アニメーション動画/モーショングラフィックス動画(以下、MG動画)は、サービス紹介・採用・広告など幅広い用途で活用される人気のフォーマットです。表現の自由度が高く、実写では難しい世界観や複雑な概念の可視化に強みがある一方で、「予算の目安がわからない」という声も多くあります。
本記事では、MG動画の予算を左右する要素と、予算別でできることの違いを体系的に整理し、初めての方でも判断しやすいように解説します。最後に外注で失敗しないポイントやFAQもまとめました。
要点(結論)
- 予算の目安:30万円・60〜80万円・100〜150万円・200万円以上の4帯が実務上の基準。
- 秒数×予算の相場:15秒=20〜50万円、30秒=30〜80万円、60秒=60〜150万円、90秒=100〜200万円。
- 費用に効く要素:イラスト/デザインの数・質、アニメーションの密度、ナレーション有無、修正回数、納期。
- スケジュール:標準4〜6週、短納期2〜4週、特急は割増+リスク増。
秒数×予算の早見表
| 尺 | 予算目安 | 想定クオリティ | 含まれる作業(例) | 修正回数目安 | 納期目安 | 
|---|---|---|---|---|---|
| 15秒 | 20〜50万円 | テンプレ中心 | 簡易デザイン/BGM1点 | 1回 | 2〜3週 | 
| 30秒 | 30〜80万円 | 一部書き起こし | 簡易絵コンテ/テロップ | 1〜2回 | 3〜4週 | 
| 60秒 | 60〜150万円 | フル書き起こし可 | 絵コンテ/ナレ可/SE | 2回 | 4〜6週 | 
| 90秒 | 100〜200万円 | 演出込み | シーン多/動き密度高 | 2回 | 6〜8週 | 
MG動画の予算の考え方
まずは参考動画を題材に、予算に影響する“要素”を分解します。
動画を要素分解する
- 動画に映っているもの(キャラクター/オブジェクト/背景)
- 動画に入っている音(ナレーション/BGM)
映像側はイラスト・デザインの制作/調達(書き起こし・素材購入・保有素材活用)と、アニメーション密度でコストが上下します。音側はナレーションの有無/キャスト・収録とBGMライセンスで変動します。
映像要素のコスト要因
- イラスト/デザインの点数とクオリティ
- 1シーン内の同時稼働オブジェクト数
- アニメーションの精度・滑らかさ
同時に多くのオブジェクトが細かく滑らかに動くほど、素材点数と編集工数が増え、制作費は高くなる傾向にあります。
音要素のコスト要因
- ナレーション:プロのキャスティングとスタジオ収録が一般的。キャリアにより数万円〜。
- BGM:ライセンスフリー音源は数千円〜の購入が目安。
予算別でできること(比較)
| 予算帯 | 含まれる作業(例) | 制限・含まれないもの | 推奨用途 | 
|---|---|---|---|
| 30万円 | 購入素材中心/簡易編集/BGM | フル書き起こし不可/修正1回 | 短尺告知/社内利用 | 
| 60〜80万円 | 一部書き起こし/簡易絵コンテ/テロップ | 複雑演出は制限/修正1〜2回 | LP埋め込み/広告のテスト | 
| 100〜150万円 | フル書き起こし/絵コンテ/ナレ収録/SE | 超高難度演出は要相談 | ブランド表現/本命アセット | 
| 200万円以上 | コンセプト策定/高密度アニメーション | — | 大型施策/TVCM準拠 | 
予算別の参考事例
30万円
60〜80万円
100〜150万円
200万円以上
コンセプト策定からデザイン開発、動きの密度まで一段上の表現が可能です。
費用内訳と見積もりの読み方
MG動画の見積もりは、概ね以下で構成されます。
| 項目 | 内容 | 金額目安 | 
|---|---|---|
| 進行管理費 | 予算・スケジュール・品質の全体管理 | — | 
| 企画構成費 | 目的設計、構成案、絵コンテ | 8万〜20万円 | 
| ディレクション費 | 企画通りに仕上げる監督業務 | 5万〜15万円 | 
| 撮影費(必要時) | カメラ・照明・音声 | 25万〜50万円/日 | 
| 編集費 | カット編集、テロップ、BGM整音 | 8万〜20万円 | 
| モーショングラフィックス | アニメーション制作 | 15万〜40万円 | 
| ナレーション | キャスティング、収録、整音 | 3万〜8万円 | 
納期とスケジュールの目安
| モデル | 期間 | 特徴 | 追加費用 | 
|---|---|---|---|
| 標準 | 4〜6週 | 検討・修正のバッファ確保 | なし | 
| 短納期 | 2〜4週 | 修正回数を制限/同時並行 | +10〜20% | 
| 特急 | 〜2週 | 工程圧縮/リスク高 | +30〜50% | 
動画制作の外注を失敗しない4つのポイント
- 適切な制作会社を選ぶ:実績だけでなく、信頼できる営業/窓口がいるかを重視。
- スケジュールに余裕:短納期は割増とリスク増。可能なら標準進行で。
- 完成イメージの具体化:絵コンテ・リファレンスでギャップを最小化。
- 社内調整を怠らない:目的/完成イメージ/承認フローを先に握る。
FAQ
- 60秒・90秒の相場はどのくらい?
- 
60秒は60〜150万円、90秒は100〜200万円が目安です。演出密度や修正回数、ナレーション有無で増減します。 
- ナレーションの有無で予算はどれくらい変わる?
- 
キャスト・収録・整音を含め3万〜8万円程度が一般的です。キャリアやスタジオにより幅があります。 
- 修正回数が増えると費用はどうなる?
- 
契約の上限回数を超えると、1回あたり数万円〜の追加が発生することが多いです。工程終盤の修正ほど高くつきます。 
- 短納期でも対応できる?
- 
可能です。ただし工程を圧縮するため+10〜50%の割増と、演出・修正の制限が生じる場合があります。 


 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
				 
				 
				 
				 
				