SaaSやIT・Webサービスのプロモーションでよく制作・活用される「サービス紹介動画」。
予算を抑えて制作することが可能な動画である一方で、一定以上の予算をかけて準備をすることでより高いクオリティを実現することで「説得力」を高めることもできます。
本記事では、そんなサービス紹介動画について、どれくらいの予算・制作費があれば制作できるのかや、制作のポイント、予算別の事例の紹介など、徹底的に解説します。
サービス紹介動画についてよくあるQ&A
- サービス紹介動画の制作費はいくらくらい?
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求めるクオリティや制作体制によって大きく変動しますが、概ね30万円〜300万円ほどの幅で制作されることが多いです。
- サービス紹介動画の制作期間はどれくらい?
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短いもので1ヶ月ほどです。一定のクオリティを求める場合には2ヶ月以上確保しておくようにしましょう。
- サービス紹介動画の活用方法にはどんな方法がある?
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LPへの掲載、動画広告での配信、営業ツールなどとして活用されることが多いです。
筆者のプロフィール
まず、この記事を読んでいただくにあたって「誰が何を書いているのか?」も非常に重要な要素になると思いますので、簡単に私のプロフィールをまとめています。

【株式会社case 代表取締役/動画制作プロデューサー:加藤智史】
新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。現在は本メディアの運営を通じた企業動画の受託制作や、動画制作会社の営業支援などを行う。
動画制作会社(予算数十万円〜数百万円)での営業兼プロデューサーとしての役割を中心に、広告代理店(予算数百万円〜数千万円)でのアカウント(クライアントと社内クリエイティブチームの窓口、PM業務を担当する役割
なども経験しているため、比較的高い説得力で本記事をお届けできるのではないかと考えています。
サービス紹介動画の制作費を左右する主な要素

サービス紹介動画は、アニメーション・モーショングラフィックスで制作されることが多いため、本記事ではそれを前提に解説します。その場合、
- 動画の尺
- デザイン、イラストの数
- デザイン、イラストのデザイン性の高さ
- アニメーションのリッチさ
1つずつ解説します。
動画の尺
サービス紹介動画におおい、アニメーション・モーショングラフィックス動画の場合、動画の尺が長くなればなるほど、制作費も上がる傾向にあります。
後述する「アニメーションのリッチさ」とも関連しますが、尺が伸びる分編集工数も増加するため、制作費が上がりやすいです。
デザイン、イラストの数
動画に活用するデザイン素材・イラスト素材が多くなると、当然これらを制作する工数も増加するため、制作費は上がります。
デザイン素材・イラスト素材については、購入できる素材を活用するという方法もあるため、制作費が限られる場合には制作工数を抑えるために、購入素材をうまく活用しましょう。
デザイン、イラストのデザイン性の高さ
デザイン性の高さというのは、パッと見ただけではわからないかも知れませんがクリエイターの個性がより際立っているものや、やはり高い工数のかかるものは費用としても高くなる傾向にあります。
アニメーションのリッチさ
同一画面上で、より多くのオブジェクトが動いている、シーンのつなぎ目がシームレス、動きが滑らかで不規則、など見ていて飽きない・楽しいと感じるようなアニメーション・モーショングラフィックス動画は編集工数が高くなるため、制作費も上がります。
予算別のサービス紹介動画制作の具体例
どれくらいの予算で、どんなサービス紹介動画が制作できるのか…?というのは気になりますよね。
サービス紹介動画は自前で用意できる環境や人員(見栄えのする撮影場所や、お話が得意な人)によって大きくクオリティが変動するので、一概に「この金額があればこのクオリティが実現できる!」というのは難しいのですが、参考値として、30万円・60-80万円・100-150万円・200万円以上でどんなサービス紹介動画が制作できるのかをピックアップしてみました。
30万円
30万円というのは、制作会社に依頼する際のミニマムな金額にかなり近いと言えます。そのため、ゼロからデザインを書き起こして制作するというのは難しく、基本的には購入素材を組み合わせて動かす形で制作する、もしくは素材自体を発注側から提供することがある程度前提になると考えておくとよいでしょう。
60-80万円
50−60万円ほどの予算があると、動画のクオリティを30万円のときよりもグッと上げることができる…とまでは行きませんが、ある程度素材を制作会社側で用意する、書き起こした上で動画制作を行うことができます。
100-150万円
100-150万円ほどの予算が用意できると、しっかりとデザイン・イラスト素材を書き起こしで制作し、アニメーションさせることが可能になります。自社サービスのコンセプトやブランドイメージを動画でしっかりと表現することを考えると、これくらいの予算を確保したいところです。
200万円以上
200万円以上の予算になると、格段にクオリティが上がります。
・デザイン、イラスト素材制作時のコンセプト策定
・コンセプトに沿ったデザイン、イラスト制作
などに始まり、アニメーション・動かしのレベルとしてもかなり高いものになってきます。
サービス紹介動画の活用メリット
わかりやすさ
サービス紹介動画の最大の魅力はやはり「わかりやすさ」です。
特にサービスそのもののメリット・ベネフィットが一般的に認知されていなかったり、サービス名からはイメージしにくいものであれば、動画でその特長を「ナレーション」「テロップ」「イラスト」「アニメーション(動き)」の4つの要素を組め合わせて表現することで、静的なコンテンツとは比べ物にならないほど、わかりやすく訴求することが可能です。
高い汎用性
サービス紹介動画は、1本あればどのような場面でも使いやすいとても汎用性の高いコンテンツです。例えば営業ツールとしてはもちろん、LPへの掲載やメルマガのコンテンツ、展示会での放映、動画広告としての配信など活用方法は多岐にわたります。
サービス紹介動画制作のポイント

目的を明確にする
サービス紹介動画を制作する上で非常に重要なのがその目的を明確にし、可能な限り解像度を上げることです。
前述の通り一口で「サービス紹介動画」と言ってもその種類や活用方法は様々で、目的が不明確なままではどのような訴求をするのかを決定することはできません。
例えば、サービス紹介動画を制作する目的を「サービスの理解度を上げて、問い合わせを獲得すること」としましょう。
では「問い合わせ」してもらうために、動画はどのような役割を果たすべきでしょうか。
- サービスのベネフィットを理解してもらう
- 競合サービスとの違いを理解してもらう
- 高いコストパフォーマンスを理解してもらう
など、営業活動・マーケティング活動における課題感やターゲットの状態などによって見せるべき内容は大きくことなります。
営業活動・マーケティング活動におけるボトルネックがどこにあるのかや、何が相手の意思決定の材料になるのかをしっかりと分析・把握し動画の役割を明確にしましょう。
ターゲットを明確にする
この動画は「誰が見るのか」「誰に観せたいのか」を明確にしましょう。前述の動画の役割にも紐づきますが、この動画を観る人が
- いわゆるイノベーター層、アーリーアダプター層
- 展示会場を回遊している人
- 広告をクリックして、LPを訪問した人
…など、動画を見る人が誰であるかで訴求するべきポイントや表現方法は大きく変わります。何が相手の意思決定の材料になるのかをしっかりと分析・把握するためにも、ターゲットは明確にする必要があります。

予算を確保する
目的・役割とターゲットが明確になれば、「この人に、この情報を、こんなふうに伝える」ということまで決めることができます。
しかし、予算が足りなければ「こんなふうに伝える」の部分が弱くなってしまったり、十分に表現できない可能性があります。
この点については、前述の予算別の動画を見比べてみて、どのような訴求が最適かを検討してみるとよいでしょう。
動画制作の外注に失敗しないための4つのコツ
動画制作を外注した経験のある人の中には、なんらかの理由で「失敗した」「上手くいかなかった」と感じている方がいます。筆者も制作会社の営業として担当したお客様からそのような「以前お願いした会社で上手くいかず…」という相談を受けたことが何度かあります。
詳細は下記の記事にまとめていますが、ここでは失敗しないために重要な4つのポイントをご紹介します。

適切な制作会社を選ぶ
「それができれば苦労しない」と言われてしまいそうですが、やはりこの点は重要です。
ここで端的にお伝えしたいのは、「信頼できる営業担当者を選ぶ」という視点をもってみることです。
筆者が動画制作に携わり始めた10年ほど前とくらべると動画制作会社は格段に増えました。そしてどの会社も甲乙つけがたいほど豊富な制作実績を持っています。(弊社はまだ会社としての実績は少ないですが…)
その中で何をポイントに選ぶか?の1つのポイントが上記の「信頼できる営業担当者を選ぶ」という視点です。
詳しくは下記の記事にまとめていますが、端的にお伝えすると、

- 優秀な営業担当は、優秀なプロデューサー、優秀なクリエイターをアサインできる
- 優秀な営業担当は、無用なトラブルを避けてくれる
- 優秀な営業担当は、コミュニケーションがスムーズ
という3点です。「絶対この会社がいい!」と思える会社が見つからず悩むことがあればぜひ参考にしてみてください。
そしてもし悩むようであれば、ぜひ筆者にもご相談ください。
スケジュールに余裕を持つ

基本的なことではありますが、何らかの理由で急いで制作を進めなければならないケースもあります。そのような場合、
- 人的なリソースを確保するために通常スケジュールでの進行よりもお金がかかる
- 急ぐ分、準備・確認に通常より時間を割くことができず何らかのトラブルが起きる可能性が高くなる
…というリスクがあります。
会社によっては、短納期でも費用を抑えて制作してくれる会社もあるかもしれませんがそれでもスケジュールを短縮するということは、どこかでなにかを犠牲にせざるを得ません。
もちろん、通常スケジュールよりもトラブルが起きる可能性が高まるというだけで、「必ずトラブルになる」「失敗する」わけではありません。制作に慣れているプロが進行する以上、トラブルの種は極力排除し最大限問題なく進行できるよう尽力することは間違いありません。
ただ、それでも想定外のトラブルに見舞われることもあるのが動画をはじめ、クリエイティブ制作の現場です。
だからこそ、できる限りスケジュールには余裕を持つことを強くおすすめします。
制作内容によって変動しますが、サービス紹介動画であれば、最低1ヶ月。できれば2ヶ月ほど制作スケジュールが確保できると良いでしょう。
上記はあくまでも「制作期間」なので、制作会社を選んだり正式に発注するまでのリードタイムがどれくらい必要になるかについては、自社の稟議や予算申請のフローについて事前に把握しておく必要があります。
完成イメージをできるだけ具体的にする
いざ、動画制作をスタートする際には制作会社側からどのような動画が完成する予定であるかは絵コンテやシナリオなどの資料を用いて説明があるはずです。
動画制作に慣れていれば、そのような資料で具体的なイメージを持つことができますが、初めての場合にはそれでもイメージが難しいこともあるでしょう。
そのような場合には、遠慮なく制作会社側に質問してイメージの具体化に努めましょう。
制作過程で完成イメージの認識の相違などのズレが生じてしまうと、軌道修正には時間とコストがかかってしまいます。
社内調整を怠らない
発注側の企業の担当者の方の役割の1つが、自社内のステークホルダーとの共通認識の形成です。
- こんな目的でこんな動画を制作します。
- これが完成イメージです。
- いつころ完成良い体です。
- このタイミングでシナリオや動画を確認して、いつまでにフィードバックしなければなりません
…などなど、動画制作の背景や前提、クリエイティブイメージ、スケジュールなどについて関係者としっかりと「握る」ことができていないと、後になって「どんでん返し」が起きることは珍しいことではありません。
特に、動画制作について最終的なOKを出せる決裁権者とのすり合わせは重要です。
最後に
いかがでしたでしょうか。弊社では、動画制作の目的・ターゲットから動画の役割を導出し、最適な動画を無料でご提案させていただいています。ぜひお気軽にご相談くださいませ。
情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
是非、下のボタンからお気軽にお問い合わせください。