同僚との関わり方を具体的に示すことで、学生の仕事理解を深めます。特に専門性の高い職種や、業務内容が想像しにくい職種で効果的です。

志望動機の強化

現場で働く先輩社員の姿を見られるため、「この会社で働きたい」という具体的なイメージを持ってもらえます。結果として、志望動機の質が向上し、面接での評価も高まりやすくなります。

内定承諾率の向上

入社後のギャップを事前に解消できるため、内定承諾率の向上と早期離職の防止につながります。

密着動画の制作費・相場(新卒採用向け)

密着動画の制作費は、撮影規模、編集の複雑さ、納期によって大きく変動します。以下の表で、価格帯別の制作範囲と期待できる成果をご確認ください。

価格帯制作範囲修正回数納期想定クオリティ活用先
60〜80万円企画・撮影1日・基本編集2回4〜5週間基本版説明会・Web
80〜120万円企画・撮影2日・本格編集・BGM3回6〜8週間標準版説明会・SNS・LP(ランディングページ)
150万円〜企画・撮影3日・高品質編集・ナレーション4回6〜8週間プレミアム版全媒体・ブランディング
金額は税別、期間・効果は目安

例:60〜80万円(撮影1日・基本編集/4〜5週間)/80〜120万円(撮影2日・本格編集/6〜8週間)

密着動画の料金帯別の具体例

60〜80万円:基本版

1日の撮影で、1職種の業務を追いかける基本的な構成です。3〜5分程度の動画で、会社説明会やWebサイトでの活用に適しています。

  • 撮影:1日(6〜8時間)
  • 編集:基本カット編集、テロップ、BGM
  • 納品形式:16:9(横型)のみ
  • 修正:2回まで

80〜120万円:標準版

2日間の撮影で、複数の業務シーンや社員インタビューを含む本格的な構成です。5〜8分程度の動画で、SNSやランディングページでも活用できます。

  • 撮影:2日(各6〜8時間)
  • 編集:本格編集、アニメーション、音響調整
  • 納品形式:16:9、9:16(縦型)の2種類
  • 修正:3回まで

150万円〜:プレミアム版

3日間以上の撮影で、ストーリー性の高い構成とプロのナレーションを含む高品質な動画です。8〜12分程度で、採用ブランディングの中核として活用できます。

  • 撮影:3日以上(各6〜8時間)
  • 編集:高品質編集、モーショングラフィックス、プロナレーション
  • 納品形式:16:9、9:16、1:1(正方形)の3種類
  • 修正:4回まで

密着動画制作のスケジュールとWBS

密着動画制作の標準的なスケジュールは6〜8週間です。以下のWBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成)を参考に、社内の調整を進めてください。

工程制作側作業発注側役割所要日数成果物
要件定義ヒアリング、企画書作成目的・KPI・出演者調整3〜5日企画書、撮影計画
撮影準備台本作成、機材準備撮影許諾、スケジュール調整7〜14日台本、撮影許諾書
撮影実施現場撮影、素材収録現場立会い、進行サポート1〜3日撮影素材
編集作業カット編集、テロップ、BGM中間確認、フィードバック10〜14日初稿動画
修正・調整修正対応、最終調整最終確認、承認3〜5日最終版動画
納品各種形式での書き出し受領確認、公開準備1〜2日納品データ
レビューSLA(サービス水準合意):各工程で48時間以内の確認・承認

密着動画の制作期間・スケジュールについてはこちらで詳しく解説しています。

社内調整と撮影許諾

密着動画制作では、事前の社内調整が成功の鍵となります。以下のチェックリストを活用して、漏れなく準備を進めましょう。

  • 出演同意:本人および直属上長からの書面同意を取得
  • 撮影場所許可:オフィス、工場、店舗等の撮影許可を確認
  • 映り込み配慮:顧客情報、機密資料、第三者の映り込み対策
  • BGM・フォント:商用ライセンスの確認と権利処理
  • 個人情報マスキング:PC画面、書類等の個人情報保護
  • 著作権・二次利用:使用範囲、期間、媒体の明確化
  • 保管期間:撮影データの保管期間と削除方針
  • NDA:制作会社との機密保持契約

撮影許諾書のポイント

撮影許諾書には、以下の項目を必ず含めてください。

  • 撮影日時・場所
  • 使用目的(新卒採用活動)
  • 公開媒体(Web、SNS、説明会等)
  • 使用期間(例:2年間)
  • 肖像権の取り扱い
  • 修正・削除の権利

撮影許諾の手順

  1. 撮影範囲・公開媒体・使用期間を社内で確定
  2. 出演候補者へ目的・公開範囲を説明し、ドラフト許諾書を共有
  3. 所属長・情報セキュリティ・法務の事前承認を取得
  4. 最終版の許諾書へ署名・捺印(電子署名可)
  5. 撮影当日、現場掲示と口頭説明で最終同意を確認

内製と外注の比較|費用・品質・工数

密着動画を内製するか外注するかの判断材料として、以下の比較表をご確認ください。

評価軸内製外注
コスト○(人件費のみ)△(制作費発生)
品質△(スキル依存)○(プロ品質)
スピード△(学習時間必要)○(即座に開始)
再現性△(属人的)○(標準化済み)
社内工数×(大幅な工数)○(最小限)
二次利用○(自由度高)△(契約次第)
○:優秀、△:普通、×:課題あり

密着動画は、企画構成・撮影・編集のいずれの工程も難易度が高くなる傾向があるため、プロに依頼することをおすすめします。

配信と効果測定(GA4計測テンプレ付き)

密着動画をYouTubeや採用サイト上で公開する際には、効果を正確に測定するため、Google Analytics 4(GA4)での計測設定を推奨します。以下のイベント設定を参考にしてください。

GA4計測テンプレート

イベント名推奨パラメータ用途
view_videovideo_id、page_path視聴開始の把握
progress_25video_id、percent25%到達率の測定
progress_50video_id、percent50%到達率の測定
progress_100video_id、percent完全視聴率の測定
cta_clickcta_type、video_id、page_pathCTAクリック効果測定
計測名・項目は既存命名規則に合わせて調整

新卒採用向け密着動画の参考事例

実際に密着動画を制作・公開されている企業の事例をご紹介します。

【採用】社員1日密着ドキュメンタリー “2年目エンジニア 木田さん編”

【1日密着】入社3年目でここまでするの?発電所の機械を接続する場面に1日密着!

商船三井 若手社員の1日に密着 ~陸上職事務系~What’s it like to work at MOL?

密着動画の事例についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

よくある質問

最短でどのくらいの納期で制作できますか?

最短4週間から対応可能ですが、社内調整や撮影許諾の準備期間を考慮すると、6〜8週間が現実的です。短納期の場合は20〜30%の割増料金が発生することが多いです。

現場の社員が出演を嫌がる場合の代替案はありますか?

手元や作業風景のみの撮影、音声のみのインタビュー、アニメーションでの職場再現などの代替手法があります。また、積極的な社員を事前に選定することも有効です。

顔出しができない場合でも効果的な動画は作れますか?

メインの出演者は顔出しが必要です。サブの出演者に関しては作業風景、職場環境、ツールの使用シーンを中心に構成し、音声インタビューやテロップで補完することで、十分に魅力的な動画を制作できます。

縦型と横型の同時納品は可能ですか?

可能です。撮影時に両方の比率を考慮した構図で撮影し、編集時に最適化します。同時納品の場合、追加費用は制作費の20〜30%程度が目安です。

動画の権利関係や二次利用はどうなりますか?

一般的に、制作費に含まれる利用範囲は新卒採用活動に限定されます。他の用途での利用や長期間の使用には、別途ライセンス料が発生する場合があります。契約時に範囲・期間・媒体を明確化してください。

出張撮影や地方拠点の追加費はありますか?

移動・宿泊の実費に日当を加えるのが一般的です。複数拠点の場合は「撮影日数×拠点数」で再見積もりとなります。

肖像権や機密情報の取り扱いはどうなりますか?

撮影許諾書とNDAで取り扱いを明確化し、必要に応じてモザイク・マスキングを実施します。個人情報や機密情報は撮影前に非表示化してください。

BGM/フォントのライセンスはどうなりますか?

採用用途での利用は許諾されることが多い一方、SNS広告や有料配信では別ライセンスが必要な場合があります。契約時に媒体・期間を明記してください。

まとめ:次のアクションと社内稟議の通し方

新卒採用における密着動画制作を成功させるため、以下のステップで進めることを推奨します。

  • 目的とKPI(重要業績評価指標)の明確化:内定承諾率向上、早期離職防止など具体的な目標設定
  • 予算の確保:制作費に加え、社内工数や追加費用も考慮した予算計画
  • 社内体制の構築:出演者選定、撮影許諾、法務チェックの責任者を明確化
  • 制作会社の選定:採用動画の実績、料金体系、サポート体制を比較検討
  • 効果測定の準備:GA4設定、KPI計測方法の事前設計

社内稟議では、競合他社の採用動画事例、期待される効果の数値化、リスクと対策を明記することで、承認を得やすくなります。不明点がある場合は、制作開始前に十分に相談し、認識の齟齬を防ぐことが重要です。

無料相談・見積もり依頼:貴社の採用課題に合わせた最適なプランをご提案します。15分の簡単相談から承ります。

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この記事を書いた人

【株式会社case 代表取締役/動画制作プロデューサー】加藤智史
新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。現在は本メディアの運営を通じた企業の動画制作支援や、動画制作会社の営業支援などを行う。動画制作のご依頼の流れはコチラ

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