動画制作を検討する際、予算が30万円というケースに直面したら、何ができるのかと悩む方も多いのではないでしょうか。100万円や200万円といった予算なら『何かしら良い動画は作れるだろう』と思えるかもしれませんが、30万円ではどうでしょう?
動画に限らず、企業が制作物を外注する予算としては少なめの金額です。本記事では、『30万円の予算で動画制作会社に依頼できるか?』そして、『具体的にどのような動画が作れるのか?』を事例やポイントを交えて解説します。
限られた予算でも納得のいく動画制作を実現するためのヒントをぜひお読みください。
筆者のプロフィール
まず、この記事を読んでいただくにあたって「誰が何を書いているのか?」も非常に重要な要素になると思いますので、簡単に私のプロフィールをまとめています。
【株式会社case 代表取締役/動画制作プロデューサー:加藤智史】
新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。現在は本メディアの運営を通じた企業動画の受託制作や、動画制作会社の営業支援などを行う。
動画制作会社(予算数十万円〜数百万円)での営業兼プロデューサーとしての役割を中心に、広告代理店(予算数百万円〜数千万円)でのアカウント(クライアントと社内クリエイティブチームの窓口、PM業務を担当する役割)なども経験しているため、比較的高い説得力で本記事をお届けできるのではないかと考えています。
30万円で動画制作は外注できるか?
結論からお伝えすると、30万円の予算でも動画制作を外注することは可能です。ただやはり予算としては少ない金額であるため、できることは限られてしまいます。
しかし、それは制作会社への発注の場合です。動画制作は制作会社に発注するだけが選択肢ではなくフリーランスへ発注するという方法もあります。制作会社への発注も含めて解説します。
フリーランスクリエイターへ外注する
予算30万円というのは制作会社への発注金額としては大きくありませんが、フリーランスクリエイターや個人クリエイターの方へ直接依頼する金額として考えると幅が広がる金額だと言えます。
どこまでできるか、というのは当然個々人のクリエイターの値付けによりますが、相場的には制作会社に40−50万円くらいで依頼する内容を、フリーランスクリエイターへの直接の依頼であれば30万円でお願いできる可能性が高いです。
フリーランスクリエイターへ発注する際のポイント
フリーランスの方へ直接依頼する場合、制作会社であれば問題なく期待できる「動画制作というプロジェクトを進行するスキル」について、期待するのは慎重になったほうが良いです。
制作会社であれば、「営業」「プロデューサー/進行担当」「ディレクター」などそれぞれの役割と責任が別れていることが多いのですが、フリーランスクリエイターの場合「ディレクター」「カメラマンでもあり、編集もできる」など動画そのものを制作するスキルは高くても、プロジェクトマネジメントについては経験が浅い可能性も十分に考えられるためです。
そのため、動画制作に慣れている方であればフリーランスクリエイターの方への直接の発注も有力な選択肢になりますが、慣れてない方や初めての方であればある程度丸投げできる制作会社に任せる方が無難でしょう。
制作会社へ外注する
繰り返しになりますが、制作会社へ外注する予算としては30万円というのは少ない予算です。
そのため、「やりたいことをすべて」やるというのは難しい可能性が高いです。
例えば、
・ドローンで空撮
・モデルや役者をキャスティング
・複数台のカメラとスタッフ
・スタジオを借りる
などは、あまり現実的ではないでしょう。
30万円で制作できる動画の特徴
動画制作の費用は「スタッフの人数」「機材の質と量」「場所」「工数」などの要素で決定するため、できるだけこれらが少なくても制作が可能な動画であれば、30万円でも制作できる可能性があります。
低予算で制作可能な動画の特徴
アニメーション・モーショングラフィックス
- 尺が短い
- カット数/シーン数が少ない
- 動き(アニメーション)が比較的シンプル
実写
- 撮影場所が少ない
- 撮影場所が自社(発注側企業)オフィス
- 撮影人数が少ない
- キャスティングが不要
30万円で制作できる動画事例
制作会社や制作条件によって当然金額は変動するため、あくまでも制作できる可能性がある…ということをご留意ください。
サービス紹介
導入事例/お客様の声
製品紹介/商品紹介
動画制作の外注を失敗しないための、4つのポイント
予算を抑えながら、それでもクオリティも求めるとなると動画制作における「ポイント」をしっかりと抑える必要があります。失敗しないための4つのポイントをお伝えします。
適切な制作会社を選ぶ
「それができれば苦労しない」と言われてしまいそうですが、前述の通り、やはりこの点は重要です。
ここでお伝えしたいのは、「信頼できる営業担当者を選ぶ」という視点をもってみることです。
筆者が動画制作に携わり始めた10年ほど前とくらべると動画制作会社は格段に増えました。そしてどの会社も甲乙つけがたいほど豊富な制作実績を持っています。(弊社はまだ会社としての実績は少ないですが…)
その中で何をポイントに選ぶか?の1つのポイントが上記の「信頼できる営業担当者を選ぶ」という視点です。
詳しくは下記の記事にまとめていますが、端的にお伝えすると、
- 優秀な営業担当は、優秀なプロデューサー、優秀なクリエイターをアサインできる
- 優秀な営業担当は、無用なトラブルを避けてくれる
- 優秀な営業担当は、コミュニケーションがスムーズ
という3点です。「絶対この会社がいい!」と思える会社が見つからず悩むことがあればぜひ参考にしてみてください。
そしてもし悩むようであれば、ぜひ筆者にもご相談ください。
スケジュールに余裕を持つ
基本的なことではありますが、何らかの理由で急いで制作を進めなければならないケースもあります。そのような場合、
- 人的なリソースを確保するために通常スケジュールでの進行よりもお金がかかる
- 急ぐ分、準備・確認に通常より時間を割くことができず何らかのトラブルが起きる可能性が高くなる
…というリスクがあります。
会社によっては、短納期でも費用を抑えて制作してくれる会社もあるかもしれませんがそれでもスケジュールを短縮するということは、どこかでなにかを犠牲にせざるを得ません。
もちろん、通常スケジュールよりもトラブルが起きる可能性が高まるというだけで、「必ずトラブルになる」「失敗する」わけではありません。制作に慣れているプロが進行する以上、トラブルの種は極力排除し最大限問題なく進行できるよう尽力することは間違いありません。
ただ、それでも想定外のトラブルに見舞われることもあるのが動画をはじめ、クリエイティブ制作の現場です。
だからこそ、できる限りスケジュールには余裕を持つことを強くおすすめします。
完成イメージをできるだけ具体的にする
いざ、動画制作をスタートする際には制作会社側からどのような動画が完成する予定であるかは絵コンテやシナリオなどの資料を用いて説明があるはずです。
動画制作に慣れていれば、そのような資料で具体的なイメージを持つことができますが、初めての場合にはそれでもイメージが難しいこともあるでしょう。
そのような場合には、遠慮なく制作会社側に質問してイメージの具体化に努めましょう。
制作過程で完成イメージの認識の相違などのズレが生じてしまうと、軌道修正には時間とコストがかかってしまいます。
社内調整を怠らない
発注側の企業の担当者の方の役割の1つが、自社内のステークホルダーとの共通認識の形成です。
- こんな目的でこんな動画を制作します。
- これが完成イメージです。
- いつころ完成良い体です。
- このタイミングでシナリオや動画を確認して、いつまでにフィードバックしなければなりません
…などなど、動画制作の背景や前提、クリエイティブイメージ、スケジュールなどについて関係者としっかりと「握る」ことができていないと、後になって「どんでん返し」が起きることは珍しいことではありません。
特に、動画制作について最終的なOKを出せる決裁権者とのすり合わせは重要です。
動画制作時の発注者(顧客側)の役割
無事に動画制作がスタートすれば、あとは全て制作会社に任せられる…というわけではありません。
むしろ制作スタート後が本番で発注者・顧客側にも制作会社には決して担うことができない重要な役割があります。
それは大きく下記の3つです。
- 「決める」こと
- スケジュールを意識したレスポンス
- 具体的なフィードバック
詳細はこちらの記事にまとめていますが、簡単に説明します。
①「決める」こと
制作方針や企画、絵コンテなど動画制作についての情報の多くは制作会社から提案・提示されますが最終的にそれに「GO」を出すのは発注者・顧客側の役割です。
もちろん、そのために必要であれば自社の関係者との社内調整や根回しなども含まれます。
②スケジュールを意識したレスポンス
制作会社側がスケジュールを遵守するのはもちろんですが、以外と発注者・顧客側が双方で了解したスケジュールを守らない・守れないケースが多くあります。
もちろんそれは、顧客側にとって納期が多少遅れても大した問題ではないから…という理由からくるものだと理解していますが、制作会社側はそのスケジュールをベースにクリエイターのスケジュール・リソースを確保しています。
そのため、発注者側が「1週間くらい延びてもいいや…」という感覚でレスポンスを遅らせると、制作会社としては他の案件を優先せざるを得ず結果的に2〜3週間納期がズレてしまうということは少なくありません。
③具体的なフィードバック
制作会社からのアウトプットには、できる限り具体的にフィードバックするように意識するとよりスムーズに進行できます。
例えば、制作会社から提出されたデザインが少しピンと来ない場合に、
「なんかピンと来ないのでやり直して下さい」
…というフィードバックだと、制作会社としてはどこから手をつけて良いのかの判断ができません。そのため、
「ここの色味をもう少し濃ゆく(薄く)したのを見てみたい」
「ターゲットの心情を考えると〇〇なので、もう少しシャープな印象にしたいと思うのですがどうでしょう?」
など、
- どのように修正したいのか。
- その修正を行いたい理由や背景
をセットにして伝えるなど、より具体的なフィードバックを行うとコミュニケーションがスムーズになります。
動画制作の外注が初めての方におすすめの記事3選
ここでは、動画制作の外注が初めての方にぜひご参考頂きたい記事を3つピックアップしています。
この記事の中でご紹介している他の記事と併せて読んでいただければきっと動画制作のご参考にしていただけるはずです。
制作会社に問い合わせる前の情報整理がその後にも大きく影響します。簡単でも良いので事前に情報を整理しておきましょう
上手に見積りをもらうことができれば、制作会社選びが楽になります。少し手間ですが、どんな動画を制作したいかイメージを具体化してから見積を依頼しましょう。
どの制作会社も「動画制作のプロ」であるならば、実は重要なのは目の前の担当者の力量やその人との相性だと言えます。「会社」ではなく「担当者」単位でも見極めましょう。
動画制作はcaseへご相談ください。
とても長くなりましたが、ここまでお読み頂きありがとうございます。
どのような点に気をつけるべきか、をまとめたので「大丈夫かな…」と不安になられた方もいらっしゃるかもしれません。ただ、基本的に動画制作会社は当然動画制作のプロです。あまり疑心暗鬼にならず、頼りにしているというスタンスで問題ありません。
その中で違和感やストレスを感じた際の参考程度にお考えいただければと思います。
もし、この記事を読んで「いいな」と思えたらぜひ弊社caseへ動画制作についてご相談ください。
情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
是非、下のボタンからお気軽にお問い合わせください。