動画制作においてもっともポピュラーで、安価に制作できるものの1つがインタビュー動画です。クオリティをある程度犠牲にするのであれば、ディレクターがカメラマンを兼任することで、実質1人での撮影・制作も可能…という手軽さもあり、様々な企業が様々な方法で活用しています。
本記事では、そんなインタビュー動画について、どのような使われ方をしているのか、そして制作時にはどのような点に気をつける必要があるかについて解説します。
インタビュー動画についてよくあるQ&A
- インタビュー動画の制作費はいくらくらい?
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求めるクオリティや制作体制によって大きく変動しますが、概ね30万円〜200万円ほどの幅で制作されることが多いです。
- インタビュー動画の制作期間はどれくらい?
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インタビューの内容や対象者が決まっている状態であれば1ヶ月程度で制作可能です。
- インタビュー動画の活用方法にはどんな方法がある?
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「自社の紹介」「採用向け」「導入事例インタビュー」「ユーザーインタビュー」の大きく4つのパターンに別れます。
インタビュー動画の種類
自社を紹介するインタビュー
主に「会社紹介動画」などで、その会社の社長や事業部長、工場の責任者などが自社の理念やビジョン、あるいは事業の特徴や強みなどを自らの口で語ることによってそこに説得力をもたせたい場合に採用されます。
また、会社紹介動画の場合は全編ナレーションでの説明では少しダレてしまうという理由で、インタビューに応えるという形で説明を代替するケースもあります。
(インタビュー部分は03:20~)
採用向けインタビュー
新卒・中途採用のツールとしてもインタビュー動画はよく活用されます。求職者に向けて、事業や仕事の内容から始まり社風や会社の雰囲気など様々な内容が語られます。採用担当者からは伝えることが難しかったり、あるいは伝えられたとしてもその事業に向き合う当事者の言葉の方が強い説得力をもたせられる場合などに活用されることが多いです。
導入事例インタビュー
自社サービスや製品を導入・購入してくれたお客様へのインタビュー動画は、いわゆる「お客様の声」コンテンツとしてここ数年で活用されることが爆発的に増えました。それまでは、いわゆるホワイトペーパーなどの静的なコンテンツとして扱われることが多かったですが、「説得力」が鍵になるこのようなコンテンツは動画との相性がとても良く、また、お客様に出演してもらうということで一般的なインタビュー動画よりも多めに予算が使われることも特徴的です。
ユーザーインタビュー
こちらも「導入事例インタビュー」とほぼ同じですが、本記事の中ではインタビュー対象者が一般消費者であるという点において区別しています。toBのサービスや製品ではなく、toCのサービス・製品においてもサービス・製品の特性次第では「お客様の声・ユーザーの声」のコンテンツは有効に働くということがおわかりになると思います。
インタビュー動画の活用メリット
強い説得力
インタビュー動画の最大の魅力はやはり「強い説得力」です。動画も画像やテキストのように編集は可能ですが、不自然な編集であれば明らかな違和感が生まれてしまうため、基本的に意図的に主張の主旨を変えてしまうような編集は行われません。そのため、「その人の口で語られている」という強い説得力をもたせることができ、それが視聴者の信頼につながります。
特にtoBマーケティングにおいて、「比較・検討」フェーズのターゲットにおける最後のひと押しともなりうる「強い説得力」を帯びたインタビュー動画は非常に有効です。
高い汎用性
導入事例インタビューでも、採用向けインタビューにしても、その動画コンテンツが1つあればどのような場面でも使いやすいとても汎用性の高いコンテンツです。例えば導入事例インタビューであれば、営業ツールとしてはもちろん、LPへの掲載やメルマガのコンテンツとしての活用も有効です。
採用向けインタビューであれば、採用サイトへの掲載はもちろん、採用イベントでの放映やSTEPメールのコンテンツとしての活用などこちらもやはり様々な場面で活用することができます。
メインとなる活用方法を想定して制作する必要はありますが、それ以外にも使いみちが用意できるというのはインタビュー動画の大きな魅力の1つです。
ヒアリングの機会の創出
特に導入事例インタビュー動画の制作は、直接顧客に自社製品やサービスの感想やフィードバックをもらうことのできる非常に貴重な機会です。インタビューの撮影はもちろんですが、それを理由に「何をキッカケにして自社製品を認知したのか」「その時の競合はどのような製品だったか」「何が決め手になったか」「どこで迷ったか」など、デジタルマーケティングの結果だけでは知ることのできないリアルな声を聞くための「機会」の創出にもなるというのは、インタビュー動画制作の隠れたメリットだと言えるでしょう。
インタビュー動画制作のポイント
目的を明確にする
インタビュー動画を制作する上で非常に重要なのがその目的を明確にし、可能な限り解像度を上げることです。
前述の通り一口で「インタビュー動画」と言ってもその種類や活用方法は様々で、目的が不明確なままではどのようなインタビューを撮影するのかを決定することはでkません。
例えば、採用向けのインタビュー動画を制作するとして、インタビュー動画制作の最終的な目的を「自社に入社してもらうこと」としましょう。
では「入社」してもらうために、動画はどのような役割を果たすべきでしょうか。
- 選考における辞退を減らすために、辞退要因となっている社風について語ってもらう
- 仕事内容の理解ができていないという学生が多いので、仕事内容について語ってもらう
- やり甲斐や厳しさなどは、採用担当から語ることは難しいため、その内容をインタビューで語ってもらう
など、採用活動における課題感やターゲットの状態などによって見せるべき内容は大きくことなります。
採用活動におけるボトルネックがどこにあるのかや、何が相手の意思決定の材料になるのかをしっかりと分析・把握し動画の役割を明確にしましょう。
ターゲットを明確にする
この動画は「誰が見るのか」「誰に観せたいのか」を明確にしましょう。前述の動画の役割にも紐づきますが、この動画を観る人が
- 新卒採用のターゲットであるMARCH在籍の学生
- 体育会に所属している学生
- ベンチャーのインターンなどに参加しているビジネス感度の高い学生
…など、動画を見る人が誰であるかで訴求するべきポイントや表現方法は大きく変わります。何が相手の意思決定の材料になるのかをしっかりと分析・把握するためにも、ターゲットは明確にする必要があります。
予算を確保する
目的・役割とターゲットが明確になれば、「この人に、この情報を、こんなふうに伝える」ということまで決めることができます。
しかし、予算が足りなければ「こんなふうに伝える」の部分が弱くなってしまったり、十分に表現できない可能性があります。
例えば、
- インタビュー対象者を象徴的にみせるために、照明を活用し表情の明暗をはっきりさせる
- 事業内容的に「お客様」の目線も気にしなければならないので、メイク・ヘアメイクも必要
- 働いている場所のイメージを訴求するために、複数箇所での撮影が必要
など、適切な演出を加えたくてもそれらの機材・人を用意できなければそれは叶いません。
インタビュー動画は少ない予算で制作することも可能ですが、当然ながら一定の
「言わされ感」を出さない
インタビュー動画において絶対に避けなければならないのが、「言わされ感」です。あからさまに台本を読んでいる感じや、準備した言葉を発している様子などは、絶対に視聴者に伝わります。これは絶対です。
前述の通り、インタビュー動画の最大のメリットは「強い説得力」です。これは「インタビュー動画は本人が本当に思ったことを言っている」という暗黙の了解があるということを含めて成立しているものであり、そこに「言わされている」というウソが少しでもにじみ出れば「説得力」は一気にゼロどころか大きなマイナスとなります。
インタビューは必ず本人に自分の口で言葉で語ってもらうことが大前提です。
インタビュー動画制作の外注に失敗しないための4つのコツ
動画制作を外注した経験のある人の中には、なんらかの理由で「失敗した」「上手くいかなかった」と感じている方がいます。筆者も制作会社の営業として担当したお客様からそのような「以前お願いした会社で上手くいかず…」という相談を受けたことが何度かあります。
詳細は下記の記事にまとめていますが、ここでは失敗しないために重要な4つのポイントをご紹介します。
適切な制作会社を選ぶ
「それができれば苦労しない」と言われてしまいそうですが、やはりこの点は重要です。
ここで端的にお伝えしたいのは、「信頼できる営業担当者を選ぶ」という視点をもってみることです。
筆者が動画制作に携わり始めた10年ほど前とくらべると動画制作会社は格段に増えました。そしてどの会社も甲乙つけがたいほど豊富な制作実績を持っています。(弊社はまだ会社としての実績は少ないですが…)
その中で何をポイントに選ぶか?の1つのポイントが上記の「信頼できる営業担当者を選ぶ」という視点です。
詳しくは下記の記事にまとめていますが、端的にお伝えすると、
- 優秀な営業担当は、優秀なプロデューサー、優秀なクリエイターをアサインできる
- 優秀な営業担当は、無用なトラブルを避けてくれる
- 優秀な営業担当は、コミュニケーションがスムーズ
という3点です。「絶対この会社がいい!」と思える会社が見つからず悩むことがあればぜひ参考にしてみてください。
そしてもし悩むようであれば、ぜひ筆者にもご相談ください。
スケジュールに余裕を持つ
基本的なことではありますが、何らかの理由で急いで制作を進めなければならないケースもあります。そのような場合、
- 人的なリソースを確保するために通常スケジュールでの進行よりもお金がかかる
- 急ぐ分、準備・確認に通常より時間を割くことができず何らかのトラブルが起きる可能性が高くなる
…というリスクがあります。
会社によっては、短納期でも費用を抑えて制作してくれる会社もあるかもしれませんがそれでもスケジュールを短縮するということは、どこかでなにかを犠牲にせざるを得ません。
もちろん、通常スケジュールよりもトラブルが起きる可能性が高まるというだけで、「必ずトラブルになる」「失敗する」わけではありません。制作に慣れているプロが進行する以上、トラブルの種は極力排除し最大限問題なく進行できるよう尽力することは間違いありません。
ただ、それでも想定外のトラブルに見舞われることもあるのが動画をはじめ、クリエイティブ制作の現場です。
だからこそ、できる限りスケジュールには余裕を持つことを強くおすすめします。
制作内容によって変動しますが、インタビュー動画であれば、最低1.5ヶ月。できれば2ヶ月ほど制作スケジュールが確保できると良いでしょう。
上記はあくまでも「制作期間」なので、制作会社を選んだり正式に発注するまでのリードタイムがどれくらい必要になるかについては、自社の稟議や予算申請のフローについて事前に把握しておく必要があります。
完成イメージをできるだけ具体的にする
いざ、動画制作をスタートする際には制作会社側からどのような動画が完成する予定であるかは絵コンテやシナリオなどの資料を用いて説明があるはずです。
動画制作に慣れていれば、そのような資料で具体的なイメージを持つことができますが、初めての場合にはそれでもイメージが難しいこともあるでしょう。
そのような場合には、遠慮なく制作会社側に質問してイメージの具体化に努めましょう。
制作過程で完成イメージの認識の相違などのズレが生じてしまうと、軌道修正には時間とコストがかかってしまいます。
社内調整を怠らない
発注側の企業の担当者の方の役割の1つが、自社内のステークホルダーとの共通認識の形成です。
- こんな目的でこんな動画を制作します。
- これが完成イメージです。
- いつころ完成良い体です。
- このタイミングでシナリオや動画を確認して、いつまでにフィードバックしなければなりません
…などなど、動画制作の背景や前提、クリエイティブイメージ、スケジュールなどについて関係者としっかりと「握る」ことができていないと、後になって「どんでん返し」が起きることは珍しいことではありません。
特に、動画制作について最終的なOKを出せる決裁権者とのすり合わせは重要です。
インタビュー動画の事例
インタビュー動画の用途は問わず、特徴的なインタビュー動画を3つほどピックアップしました。どのインタビュー動画にも参考にできると思いますので、ぜひ御覧ください。
八幡自動車商会 新卒採用 社員インタビュー
【お客様事例-製造業業界】Kubota -Customer Success Story-
【採用ブランドムービー】きのうのじぶんを超えていく、じぶんへ。
【清水建設】土木系新卒採用ムービー「シミズノヒト」
【PRIUS】開発者インタビュー「Design」
最後に
いかがでしたでしょうか。「インタビュー動画」は非常にシンプルが故に、とても奥が深い動画です。語る人の表情や言葉に説得力をもたせるために、照明やレンズを変え、色味を調整することでその印象は大きく変わります。
クリエイティブとしての演出はプロに任せられるので、インタビュー動画の制作を検討する際には事前の情報整理をしっかりと行い、目的やターゲットを明確にした上で代理店や制作会社に問い合わせるようにしまよう。
情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
是非、下のボタンからお気軽にお問い合わせください。