広告代理店といえば、顧客企業のクリエイティブ制作や広告出稿を一手に担っているというイメージですが、「一定以上の予算を確保している顧客企業であれば」という条件付きであることが多いです。
例えば、総合広告代理店と呼ばれる有名な広告代理店はTVCMの出稿やそれにともなうTVCMの制作、OOHと呼ばれる交通広告の出稿やそれに伴うグラフィック制作など年間に数千万円〜数億円単位の予算っを預かりクリエイティブ制作や媒体社とのやりとりを担っています。
一方で、地方の顧客企業の場合は上記の顧客企業ほどの潤沢な予算を確保できる企業は限られ、広告代理店の役割や機能もいわゆる総合広告代理店とは異なります。
具体的には地元のTV局・地元紙や、フリーペーパーなどのよりローカルな媒体とのつながりや、イベントの開催など地域に密着し、消費者との距離が近いためマスよりも特定の領域に絞った施策を展開する場合に強みを発揮しやすいという特性があります。
そんな地方の広告代理店ですが、これまでは動画の活用が地元のTV局のTVCMなどに限られていたこともあり、動画制作の機会が少なく、動画制作会社との繋がりがない会社も珍しくなく、実際に筆者もそのような広告代理店と仕事をしたことがありました。
本記事ではその経験をもとに、地方の広告代理店が動画制作会社と付き合うべき3つの理由をご紹介します。
付き合うべき理由①動画広告の市場規模は拡大していく
いわずもがな…ですが、数年前と比較するとYoutubeやFacebookなどのSNS動画広告の活用が進んだことで動画制作のニーズも格段に高まっています。
動画広告はあくまでも動画の活用方法の1つではありますが、今後も急速に市場規模が拡大することが予想されています。
出典:サイバーエージェント(https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=28533)
SNS動画広告の特長として、詳細なエリアターゲティングやユーザーの性別や年齢などによるターゲティングなどマスの広告よりも遥かに詳細なターゲティングが可能であり、広告配信の結果も数値として得られ、今後のマーケティング活動に活用できることが挙げられます。
そして、これらの特長が動画広告のニーズが拡大している1つの理由とも言えるでしょう。
付き合うべき理由②競合他社の動画活用の状況が可視化された
企業によるYoutubeチャンネルの活用が進んだことで、競合企業がどの程度動画を活用しているのかが可視化され、また顧客企業や消費者への情報提供を通した「顧客体験のデザイン」がどの程度進んでいるのかもわかるようになりました。
10年ほど前までは、Youtubeなどで動画を積極的に活用するのはtoCの事業を行う企業がメインでしたが、Youtubeでの情報提供・情報収集が浸透したことで、toB事業を行う企業にも広がっています。
例えば、
- 導入事例のインタビュー動画
- 製品紹介動画
- 製品マニュアル・チュートリアル動画
- 会社紹介、工場紹介動画
などの動画をYoutubeチャンネル上で公開し、見込み顧客や既存顧客への情報提供環境を整える企業が増えてきています。
インターネットが普及したことで、各社が当たり前に自社のHPを持つようになったように、今後Youtubeチャンネルなどで積極的に動画を活用した情報提供が進んでいくことを考えると、できるだけ早めに動画制作会社との関係を構築し、顧客へ動画の制作・活用の提案などを行うことは、地方の広告代理店の営業活動の1つとして重要なものになるのではないでしょうか。
付き合うべき理由③動画制作は「相性」が重要
本記事をお読みの方の中には、「動画制作の相談が来てから探せばいいや」とお思いの方もいるかもしれません。
確かに、急いで納品する必要などがなければそれでも事足りるでしょう。
しかし、動画制作において非常に重要なのが、広告代理店と制作会社の「相性」です。代理店側が動画制作に慣れていれば、多少制作会社との相性が悪くても問題なく進行できますが、動画制作に慣れていない場合は注意が必要です。
多くの動画制作会社にとって広告代理店は「動画制作に慣れている」という認識であり、また広告代理店側としても動画制作に慣れていないということは言いにくい部分もあるでしょう。そうすると、制作進行上での認識の齟齬などが生まれやすくなり、思いもよらぬトラブルが起きやすい状況になってしまいます。
このような状況を防ぐ最も簡単な方法は「動画制作に慣れていない」ことを動画制作会社側に正直にお伝え頂くことなのですが、それだけではなくコミュニケーションの作法やビジネスの考え方も微妙に異なるケースもあるため、できれば複数の動画制作会社と取引をした上で、もっとも相性の良い信頼できる制作会社を確保しておけるとベターでしょう。
最後に
筆者は動画制作会社側の人間であるため、あくまでも動画制作会社からみた、「付き合うべき理由」をご紹介させていただきました。
本記事をお読み頂いた、広告代理店の方の中でお心あたりのある方がいましたら、ぜひお気軽にご相談くださいませ。