「採用動画と採用ブランディング動画の線引きが曖昧で、何を作るべきかわからない」「見積を取ると金額差が大きく、比較軸がない」——新卒採用の母集団形成や志望度向上を目的として、採用ブランディング動画の制作を検討されるケースは多くありますが、一方でその効果を定量的に測ることは難しく、適切な予算確保のための稟議に苦労される担当者の方のお話をきくことがあります。
本記事では、採用ブランディング動画の相場レンジと予算別にできることを整理し、稟議をスムーズに通すための見積比較のポイント、発注前に準備すべきチェックリストを解説します。
結論ショートQ&A(まずここだけ)
- 採用ブランディング動画の相場は?
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目安は80万円〜300万円です。母集団形成(短尺・配信前提)なら80万〜150万円、カルチャー訴求(中尺・現場感)なら120万〜250万円、世界観を強く打ち出すブランドメッセージ型は300万円以上が基準です。
- 100万円と300万円の違いは?
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主な差は撮影体制(日数・スタッフ・ロケ数)と制作条件(スタジオの有無、キャスティングの有無)です。どちらが正解かではなく、使う場所(採用サイトTOP/広告/説明会)や目的に合わせて選びます。
- 制作期間の目安と短納期の条件は?
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標準は8〜12週間です。短納期(4〜6週間)を成立させるには、出演者の早期確定、承認期限(SLA:承認までの取り決め)の48時間以内設定、修正回数の事前合意などが必要です。
- 追加費用が出やすいポイントは?
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規定回数を超える修正、BGMライセンス、縦型(9:16)や字幕の後付け、契約上の二次利用範囲の追加が主な要因です。発注前に仕様を確定させるほど、追加費用を抑えられます。
予算帯別「できること」早見表と比較のポイント
結論として、予算は目的(母集団形成/志望度向上/世界観の提示)から逆算して決めます。ここでは、予算帯ごとの制作内容を比較します。
80万〜150万円と120万〜250万円は金額帯が重なりますが、違いは「何にコストを配分するか」です。前者は配信前提の短尺で回す設計、後者は中尺でカルチャーの厚み(人物・現場・空気感)を作る設計が中心です。
| 予算帯 | 尺の目安 | 撮影日数 | ロケ数 | 納品本数 | 向く目的 |
|---|---|---|---|---|---|
| 80〜150万円 | 30秒〜3分 | 1日 | 1カ所 | 1本(短尺中心) | 母集団形成、業務理解 |
| 120〜250万円 | 90秒〜5分 | 1〜2日 | 1〜2カ所 | 2〜3本(短尺含む) | カルチャーフィット、志望度向上 |
| 300万円以上 | 5分以上 | 3日以上 | 複数 | 複数本(短尺・縦型・字幕含む) | 世界観の提示、採用ブランディング |
見積の確認ポイント:「含む/含まない」の境界線
見積を比較する際は、金額そのものより先に「どこまで含むか」を揃えます。ここが揃うと、価格差の根拠が明確になり、稟議の説明も通しやすくなります。
| 確認項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 企画構成 | 台本作成、絵コンテ作成が含まれているか |
| 撮影・編集 | 撮影体制(カメラ台数、照明・音声の有無)、ナレーション、字幕制作が含まれているか |
| ライセンス | BGMライセンス、出演者の肖像権利用の範囲が明記されているか |
| 修正回数 | 標準の修正回数(例:2回まで)が明記されているか |
| 二次利用(契約) | 採用サイト、SNS広告、説明会など、利用媒体と期間が許可されているか |
| 再利用(編集展開) | 短尺版・縦型(9:16)・無音用字幕などを同時に作る前提か |

150万円モデルの内訳例(稟議転記用)
稟議書の「予算根拠」として使いやすいよう、150万円の内訳例を示します。費目の説明を添えることで、決裁者の理解が進みます。
- 企画構成費(20万円):ターゲット整理、コンセプト設計、絵コンテ作成
- ディレクション費(20万円):香盤表(撮影スケジュール表)作成、現場指示、編集指示
- 撮影費(30万円):カメラ2-3名、機材費、1日撮影
- 編集費(30万円):本編編集、色調整、テロップ挿入
- 照明費(30万円):照明スタッフ2−3名、照明機材費
- ナレーション費(15万円):スタジオ費、ナレーター費
- その他(20万円):諸経費
※香盤表:撮影当日の段取りを時系列で管理する表です。制作側が作成し、発注側は確認する形が一般的です。
発注前チェックリスト(決めることを8項目に絞る)
制作会社へ見積依頼する前に、社内で次の8項目を決めます。ここが揃うと、提案の精度が上がり、手戻りが減ります。
- 目的・KPI:母集団形成/志望度向上/承諾率改善のうち、主目的を1つ決める
- ターゲット像:文理・志向・職種のどこを狙うかを定義する
- 参考動画:近いトーンの事例を2〜3本用意する
- 出演者候補:代表・社員の出演可否と候補者を整理する
- 撮影候補日:撮影できる日程を複数リストアップする
- 納品形式(再利用設計):本編16:9に加え、短尺・縦型・字幕の要否を決める
- 承認フロー:最終決裁者とレビュー期限(推奨:48時間以内)を決める
- 二次利用(契約範囲):利用媒体と期間を明記できる状態にする
採用動画と採用ブランディング動画の違い(線引きを明確にする)
「採用動画」と「採用ブランディング動画」は目的と成果指標が異なります。ここを先に揃えることで、予算と仕様が決めやすくなります。
採用動画は業務理解などを目標に、視聴ターゲットに「理解」を促すことを目的としている事が多いです。一方で採用ブランディング動画は「共感」を促すことを目的としています。

再利用を前提とした動画設計
費用対効果を高めるには、1本で終わらせず、採用サイト・説明会・SNS広告などで再利用できる設計にします。例えば、本編から15秒の縦型広告や、説明会用の短尺版を切り出すことで、制作コストを抑えながら接触回数を増やすことも可能です。
短納期の条件を具体化する
短納期を成立させるには、出演者の早期確定、承認期限(SLA)の設定、修正回数の合意、撮影の1日集約が必要です。条件を発注前に整理すると、制作側のスケジュール提案も現実的になります。
まとめ:明確な要件定義で採用ブランディング動画の稟議を推進する
採用ブランディング動画の稟議を通すためには、相場の理解と要件の明確化が必要です。予算帯ごとの「できること」を把握し、見積の「含む/含まない」を揃えたうえで比較することで、納得感のある判断につながります。
発注前チェックリストで社内の意思決定を整え、再利用設計まで含めて仕様を固めることで、手戻りを抑えながら採用成果につながる動画制作を進められます。
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