美容家電のプロモーション動画を徹底研究。事例もご紹介。

コロナ禍による巣ごもり需要や、美容に対するジェンダーレスな考え方の浸透、そして従来から美容への関心の高かった女性のさらなる関心の高まりなどで、盛り上がりを見せている美容家電。

特にヘアケア家電は大きな伸びを見せています。

美容の中でもドライヤーやヘアアイロンなど髪形を整える「ヘアケア家電」の伸びが大きい。調査会社ユーロモニターによると、23年の国内市場は1117億円と直近10年で2倍になる見通し。1.5倍の洗濯機、1.2倍の冷蔵庫を上回る。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF122X60S3A910C2000000/

美容家電は、特に日々肌や髪のお手入れを欠かさない人にとっては毎日使うものであることもあり、比較的高価格帯の商品も人気を博しており、それが市場規模の押し上げにもつながっているようです。

本記事では、そんな美容家電のプロモーション動画について研究し、事例の紹介とともに制作のポイントを解説します。

目次

美容家電プロモーション動画の種類

様々なメーカーの美容家電のプロモーション動画を数十本〜100本ほど視聴してみました。それらの動画を分類してみると、概ね下記の5種類に分けることができました。

  • 製品紹介
  • ブランドムービー/コンセプトムービー
  • WebCM
  • 使い方/How to

今では、Youtuberやインスタグラマーなどのいわゆる「インフルエンサー」が自主的に特徴的な美容家電をピックアップして紹介することも多いですが、だからこそメーカーが公式に出す動画で「どんな風に使えるのか」「どんな価値があるのか」「どんなライフスタイルが実現できるのか」を伝えることは非常に重要です。

それぞれ、印象的だった動画をピックアップしてご紹介します。

製品紹介

この動画の最も印象的なだったのは「具体的なスペック・機能性がよくわからない」けど「なんかすごいのかも…?」という内容に終始していることです。

上記は一見、良くないことのように思えますが、動画の目的・狙いを絞っているという点ではとても良い動画だと思います。

その狙いとは、(おそらくですが…)

  • 「なんかすごいのかも?」と思わせて、サイトに飛んでもらい情報を閲覧してもらう

ことです。

動画だけで、すべての情報を伝えるのは難しく途中で離脱されてしまう可能性が高いため、動画はあくまでも「惹きつける」役割にとどめ、最終的な目的としてはサイトでしっかりと製品情報を理解してもらい購入につなげる。

動画の活用方法としてはとても基本的なものですが、だからこそわかりやすい動画になっています。

ブランドムービー/コンセプトムービー

非常にわかりやすいブランドコンセプトを明確に表現している点が、筆者としてはとても秀逸だなと感じました。

ブランドムービーは基本的には「共感」を呼ぶことで、そのブランドへの好意度を高め指名買いにつなげていくことが一つのゴールなのですが、

この動画は「共感」というよりは「プロ仕様の製品なら使いたい!」という少し機能性やなぜそれが可能なのかという背景の説明に寄っているように思います。

しかし、この動画を視聴したあとに「YA-MAN PROFESSIONAL」の製品も検討してみたいと思わせることには成功しています。(筆者もお金があれば買って使ってみたいな…と感じました)

WebCM

またまた「ヤーマン」社の動画でなんだかヤーマンのPR記事っぽくなってきましたが、WebCMのこの動画もとてもわかりやすく良い動画でした。

「キーワードを連呼する」というのは広告手法としては珍しいものではありませんが、「浴びるだけ」でスキンケアができるという簡単さと、「ながら」でも美容ができるという点は肌のお手入れに時間をかけている層にとっては魅力的なポイントではないでしょうか。

そして、動画としてはその点にフォーカスしているのも素晴らしい。どうしても「あの機能も、この機能も」となりがちなのですが「あくまでもWebCM」としての目的を果たすべくわかりやすく、ターゲットを惹きつける動画だと感じました。

使い方/How to

Panasonic社の「イオンブースト」の動画をピックアップしました。

理由はHow to動画としてとてもわかりやすいというのはもちろんですが、ブランドのコンセプトを壊さずに表現しているのがとてもgoodだと考えました。

How to動画の主な視聴者はすでに製品を購入したユーザーだと考えると、ユーザーがもっているブランドイメージを毀損してしまうような動画は絶対に避けるべきです。

特にPanasonic社はこの製品意外にも数多くの美容家電もラインナップしているため、ブランドイメージをしっかりと守ることはひいてはPanasonic全体のプロモーションや売上にも寄与するでしょう。

How to動画は安く制作しようと思えばいくらでも安く制作できるのですが、ブランドの視点も含めてしっかりと制作されている動画を見ると、ブランドへの愛を感じます。

美容家電プロモーション動画制作のポイント

上記の動画事例の紹介時にも少し触れてきましたが、改めて美容家電のプロモーション動画の制作において、特に気をつけなければならないのは下記の4点です。

  1. 目的を明確にする
  2. ターゲットを明確にする
  3. 予算を確保する
  4. 視聴後に抱いてほしい感情・心情を明確にする

具体的にどのようなポイントを抑えるべきか、1つずつ解説します。

目的を明確にする

すごく当たり前のことなのですが、意外と見落とされがちです。

「なんとなくカッコいい動画」「とりあえずインタビュー動画を制作しようと思ってます」とかだと、あまり意味のない動画が出来上がってしまいます。本当にもったいないです。

ポイントは、

「動画制作の目的」と「動画に期待する役割」を分けて考えることです。

例えば、製品の購入を最終的なアクションとして期待する場合、動画制作の目的は「顧客に購入してもらうこと」です。しかし、その際に動画に期待する役割は「製品の理解」なのか「不安の解消」なのか「製品を認知してもらうこと」なのかによって制作するべき動画は大きく変わります。

必ずしも明確なKPIなどを設ける必要はありませんが、制作の目的については関係者間で明確な共通認識を形成しておくことが必要です。

ターゲットを明確にする

すごくすごく当たり前のことですが、これも見落とされがち…というか動画を制作するにあたっては少し解像度が荒い状態であることが多いです。

美容家電のターゲットは殆どの場合「既存ユーザー」「購入検討者」のいずれかとなることが多いでしょう。

  • 既存ユーザー…購入したものの、あまり活用できてないユーザーなのか普段からよく活用しているユーザーなのか。
  • 購入検討者…他社製品との比較をしている段階なのか、どんな製品があるかリサーチしている段階なのか。

…など、可能な範囲で具体化しておいたほうが企画立案だけではなく、社内関係者感の共通認識も形成しやすくなります。

企画に関して言えば、ターゲットがより具体的であればあるほど、動画としてもより具体的でターゲットが共感しやすい企画を立案しやすく、ターゲットが幅広く抽象的であればあるほど、「言いたいことはわかるけど、なんかぼんやりしている」動画になりやすいです。

前述の「目的」と紐づくため、ターゲットのことだけを考えても答えはでません。もしこの記事を読んで「あ…」と思った方は目的と合わせてどのようなアプローチが最適であるかについて、もう一度考えてみてはいかがでしょうか。

予算を確保する

目的・役割とターゲットが明確になれば、「この人に、この情報を、こんなふうに伝える」ということまで決めることができます。

しかし、予算が足りなければ「こんなふうに伝える」の部分が弱くなってしまったり、十分に表現できない可能性があります。

例えば、

  • 様々なライフスタイルにマッチすることを表現するために、複数のシチュエーションでの撮影がしたい
  • 製品の機能性を伝えるために、内部構造を3DCGで表現したい
  • コンセプトをしっかりと表現するために、スタジオをコンセプトに沿った内装にしたい

など、適切な演出を加えたくてもそれらの機材・人を用意できなければそれは叶いません。

制作費を抑えて制作すること自体は可能ですが、企画内容によって制作費は大きく変わるため、できる限りお財布には余裕をもたせておいたほうが良いでしょう。

視聴後に抱いてほしい感情・心情を明確にする

動画を見たあとに、ターゲットに「どのような感情になって欲しいか」「どんな心情を抱いてほしいか」を明確にしましょう。

この点もやはり目的と紐づくため、この点だけを切り離して考えることはできませんが、

・強く共感し、指名買いして欲しい
・他の製品も含めて購入してほしい
・競合他社との違いは、製品のスペックだけでは無いと理解・共感してほしい

など、目的によってどのような感情・心情を抱いてもらうことが望ましいかも決まってきます。なんの脈絡もなく「かっこいい動画」「感動的な動画」などのような議論にならないよう気をつけましょう。

最後に

いかがでしたでしょうか。

一口に「美容家電のプロモーション動画」と言っても最初に触れたように種類も豊富で、メーカーやブランドごとに特色は全く異なります。

そして、制作された動画をみると「急いで制作したのかな?」「なんとなく間に合わせで制作したのかな?」と思うものから、「こだわって制作されているな」と思われるものまでありました。

せっかく制作するのであれば、視聴者の印象に残り、製品の購入や活用につながるような動画を制作したいですよね。

情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
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この記事を書いた人

【株式会社case 代表取締役/動画制作プロデューサー】加藤智史
新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。現在は本メディアの運営を通じた企業の動画制作支援や、動画制作会社の営業支援などを行う。動画制作のご依頼の流れはコチラ

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