「サービス紹介動画を作ってみたいけど、どれくらいの期間がかかるの?」
動画制作をご相談いただく中で、最もよく聞かれる質問の一つです。
サービス紹介動画は、いわゆるアニメーション/モーショングラフィックスで制作されることが多いため、本記事ではそれを想定した制作期間について解説します。
また、各制作ステップでの所要時間、注意すべきポイントなどをわかりやすく解説していきます。
よくあるQ&A
- サービス紹介動画の制作費は?
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求めるクオリティや動画の長さ(尺)も変動しますが、簡易的なものであれば30万円〜から制作が可能ですが、80〜200万円ほどの制作予算を用意されるケースが多いです。
- サービス動画の制作期間は?
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約1.5-2ヶ月ほどを想定しておくと、無理のないスケジュールで制作が可能です。
- サービス紹介動画の活用方法は?
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「HPへの掲載」「営業ツール」「展示会」「メルマガでの配信」など、汎用的に活用されます。
サービス紹介動画の制作期間の目安
制作内容によって前後はありますが、動画で活用するデザインやイラスト素材を「ゼロから制作する」か「購入できる素材を活用する」のかで大きく変わります。
具体的には、
• 素材制作ありの場合:約1.5〜2ヶ月
• 素材制作なし(購入・提供素材のみ):約3週間〜1ヶ月
…というイメージです。もちろん、求めるクオリティや発注企業側の確認に必要な時間などで変動しますが、概ねの制作期間としては上記をイメージいただければ大きく外れることはありません。
制作ステップと各工程の所要時間

サービス紹介動画の制作は、大きく5つのステップに分かれます。以下に一般的なスケジュールの目安を記載します。
① 台本・シナリオ作成
事前に整理された情報(動画の目的や、視聴ターゲット、配信場所など)をもとに全体の構成やシナリオを作成します。
動画として、
・ナレーションで伝えること
・テロップで伝えること
・画の動きで伝えること
などを可能な範囲で具体的にイメージしながら作成することがポイントになります。
② ラフコンテの作成(1-2週間)/デザインの方針の検討
構成・シナリオに沿って、カットごとにラフ画(デザイン制作前の手書きのもの)を作成します。
また、並行してデザインの方針についても検討していきます。デザインの方針については制作会社ごとに微妙に進め方が異なりますが、
・お客様が想定している、トンマナ・テイストのヒアリング
・動画の要件に合わせた、キャラクターなどを提案
・方針を決定
というようなステップで進められることが多いです。
③ 絵コンテ作成(1-2週間)
概ねの内容が固まったラフコンテと、決定したデザインの方針に沿って、すべてのカットを絵コンテとして作成します。
④ 編集&お客様確認(1−2週間)
制作した絵コンテにそって編集します。絵コンテには各要素をどのように動かすのかが、大まかには記載されていますが、すべての要素をどのように動かすのか?がすべて詳細に記載されているわけではないため、「記載されてない余白」をいかによみとって動かしていくのか?は、エディターの腕の見せ所です。
⑤修正対応・最終納品(1週間)
初稿に対するフィードバックをもとに修正を行い、動画部分がFIXしたらナレーションを収録します。
最近では「宅録」と呼ばれる、個人ナレーターが所有している機材などで簡易的に収録されることも多いですが、より高いクオリティを求める場合にはスタジオでの収録となります。その場合にはもう少し時間がかかります。
用途に応じて、Web用/展示会用/SNS用など複数パターンを作成することもあります。
スケジュールを圧迫する“落とし穴”とは?
スケジュールを立てた通りに進まないこともあります。実際によくある「落とし穴」をいくつかご紹介します。
社内調整に時間がかかる
プロジェクトメンバー間や、上司との共通認識の形成・最終確認などの社内調整に時間がかかるのはよくあることです。この点については会社の文化・ルールによることが多いため事前に把握して、制作会社に伝えておきましょう。
特に複数部署をまたぐ場合は、要注意です。
修正対応でのやりとりが長引く
「誰が最終確認するか」「どのタイミングでフィードバックを出すか」が曖昧なままだと、編集フェーズでのやりとりが長引いてしまいます。
ナレーション・翻訳など追加要素の存在
多言語対応やナレーションを加える場合、その手配や原稿調整で時間が追加で必要になることもあります。
早く・スムーズに進めるために押さえておきたいこと
制作期間を短縮し、スムーズに進めるためには、発注側で事前にいくつかのポイントを押さえておくことが大切です。ここでは、実際の現場でよくある“つまずき”を踏まえながら、準備のポイントを解説します。
完成希望時期を初回打ち合わせで明確に伝える
なぜ重要?
制作スケジュールは、ゴール(納品希望日)から逆算して組み立てられます。デザイン制作や編集、確認などに必要な時間を確保するためにも、早い段階で納期を共有することで、現実的かつ効率的な進行プランが立てられます。
伝えないとどうなる?
後から「実は展示会が1週間早まった」などが判明すると、スケジュールの大幅な調整や、内容の削減が必要になることも。結果的に、品質か納期のどちらかを妥協せざるを得なくなる可能性があります。
社内の関係者と事前にゴールイメージを共有しておく
なぜ重要?
「誰の決裁が必要か」「動画の目的は何か」など、関係者間での認識を揃えておくと、構成作成や修正対応がスムーズに進みます。
共有できていないとどうなる?
編集初稿の段階で、「上長からNGが出た」「営業部の要望が入ってなかった」などが起こると、構成の練り直しや絵コンテの再制作が必要になるケースも。時間とコストの両面で大きなロスにつながります。
動画の活用目的などの「要件」明確にしておく
なぜ重要?
動画の構成や見せ方は「どこで・誰に・何を伝えるか」によって大きく変わります。これらの情報は動画制作の根幹となるため、関係者や他部署などとの調整が必要な場合には事前に共通認識を形成して確定しておく必要があります。
曖昧なままだとどうなる?
制作途中で「やっぱり展示会用に使いたい」「営業資料としても活用したい」となった場合、編集内容の変更や尺の調整が必要になることがあります。構成にも影響するため、初期段階でのすり合わせが不可欠です。
伝えたい内容を事前に箇条書きでも良いので整理しておく
なぜ重要?
発注側で「このシーンは絶対入れたい」「この製品は主力なので強調してほしい」などの希望をまとめておくと、構成案の精度が高まり、修正回数が減ります。
整理されていないとどうなる?
構成段階でのやり取りが何度も発生し、決定が遅れる原因に。また、完成後に「入れてほしかった内容が入っていなかった」と気づいても、再編集や撮り直しが必要になることもあります。
これらのポイントを押さえるだけで、構成・デザイン・編集すべての工程がスムーズに進み、結果的に納品までのスピードとクオリティを両立しやすくなります。
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動画制作の外注に失敗しないための4つのコツ
動画制作を外注した経験のある人の中には、なんらかの理由で「失敗した」「上手くいかなかった」と感じている方がいます。筆者も制作会社の営業として担当したお客様からそのような「以前お願いした会社で上手くいかず…」という相談を受けたことが何度かあります。
詳細は下記の記事にまとめていますが、ここでは失敗しないために重要な4つのポイントをご紹介します。

適切な制作会社を選ぶ
「それができれば苦労しない」と言われてしまいそうですが、やはりこの点は重要です。
ここで端的にお伝えしたいのは、「信頼できる営業担当者を選ぶ」という視点をもってみることです。
筆者が動画制作に携わり始めた10年ほど前とくらべると動画制作会社は格段に増えました。そしてどの会社も甲乙つけがたいほど豊富な制作実績を持っています。(弊社はまだ会社としての実績は少ないですが…)
その中で何をポイントに選ぶか?の1つのポイントが上記の「信頼できる営業担当者を選ぶ」という視点です。
詳しくは下記の記事にまとめていますが、端的にお伝えすると、

- 優秀な営業担当は、優秀なプロデューサー、優秀なクリエイターをアサインできる
- 優秀な営業担当は、無用なトラブルを避けてくれる
- 優秀な営業担当は、コミュニケーションがスムーズ
という3点です。「絶対この会社がいい!」と思える会社が見つからず悩むことがあればぜひ参考にしてみてください。
そしてもし悩むようであれば、ぜひ筆者にもご相談ください。
スケジュールに余裕を持つ

基本的なことではありますが、何らかの理由で急いで制作を進めなければならないケースもあります。そのような場合、
- 人的なリソースを確保するために通常スケジュールでの進行よりもお金がかかる
- 急ぐ分、準備・確認に通常より時間を割くことができず何らかのトラブルが起きる可能性が高くなる
…というリスクがあります。
会社によっては、短納期でも費用を抑えて制作してくれる会社もあるかもしれませんがそれでもスケジュールを短縮するということは、どこかでなにかを犠牲にせざるを得ません。
もちろん、通常スケジュールよりもトラブルが起きる可能性が高まるというだけで、「必ずトラブルになる」「失敗する」わけではありません。制作に慣れているプロが進行する以上、トラブルの種は極力排除し最大限問題なく進行できるよう尽力することは間違いありません。
ただ、それでも想定外のトラブルに見舞われることもあるのが動画をはじめ、クリエイティブ制作の現場です。
だからこそ、できる限りスケジュールには余裕を持つことを強くおすすめします。
制作内容によって変動しますが、インタビュー動画であれば、最低1.5ヶ月。できれば2ヶ月ほど制作スケジュールが確保できると良いでしょう。
上記はあくまでも「制作期間」なので、制作会社を選んだり正式に発注するまでのリードタイムがどれくらい必要になるかについては、自社の稟議や予算申請のフローについて事前に把握しておく必要があります。
完成イメージをできるだけ具体的にする
いざ、動画制作をスタートする際には制作会社側からどのような動画が完成する予定であるかは絵コンテやシナリオなどの資料を用いて説明があるはずです。
動画制作に慣れていれば、そのような資料で具体的なイメージを持つことができますが、初めての場合にはそれでもイメージが難しいこともあるでしょう。
そのような場合には、遠慮なく制作会社側に質問してイメージの具体化に努めましょう。
制作過程で完成イメージの認識の相違などのズレが生じてしまうと、軌道修正には時間とコストがかかってしまいます。
社内調整を怠らない
発注側の企業の担当者の方の役割の1つが、自社内のステークホルダーとの共通認識の形成です。
- こんな目的でこんな動画を制作します。
- これが完成イメージです。
- いつころ完成良い体です。
- このタイミングでシナリオや動画を確認して、いつまでにフィードバックしなければなりません
…などなど、動画制作の背景や前提、クリエイティブイメージ、スケジュールなどについて関係者としっかりと「握る」ことができていないと、後になって「どんでん返し」が起きることは珍しいことではありません。
特に、動画制作について最終的なOKを出せる決裁権者とのすり合わせは重要です。
最後に
サービス紹介動画は、一度制作すると比較的長期間利用が可能です。一方で、長期間利用できるからこそ目的やターゲットを明確にした上で一定の予算と時間を割いて丁寧に制作することが望ましいです。
情報整理や予算の検討など、事前準備をしっかりと行った上で制作会社へ問い合わせるようにしましょう。
情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
是非、下のボタンからお気軽にお問い合わせください。