いくつもの動画制作会社のHPをみて、実績が多く・大企業の実績もあり・HPのデザインもしっかりしている「良さそう」な制作会社に問い合わせたものの、出てきた営業担当者が「なんか微妙…」と不安になったことはないでしょうか。
どのような会社でもすべての営業担当者が等しく優秀ということは無く、どうしても「イケてない」「微妙」な営業担当者というのは存在してしまいます。
本記事ではそんな「イケてない」営業担当者を避け、「優秀な営業担当」を見極める方法をお伝えします。
動画制作会社の営業担当者の見極め方についてのQ&A
- 優秀な営業担当者の特徴は?
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いくつかありますが、最も大きな特徴は「ヒアリング」が形式的ではなくディスカッションを行っているかのようで、それでいて会話量の大半がクライアント側であるという状況を作り出せることです。あなたが気持ちよく話すことができ、結果としてしっかりと情報を整理することができれば、比較的優秀な営業担当者と言えるでしょう。
- イケてない営業担当者の特徴は?
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ヒアリングが形式的、質問への回答が的外れなど基本的なコミュニケーションが上手く行かない担当者は総じて「イケてない」ことが多いです。
- 優秀な営業担当を付けてもらうコツは?
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「とりあえず問い合わせてます」ではなく、「動画作る気満々です」という態度を示すことで比較的優秀な営業担当者が付く可能性が高くなります。
「どの動画制作会社にするか」よりも「どの営業を選ぶか」の方が重要な理由
動画制作を依頼する際に「相性の悪い会社を選んで失敗したくない」というのは、当然働く心理でしょう。しかし、筆者の経験をもとにお伝えすると50〜200万円くらいの制作予算であれば選ぶべきは「制作会社」ではなく、「営業担当者」だと自信を持って言えます。
特に、インターネットで検索して制作会社を探した上で問い合わせている、ということであればなおさらです。
おそらく問い合わせる段階で一定以上の実績があり、信頼できそうだと感じる会社に問い合わせているはずで、その時点で最初のスクリーニングが完了している状態です。そうなると、例えば5社に問い合わせていたとしてその5社の違いはあまり大きくない可能性が高いです。
制作リソースは各社で共有されている可能性が高い
インターネットで検索して制作会社を探したということは、おそらくあなたが問い合わせた会社は比較的上位に表示されている会社でしょう。「動画制作 会社」と検索して、少なくとも2ページ目までには出てきた会社ではないでしょうか。
もちろん、すべての会社ではないという断りを入れた上でお伝えしますが、検索して上位表示される会社の多くに共通している点があります。それは、
「フリーランスクリエイターをネットワークすることで制作リソースを確保している」
ということです。
これ自体になにかデメリットがあるとか、良いとか悪いとか、安いとか高いとか、そういうことではなく純粋にただただ記載した通りです。
例えば4社に問い合わせて4社ともフリーランスクリエイターをネットワークしているということは、その4社には当然同じクリエイターが登録されている可能性もある…というかその可能性が高いです。つまり、あなたがどの会社に発注しても結果的には同じクリエイターが制作を担当する可能性があります。
…であれば、会社を選ぶという発想ではなく「営業担当者を選ぶ」という発想で選んだ方が結果的に良い動画制作につながる可能性が高いというのが筆者の持論です。
制作会社の制作体制については別記事でもう少し詳細にお伝えしているので、気になる方は下記をご参考下さい。
微妙な営業は、社内営業も微妙
少し極端な例ですが、これまでどおり、インターネット検索で上位表示されて出てきた会社の中で最終的に下記の2社でまよったとします。
- A社:とても実績が豊富で、制作している動画のクオリティも申し分ない。しかし、営業担当者は微妙
- B社:実績はそれなりで、制作している動画のクオリティは及第点。しかし、営業担当はとても優秀そう。
このような2社が並ぶとたしかに迷いそうです。しかし、やはり筆者はB社を推します。理由は「微妙な営業は、社内営業も微妙」だからです。ここでいう社内営業とはどのようなアクションになるかイメージが付きにくいと思うので解説します。
動画制作会社の場合、その多くは受注までをメインミッションとしてクライアント対応をする「営業」と、受注後の制作〜納品をメインミッションとして対応する「プロデューサー」に分かれます。そして実際に手を動かして動画を制作する「クリエイター」を選ぶのは「プロデューサー」の仕事であることが多いです。
このケースにおける「社内営業」とは、クライアントであるあなたの案件を担当する最適なプロデューサーをアサインしてもらうためのアクションを指しています。そして、微妙な営業はここに力を発揮できません。完全な社内都合や社内的な力学だけでアサインが決まる、まさにプロデューサールーレット状態です。
これが、優秀な営業担当であれば当然社内でも力を発揮し、クライアント特性や案件特性を制作部長に説明した上で「このプロデューサーをアサインしてほしい」と依頼することになります。どちらがより良い動画制作になる可能性が高いのかは火を見るより明らかだと言えます。
微妙な営業は、コミュニケーションも微妙
運良く優秀なプロデューサーがアサインされ、適切なクリエイターを選んでくれたことで無事制作もスタートして、つつがなく制作が進行したとしましょう。しかし、それでも微妙な営業の呪縛から解き放たれることはありません。営業とは最初の商談からスタートし、納品・請求・入金まであなたとともにあることが決定づけられた存在です。
そして、多くの場合最終的な原価管理などを行っているのも営業であることが多いです。(なぜなら営業の目標は「粗利」で管理されることが多いため)。そうなると、制作進行上でちょっとした見積もりや費用変動を伴う制作内容の追加等の度に微妙な営業とコミュニケーションを取らなければなりません。
それだけならまだ「めんどくさいな…」で済みます。しかし、コミュニケーションも微妙な営業は事前にとても重要な情報をプロデューサーに伝えきれていないかもしれません。もしくは、制作に大きく関わる確認事項をあなたに確認できてないかもしれません。
こんなことが後々に発覚すると、費用はさておきスケジュールは間違いなく後ろ倒しになります。
微妙な営業担当を選ぶ、というのはこのようなリスクを抱え込むということであるとイメージしていただけると、筆者が「会社ではなく、人」だとお伝えしている理由もご理解いただけるのではないでしょうか。
まずは、イケてない営業を見極めることが最重要
ここまで読むと「動画制作依頼するの怖いな」と思われるかもしれませんが、イケてない微妙な営業を避けるのは難しくありません。まずは自分の感覚に合わない人は選ばな無いことです。相性は微妙か・優秀か以前の問題であるため、この点は割り切りましょう。営業とは継続的にコミュニケーションを取る必要があるので、感覚的な部分が合わないと大きなストレスになります。
感覚以外の部分については、下記を参照してみて下さい。
打ち合わせ時の事前準備が何一つない
初回の打ち合わせの際に、例えば、
- クライアントであるあなたのイメージに近そうな制作実績を用意しておく
- 事前にリサーチした内容も含めて、今回の制作背景をまとめて整理しておく
など、なんの準備もせずに野面でやってきて、その結果下記に続くような対応をしているようであれば、迷わず切り捨てましょう。
あなたの状況を察せない
あなたが、どのような状況であるかを察せないようでは営業として優秀とは言えないでしょう。
例えばまだあまり動画制作について具体的な検討ができていないのに「尺はどれくらい?」「アニメーションと実写どちらですか?」など。1つ2つくらいの質問はいいとしても、その結果を踏まえて「まだあまり検討できてない」と察して方針転換できずに、引き続き「予算は?納期は?」と聞いてくるのはただのヒアリングマシーンです。
優秀な営業であれば、冒頭の1〜2つの質問であなたの状況を察して方針転換します。どのような方針に換えるかは営業担当次第ですが、例えば筆者であればクライアントであるあなたとともに、情報を整理する時間と捉えて不確定な情報であることも踏まえながら「…であれば、このようなアプローチのために、このようなクリエイティブで検討するのが良いかもしれません」と何かしら持ち帰ってもらえるものを用意するようにします。
話を戻します。
営業の仕事は、クライアント、プロデューサー、クリエイターなどあらゆるステークホルダーの機微を察して先回りしリスクヘッジしながらスムーズに案件を進行することも大きな仕事です。「察せない」というのは、こういうことができないということと同意であり、一緒に仕事をする上ではかなり大きな危険因子になり得るため1つの判断のポイントになるでしょう。
質問への回答のピントがずれている・「持ち帰ります」が多い
質問への回答のピントがずれる、というのは基本的なコミュニケーション能力が欠如している可能性が高いです。日常のコミュニケーションであればさほど問題にならずとも、営業担当としては致命的です。
また、あなたの質問に対して「持ち帰ります」を連発してしまうようでは、これもやはり実力がまだまだ足りていない証拠です。動画制作そのものの経験が足りず、金額や制作上のリスクについてその場でしっかりと回答・補足できないということは現場を知らないということです。現場経験の無い営業は制作会社の営業資料を持ったただの素人です。選択肢からは外したほうが良いでしょう。
動画制作会社における、優秀な営業担当者の特徴
より本質的なヒアリング
予算や納期などの形式的な内容はもちろん必要な情報ですが、「動画制作の目的」やその「背景」について深堀りしてくれる営業担当は比較的優秀であると言えるでしょう。
そこから更にターゲット像を具体化あるいは抽象化したり、視聴者の気持ちを考え、必要な情報をイメージしながら、その打ち合わせの中で徐々に「動画を活用するイメージを具体的」にしてくれるような営業は更に優秀です。
あなたが今抱えている動画制作についての疑問や不安なども思い切ってぶつけてみましょう。きっと気持ちよく解決してくれれるはずです。
質問に結論から答える。きちんと補足する。
ビジネスパーソンであれば「まずは結論から」とよく言われますが、これは営業シーンにおいても同様です。ただし、もちろん結論だけではその真意を理解してもらうことはできません。
その後に、「なぜその結論になるのか」「他にどんなことが考えられるか」「その場合のリスクは、デメリットはなにか」などの補足は必要です。これに加えて、あなたが「なぜその質問をしたのか」の意図も汲み取った上でしっかりと補足してくれる営業であれば、その方はかなり優秀な営業でしょう。
あなたのイメージを具体化してくれる。
制作会社との打ち合わせのタイミングでは、まだあなたには「どのような動画がいいのかなんとなくイメージはあるものの、具体化できていない」状態かもしれません。
そのような状態から、上記のようなコミュニケーションを経て、「こういう動画がいいんじゃないですか?」と観せてくれる動画が、あなたのイメージにピッタリ、あるいは近いものでればその営業のコミュニケーション能力は比較的高く、また感性としてもあなたに近いといえるでしょう。
ただし、ただ単にイメージに近いだけでは足りません。「なぜそのクリエイティブが良いのか」について目的やターゲットなども踏まえた上で納得の行く説明がなされて初めて合格と言えるでしょう。
打ち合わせ後に、「モヤモヤ」が「すっきり」している。
初回の打ち合わせを終えて、上記のようなコミュニケーションが上手くとれていると、きっと打ち合わせ前には「モヤモヤ」としていたものが晴れて、少し「すっきり」しているでしょう。
これは、「本当にこれでいいのかな?」と思っていたものが営業担当との会話を通して、「あ、これでいいのか」「こっちのほうがいいな」「確かにこういう表現が良さそう」など整理され、最終的なアウトプットのイメージにまで繋がることで一本の筋が通った状態です。
必ずしも一度の打ち合わせでこのような状態まで持っていくことができるとは限りませんが、このような道筋を作ってくれる営業は間違いなく優秀です。
優秀な営業担当者と出会う最大のコツ
いくら微妙なイケてない営業を避けて、優秀な営業担当を選ぼうと思っても「出会う」ことができなければどうしようもないですよね。こればかりは動画制作会社側の采配になるため、アンコントローラブルな領域です。
しかし、「優秀な営業担当を付けてもらう」可能性を高めることはできます。
その方法はとっても簡単で「私は動画を制作する気満々です。」「できれば貴社に発注したいと思っています」と匂わせることです。
明らかなウソをつくなどでいたずらに制作会社に期待をもたせるようなことはして欲しくないですが、問い合わせる際に事実の範囲内で上記を意識して問い合わせメッセージを書いてみて下さい。
ポイントとして、
- 納期を伝える
- 予算を伝える
- その会社の良いと思ったポイントを伝える
- その会社の実績の中からイメージに近い動画をピックアップして伝える
上記を満たすことができると良いでしょう。
また、問い合わせる前にしっかりと自分で情報整理をしておくと更に効果UPです。
最後に:優秀な営業担当と出会えたら
「ネット検索で上位表示される会社の中から選ぶ」という条件であればということで「人」で選ぶことの重要性と優秀な営業担当の見極め方をお伝えしてみましたが、いかがでしょうか。
筆者としては、ここまで書いておきながら…ではありますが最終的には「相性」の問題も大いにあると考えています。今回ご紹介した内容はあくまでも1つのTips程度にお考え頂き、まずはご自身の感覚を大事にしながら、制作会社や営業担当を見極めてみてください。
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