採用ブランディング動画の見積比較ガイド|「含む/含まない」で迷わない

「採用ブランディング動画の相場がわからない」「どこまで予算をかけるべきか判断できない」「稟議書に書く費用の根拠が作れない」——動画制作会社の営業をしているとよく聞く悩みです。多くの場合、問題は相場がわからないことよりも、「何を作るべきか」の設計が先に定まっていないことにあります。費用は”答え”ではなく、目的と設計が決まった結果として出てくるものです。

本記事では、予算帯別の制作内容・見積の内訳の考え方を、制作会社の視点から整理します。

目次

まず「予算判断の基準」を揃えます:主要なQ&A

採用ブランディング動画の相場はいくらですか?

相場は80万円〜300万円が一般的な目安です。母集団形成向けの短尺(SNS広告・合説導入)なら80万〜150万円、カルチャーや働くリアルを深掘りする中尺なら120万〜250万円、世界観を強く打ち出すブランドメッセージ型は300万円以上が基準です。

採用動画と採用ブランディング動画は何が違いますか?

採用動画の多くが「仕事内容や事業の理解」を促すコンテンツであるのに対し、採用ブランディング動画は「価値観や空気感への共感」を生み出すことを主目的にしています。前者では情報の網羅性が成果を決め、後者ではトーン&マナー(言葉の温度・映像の質感・音の設計)やコンセプトが動画のクオリティを大きく影響します。

制作会社の立場から正直に言うと、この2つを混同したまま発注されると、予算に対してアンバランスな仕上がりになりやすいです。採用動画の予算感でブランディング動画を依頼しても、成果が出にくいのはこれが理由です。設計が違えば、求められるものも、かけるべき工数も変わります。

100万円と300万円の動画では何が違いますか?

コンセプト設計の有無、撮影スタッフの数、利用する機材の質、撮影日数、スタジオやキャストの有無などが大きく異なると考えられます。

制作期間はどのくらいかかりますか?

標準的な制作期間は8〜12週間です。企画構成に2〜4週間、撮影準備と撮影に約2週間、編集と修正に4〜6週間が目安です。短納期で進める場合は、出演者の早期確定・承認SLA(Service Level Agreement:承認期限の取り決め)の48時間以内への設定・修正回数の事前合意、この3点を発注前に整理しておくと進行がスムーズになります。

採用ブランディング動画とは?志望度を高める設計の考え方

採用ブランディング動画は、その会社ならではの価値観・考え方・大切にしているものを動画で表現したものです。

もう少しわかりやすく説明すると、「待遇、オフィス環境、働きやすさ」などの「比較可能なスペック」を打ち出すのではなく、その会社が本当に伝えたいことを「伝わりやすい形にして」届けることでターゲットに「その会社の絶対的な存在意義・価値への共感」を目指したものです。

費用を左右する5つの要因:見積もりがブレる理由

制作会社の視点から言うと、見積の金額差が大きい案件ほど”前提の確認が不十分”であることが多いです。金額差は「制作会社の実力差」ではなく、「何を含むかの定義差」から生まれます。比較する前に、次の5項目を揃えておくと比較の精度が上がります。

  • 撮影日数・体制:カメラ台数、照明・音声の有無、撮影が1日か2日かで人件費と機材費が変わります。
  • 編集の深さ:カラーグレーディング(映像の色調整)や、モーショングラフィックス(MG:図や文字が動く説明表現)の量で編集工数が増えます。
  • 尺と本数:16:9の本編に加え、30秒版・縦型9:16・字幕版を同時に作るかどうかで費用が変わります。
  • 出演者・ロケーション:スタジオ使用、遠方ロケ、外部ナレーターや役者の起用有無で費用が加算されます。
  • 修正ルール:修正は2回までが標準的です。3回目以降や構成変更は追加費用になりやすいため、コンテ段階での合意形成が後の手戻りを防ぎます。

費用内訳の読み方:100万円モデルの例

稟議書に転記しやすいよう、100万円プランの費目内訳を示します。制作会社によって費目名の呼び方は異なりますが、考え方は共通です。「なぜこの費用がかかるのか」を工程ベースで説明できると、上長への稟議が通りやすくなります。

費目概算金額(税別)内容の概要
企画構成費200,000円ヒアリング、台本作成、絵コンテ作成、進行管理
撮影費(1日)350,000円ディレクター、カメラマン、照明、機材一式
編集・MA費350,000円カット編集、テロップ、色調整、BGM、整音
諸経費100,000円交通費、予備費、通信費

※MA(Multi Audio):音量バランス調整やノイズ処理など、音を仕上げる編集工程のことです。

発注前チェックリスト:失敗を防ぐ8項目

制作が始まってから「やっぱりこうしたい」が出てくると、追加費用と納期延長の両方が発生します。これは発注側にとっても制作側にとっても、どちらにとってもよくない展開です。次の8項目を事前に整理しておくだけで、見積比較と社内合意が一気に進みやすくなります。

  • 動画の目的・KPI:プレエントリー増・志望度向上・内定承諾率改善のどれを主目的にするかを決めます。
  • ターゲット像:狙いたい学生の文理・価値観・志向・職種を明確にします。
  • 出演者の確保:代表者・社員の出演可否と、撮影日程の仮押さえを行います。
  • 参考動画:近いトーンの事例を2〜3本用意し、トーン&マナーを共有します。
  • 納品形式:16:9に加え、短尺版・縦型(9:16)・字幕の有無を決めます。再利用を前提にする場合は、最優先で確認する項目です。
  • 予算上限:縦型追加・字幕・ナレーターなど追加費用の許容範囲も含めて枠を確定します。
  • 承認フロー:最終決裁者・レビュー担当・承認期限(目安:48時間以内)を明確にします。
  • 二次利用範囲:採用サイト以外(広告・イベント・YouTube)の利用媒体と期間を整理します。

まとめ:採用ブランディング動画で「ここで働く理由」を設計する

採用ブランディング動画の制作費は、採用成果につなげるための投資です。予算帯によって実現できる表現は変わりますが、最も問われるのは「自社の価値観が学生に正しく伝わる設計になっているか」という点だと思っています。

  • 予算は80万〜300万円を基準に、目的に応じたタイプを選びます。
  • 見積の内訳を確認し、「含む/含まない」の境界線を制作会社間で揃えます。
  • 撮影体制と編集の密度が、最終的な世界観の完成度を左右します。
  • 発注前チェックリストで社内合意と再利用設計を事前に整えます。

ただ、これらが揃っていれば必ず良いものが作れるかというと、そうでもないと思っています。最終的には、制作会社と発注担当者の間に「綿密な会話・設計」があるかどうかが、仕上がりを決めます。予算や仕様の整理、概算見積の考え方まで含めてご相談したい場合は、お気軽にお問い合わせください。

情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
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この記事を書いた人

【株式会社case 代表取締役/動画制作プロデューサー】加藤智史
新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。現在は本メディアの運営を通じた企業の動画制作支援や、動画制作会社の営業支援などを行う。動画制作のご依頼の流れはコチラ

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