この記事をお読みの採用担当者の方であれば「採用動画」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
筆者が動画制作に携わり始めた10数年ほど前はまだネット上に公開されている採用動画は少なく、説明会などクローズドな場での利用がほとんどだった採用動画ですが、
現在では特に新卒採用における採用ターゲットがスマホネイティブ・動画ネイティブな世代であることもあり、YoutubeはもちろんInstagramやTiktokなどを活用して動画を公開・配信する企業が急速に増えています。
本記事ではそんな「採用動画」について、そのトレンドにも触れながら長年動画制作に携わってきた筆者の目線で優れた採用動画の事例や、時流にとらわれないより本質的な動画の活用・制作進行について解説します。
筆者のプロフィール
まず、この記事を読んでいただくにあたって「誰が何を書いているのか?」も非常に重要な要素になると思いますので、簡単に私のプロフィールをまとめています。
【株式会社case 代表取締役/動画制作プロデューサー:加藤智史】
新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。現在は本メディアの運営を通じた企業動画の受託制作や、動画制作会社の営業支援などを行う。
動画制作会社(予算数十万円〜数百万円)での営業兼プロデューサーとしての役割を中心に、広告代理店(予算数百万円〜数千万円)でのアカウント(クライアントと社内クリエイティブチームの窓口、PM業務を担当する役割)なども経験しているため、比較的高い説得力で本記事をお届けできるのではないかと考えています。
採用動画とは?
そもそも採用動画とはどのような動画でしょうか。明確な共通認識や定義があるわけではなく、採用活動全般に使われる動画を、主に制作会社側の都合で区分するために「採用動画」と読んでいたものだと理解しているのですが、今や「採用動画」で検索すると様々な情報がヒットする程度に一般的な言葉になっています。
…なので、検索結果から読み取れる情報も踏まえて本記事では下記のように定義します。
採用動画とは、企業や行政などの組織が採用活動を円滑に進めるために「仕事内容」「やりがい」「組織の紹介」「業界知識」「働くひと」などについて求職者に理解・共感してもらうことを目的として用意した動画です。
採用動画の活用メリット
本記事の冒頭でも触れたように、ここ数年で採用動画の活用は急速に増えており、それは動画の活用が採用活動を円滑に進めるにあたって効果的であることを示しています。
では具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。動画は活用シーンごとにその効果やメリットは変わるので、その点を考慮し、どこで活用しても得られるであろう普遍的なメリットに絞って解説します。
採用競合に劣後しない
求職者にとっても採用動画があるということは「採用サイトがある」ことと同じくらい当たり前になってきていいます。
裏を返すとそれは、「採用動画がない」ということは「採用サイトがない」ことと同じ…とまでは言えませんが、少なくとも動画を見ようと思って探した求職者にとって動画がないということは1つのネガティブなポイントになり得ます。
また、その際に採用競合の採用サイトやYoutubeなどのSNSに数多くの動画が用意されているとなると、明確に見劣りしてしまうでしょう。
動画はあくまでも求職者に対して、必要な情報や知ってほしいことを伝えるためのツールであるため動画がなくても事足りるということは十分に考えられ、「とりあえず」で用意しなければならない必需品ではありません。
ただし、パッと見の印象で見劣りしてしまう可能性は高くなるため、それが採用活動に支障を来す場合、特に新卒採用などにおいては「必需品」だと考えたほうが良いケースもあります。
動画ならではの強い説得力
採用サイトやパンフレットなどの静的な媒体・コンテンツと動画の最大の違いは「人」「モノ」「場所」がよりリアルに感じられることです。
例えば、社員インタビューを読むことと、社員インタビュー動画を観ることでは、仮に全く同じ内容であっても得られる情報量は大きくことなります。
具体的には動画の中ではなしている人の語り口や雰囲気、佇まいなどから「こんな人が活躍しているのか」「こういうキャリアが描けるのか」「こういうやりがい・苦労があるのか」などの説得力は格段に動画の方が強いと言えます。
(※ただし、インタビューへの受け答えが上手である場合に限ります。ここでは触れませんが動画の場合人選が非常に重要です。)
それは、動画の場合実際にインタビューに応えている様子を観ることで少なくとも「その人本人が、その人自身の言葉で話している」ことが確認できるからです。静的なコンテンツの場合は名前や写真などが使われていても、全く事実とは異なる内容であってもそれっぽく見せることが可能ですが、動画の場合はほぼ不可能(バレる)です。
共感の促進
上記の「強い説得力」とも通ずる部分で、強い説得力で訴求できるからこそ自己投影を促し、共感につなげることができるのも動画のもつ大きな力の1つです。
特に新卒採用においては働くと言う経験に乏しい学生にとって実際に就職したあとの自身のイメージをどれくらい具体的にできるのかは仕事を選ぶ上で非常に大きなポイントになります。
そのため、例えば「1日密着動画」や「ドキュメンタリー動画」などは新卒採用の個別説明会で活用されるケースも非常に多く、学生からの人気も高いコンテンツです。かつて筆者が担当していたクライアントの中には毎年かならずドキュメンタリー動画を制作されるクライアントもいたほどです。
活用シーンと効果
ここでは、「こういう場面で動画を活用すると、こんな効果が期待できる」という下記4つの活用シーンごとの効果について解説します。
- Youtube
- 採用サイト
- イベント
- 個別説明会
①動画広告
採用シーンにおける動画広告の活用は、比較的大規模な採用などごく一部に限られますが、使われるケースは確実に増えてきています。
動画広告における動画活用の効果はやはり「認知拡大」にあります。比較的視聴単価が安く、一度視聴したユーザーを追跡して動画以外の広告を表示することもできるため、
・興味を持って動画を視聴してくれた人
というリストを獲得するために活用されることもあります。
特に採用活動は中途・新卒ともに「ピーク」となる時期は明確になっており、「いつころ、どんな人に向けて広告を当てるか」という計画も立てやすいため
・効率よく認知を拡大する
・効率よく興味関心を持ってくれる人のリストを作成する
という目的・効果を期待して活用されています。
②Youtube
筆者が動画制作に携わり始めた10数年前にはYoutubeで採用動画を公開されている企業はごくごくわずかでしたが、今では多くの企業が積極的に動画を公開しています。
また、ただ動画を公開するだけではなく戦略的にYoutubeチャンネルを運用し、採用候補者とのコミュニケーションを図っている企業も多く見受けられます。
Youtubeで公開している動画を視聴するのは、基本的にはその会社の名前や存在を何らかの方法で認知し興味を持った求職者です。そのような人たちにYoutubeで動画を見せることの効果は大きく下記の3つです。
- 継続的に動画を公開することで、興味を継続してもらう
- 仕事の内容に魅力を感じてもらい、応募につなげる
- 会社や仕事についての情報へアクセスしやすい状態を保つことができる
①継続的に動画を公開することで、興味を継続してもらう
一度興味をもってくれた求職者が、その興味を継続してくれるのは非常に困難です。
それでも、一度でも自社の動画に触れてもらうことができれば、「チャンネルの登録ボタンを押して貰う」「Youtubeのアルゴリズムにのっておすすめ動画として表示される」などでその後も求職者とのタッチポイントをセットすることができます。
また、そのためにはYoutubeチャンネル上に複数の動画を用意したり、継続的かつ定期的に動画を公開する必要があります。
②仕事の内容に魅力を感じてもらい、応募につなげる
その会社のYoutubeチャンネルに訪れたということは、少なからずその会社に興味を持っている状態です。
そのような求職者にその会社の仕事や人、社風などを魅力的に感じてもらうことができれば応募につなげることができる非常に大きなチャンスです。
特に今は、動画の視聴も採用エントリーもすべて手元のスマホで完結できてしまうため、
・Youtubeチャンネルに訪れる求職者の状況や心理状態
・自社の採用ターゲット
などをしっかりと分析・整理した上で効果的なコンテンツを公開しておく必要があります。
会社や仕事についての情報へアクセスしやすい状態を保つことができる
会社や仕事に付いての情報は動画でなくても採用サイトやコーポレートサイトから取得することが可能です。
しかし、動画としても公開しておくことで例えば移動中に聞き流すことができるなど「ながら視聴」の機会を提供することが可能になります。
特にスマホネイティブ、動画ネイティブな世代がターゲットとなる新卒採用においてはターゲットがストレスなく情報にアクセスできる状態を保つことは、母集団の形成や母集団の質の向上にもつなげることができる、非常に重要なポイントです。
③採用サイトへの動画の掲載
採用サイトは、その会社の採用情報やその会社・仕事を理解するためのコンテンツが集約されている場所です。
そのため、採用サイトに訪れる求職者の状況や心理状態は多種多様で、ここで動画を公開することの効果は先でふれた
・採用競合に劣後しない
・動画ならではの強い説得力
・共感の促進
の3つになると言えます。
採用サイトでの動画の活用に限った話ではありませんが、採用活動全体における課題、ボトルネックなどから動画の役割を導き出し、上記の効果を最大化させるために「どのようなコンテンツをどう使うか?」を検討する必要があります。
採用イベントでの活用
合同説明会などの採用イベントでの動画活用のメリットは、
・限られた時間内での効率的、効果的な説明が可能である
という点です。もちろん、人力での説明でも実現可能ではありますが、
・説明内容やプレゼン能力によらない、クオリティの担保
・繰り返しの説明による、疲弊の防止
という2点はとくに採用繁忙期の採用担当者の方であれば、動画の有用性を強く感じていただけるのではないでしょうか。
個別の会社説明会
個別の会社説明会は、動画の活用の幅が最も広く、どのような動画を活用するかで期待できる効果が大きくかわります。
採用動画にどのような種類があるのかはこの後の章で触れるためここでは割愛しますが、期待できる効果としては大きく下記の4点です。
- 限られた時間内での効率的、効果的な説明が可能である
- 採用コンセプトなどへの強い共感
- 自己投影による、より深い仕事理解
- より具体的なキャリアイメージの醸成
動画の効果は「リアル」でこそ最大化する
結局、どこで動画を使うのが一番いいの?と迷われている方には声を大にして「個別説明会などのリアルな場」で使って欲しいとお伝えします。
スマホでいつでも、どこでも動画を観ることができるようになったことで動画はより「インスタント」に消費されるようになりました。更に、集中力を伴わない視聴に終わってしまうことも増えています。
特に若年層にとってはより一層その傾向は顕著でInstagramやTiktokなどを利用している若年層にとっては動画は「ピン」とくるものが出てくるまでは「ひたすら飛ばして、ちょっとみる」ものになっています。
InstagramやTiktokを日頃使わない方にとっても、例えばNetflixやAmazonプライムなどの動画配信サービスで動画を見始めたものの集中力が続かずに別の動画を探し始める…という行動をイメージしていただくとわかりやすいのではないでしょうか。
このような状況において、「ほぼ強制的に一定時間動画を観てもらうことができる」というのは非常に貴重な機会です。
ただし、その一方で動画自体がクオリティが低かったり、退屈なものである場合はストレスも強くなるため、どのような動画を制作しみてもらうかは非常に重要です。
採用動画の種類
ここでは、採用動画にはどのような種類があるかを実際の事例を提示し、その効果にも触れながら解説します。
採用動画には概ね下記の5種類があります。
- 採用ブランディング/コンセプト
- 説明会/会社説明動画
- オープニング/エンディング
- 社員インタビュー
- 密着、ドキュメンタリー/1日の動き
1つずつ解説します。
①採用ブランディング/コンセプト
採用ブランディングムービーと採用コンセプトムービーは厳密には異なるものですが、一方で視聴者は厳密には気にしていないポイントでもあるため、本記事では同じ種類の動画としてピックアップしています。
動画制作において、この両者に明確な定義が存在しているわけではないのですが筆者は
・採用ブランディング:会社の「内側」にあるものを表現したもので、一定期間変わらないもの。
・採用コンセプト:「こういう人が欲しい」が始点となって採用のあり方を形にしたもの。1年単位で変わることも多い。
ざっくりこのように理解しています。
両者の意味するところは異なるのですが、目的や期待される効果として「より強い共感」を視聴者・ターゲットから引き出すことにあります。
②説明会動画/会社説明動画
この2つはいずれも「会社について説明する」動画を指しますが、それぞれ
説明会動画…オンライン説明会をアーカイブしたもの。
会社説明動画…会社やその事業などについて概要をまとめた動画。
…と言う違いがあります。特に後者は採用向けに制作されたものではない動画を活用するケースも見受けられます。
動画に期待される効果としては、「効率的にその会社について説明・理解することができる」というものになります。
③オープニング/エンディング
採用説明会のオープニングやエンディングに流される動画です。一見あまり意味の無い動画のように思われがちですが、オープニングの動画を活用することで「それでは…」とぬるっと説明会をスタートするよりも会場の雰囲気を一揆に変えやすいという利点があります。
また、エンディング動画の場合は説明会後の参加者の会社への心情を「期待する方向へ誘導しやすい」という効果もあります。
いずれの動画も、「説明会を1つのショーと捉えて、参加者の集中力や感情をコントロールする」という意識の高い企業で活用されることの多いものです。
社員インタビュー
採用動画において最も多く制作・活用されるのが「社員インタビュー動画」です。その理由としては、採用側としては比較的コストを抑えやすいタイプの動画であること、そして学生や求職者からの「働いている人の声が聞きたい」というニーズが高いことが挙げられます。
インタビュー動画の中でどのような内容を誰が語っているのかでその効果は分かれますが、「仕事のやりがい」「キャリアイメージ」などであることが多いと言えます。
密着・ドキュメンタリー/1日の動き
社員の方に1日〜複数日密着して、その仕事の様子や関係者や上司などからの評価の声などをまとめた密着系の動画はインタビュー動画と比較すると制作費は嵩んでしまいますが、仕事内容ややりがい・厳しさなどのより具体的なイメージの醸成を促す効果は段違いです。
学生や求職者視点で考えると、インタビュー動画と比較すると実際に働いている様子をみることができる分「自分が実際に働いてみたら」という自己投影につながりやすいと考えることができます。
効果的な採用動画を制作するポイント
採用向けの動画制作において、特に気をつけなければならないのは下記の3点です。
- 目的を明確にする
- ターゲットを明確にする
- 明確なコール・トゥ・アクションを設定する
具体的にどのようなポイントを抑えるべきか、1つずつ解説します。
目的を明確にする
すごく当たり前のことなのですが、意外と見落とされがちです。
「なんとなくカッコいい動画」「とりあえずインタビュー動画を制作しようと思ってます」とかだと、あまり意味のない動画が出来上がってしまいます。本当にもったいないです。
ちなみに、ここでいう「目的」は「エントリー数を増やす」とか「歩留まりを上げる」とかだと動画クリエイティブに落とし込むには少し抽象的です。
しっかりと役割を果たすことが期待できる動画を制作するためには、上記の「目的」に2〜3回ほど「WHY」をぶつけてみて下さい。
- なぜ歩留まりが低いのか?→面接での印象が良くない?会社や仕事の説明が分かりづらい?
- なぜ会社や仕事の説明が理解されないのか?→説明の仕方が悪い?内容が複雑でわかりにくい?
という感じで、ある程度のところまで深ぼったり要素分解しながら「動画の目的」を明確にしましょう。
ターゲットを明確にする
すごくすごく当たり前のことですが、これも見落とされがち…というか動画を制作するにあたっては少し解像度が荒い状態であることが多いです。
例えば、採用ターゲットは「法人営業職の経験者」だとして、動画のターゲットもそのままでよいのか?もう少し絞ったほうがいいのか?あるいは、広げたほうがいいのか?という部分を検討しきれていないケースがあります。
- 採用ターゲットは「法人営業職の経験者」
- 動画を制作するのは、〇〇〇〇という目的で、動画には〇〇〇〇という役割を担わせたい。
- そうすると、動画のターゲットは「法人営業職の経験者」かつ「どちらかというと、〇〇〇〇タイプ」というように絞り込まれるのか、もしくは「過去にスポーツなどに打ち込んだ経験のある人」というように少し広げるのか。
…という感じです。
前述の「目的」と紐づくため、ターゲットのことだけを考えても答えはでません。もしこの記事を読んで「あ…」と思った方は目的と合わせてどのようなアプローチが最適であるかについて、もう一度考えてみてはいかがでしょうか。
明確なコール・トゥ・アクションを設定する
「行動喚起」と訳され、デジタルマーケティングの世界ではユーザーに「次に起こしてほしい行動」を誘導することを指します。
つまり、動画を視聴したあとの行動としてどのような行動を期待するのか、そしてそのためにどのような気持ち・感情になって貰う必要があるのかを明確にしましょう、ということです。
当然ですが、やはりこの点についても目的との紐づきがあり、目的の解像度が低いとターゲットやコール・トゥ・アクションも同じように解像度が低い可能性が高いです。
もし、動画制作を具体的に検討しているようでしたら、まずはこれらのポイントを整理することから始めてみましょう。
制作・外注に失敗しないための4つのポイント
動画制作を外注した経験のある人の中には、なんらかの理由で「失敗した」「上手くいかなかった」と感じている方がいます。筆者も制作会社の営業として担当したお客様からそのような「以前お願いした会社で上手くいかず…」という相談を受けたことが何度かあります。
詳細は下記の記事にまとめていますが、ここでは失敗しないために重要な4つのポイントをご紹介します。
適切な制作会社を選ぶ
「それができれば苦労しない」と言われてしまいそうですが、やはりこの点は重要です。
ここで端的にお伝えしたいのは、「信頼できる営業担当者を選ぶ」という視点をもってみることです。
筆者が動画制作に携わり始めた10年ほど前とくらべると動画制作会社は格段に増えました。そしてどの会社も甲乙つけがたいほど豊富な制作実績を持っています。(弊社はまだ会社としての実績は少ないですが…)
その中で何をポイントに選ぶか?の1つのポイントが上記の「信頼できる営業担当者を選ぶ」という視点です。
詳しくは下記の記事にまとめていますが、端的にお伝えすると、
- 優秀な営業担当は、優秀なプロデューサー、優秀なクリエイターをアサインできる
- 優秀な営業担当は、無用なトラブルを避けてくれる
- 優秀な営業担当は、コミュニケーションがスムーズ
という3点です。「絶対この会社がいい!」と思える会社が見つからず悩むことがあればぜひ参考にしてみてください。
そしてもし悩むようであれば、ぜひ筆者にもご相談ください。
スケジュールに余裕を持つ
基本的なことではありますが、何らかの理由で急いで制作を進めなければならないケースもあります。そのような場合、
- 人的なリソースを確保するために通常スケジュールでの進行よりもお金がかかる
- 急ぐ分、準備・確認に通常より時間を割くことができず何らかのトラブルが起きる可能性が高くなる
…というリスクがあります。
会社によっては、短納期でも費用を抑えて制作してくれる会社もあるかもしれませんがそれでもスケジュールを短縮するということは、どこかでなにかを犠牲にせざるを得ません。
もちろん、通常スケジュールよりもトラブルが起きる可能性が高まるというだけで、「必ずトラブルになる」「失敗する」わけではありません。制作に慣れているプロが進行する以上、トラブルの種は極力排除し最大限問題なく進行できるよう尽力することは間違いありません。
ただ、それでも想定外のトラブルに見舞われることもあるのが動画をはじめ、クリエイティブ制作の現場です。
だからこそ、できる限りスケジュールには余裕を持つことを強くおすすめします。
制作内容によって変動しますが、採用動画であれば、最低2ヶ月。できれば3ヶ月ほど制作スケジュールが確保できると良いでしょう。
上記はあくまでも「制作期間」なので、制作会社を選んだり正式に発注するまでのリードタイムがどれくらい必要になるかについては、自社の稟議や予算申請のフローについて事前に把握しておく必要があります。
完成イメージをできるだけ具体的にする
いざ、動画制作をスタートする際には制作会社側からどのような動画が完成する予定であるかは絵コンテやシナリオなどの資料を用いて説明があるはずです。
動画制作に慣れていれば、そのような資料で具体的なイメージを持つことができますが、初めての場合にはそれでもイメージが難しいこともあるでしょう。
そのような場合には、遠慮なく制作会社側に質問してイメージの具体化に努めましょう。
制作過程で完成イメージの認識の相違などのズレが生じてしまうと、軌道修正には時間とコストがかかってしまいます。
社内調整を怠らない
発注側の企業の担当者の方の役割の1つが、自社内のステークホルダーとの共通認識の形成です。
- こんな目的でこんな動画を制作します。
- これが完成イメージです。
- いつころ完成良い体です。
- このタイミングでシナリオや動画を確認して、いつまでにフィードバックしなければなりません
…などなど、動画制作の背景や前提、クリエイティブイメージ、スケジュールなどについて関係者としっかりと「握る」ことができていないと、後になって「どんでん返し」が起きることは珍しいことではありません。
特に、動画制作について最終的なOKを出せる決裁権者とのすり合わせは重要です。
動画制作の進み方
動画制作を実際に外注したことのない方にとっては、「動画制作がどのように進行していくのか」「いつまでに、どんな情報を揃えなければいけないのか」「いつまで修正が可能なのか」など、わからず不安な部分も多いでしょう。
詳しくは、こちらの記事で紹介していますが、
時間の無い方は直ぐ下の画像と、一番下の画像だけでも見ていってください。
動画制作時の発注者(顧客側)の役割
無事に動画制作がスタートすれば、あとは全て制作会社に任せられる…というわけではありません。
むしろ制作スタート後が本番で発注者・顧客側にも制作会社には決して担うことができない重要な役割があります。
それは大きく下記の3つです。
- 「決める」こと
- スケジュールを意識したレスポンス
- 具体的なフィードバック
詳細はこちらの記事にまとめていますが、簡単に説明します。
①「決める」こと
制作方針や企画、絵コンテなど動画制作についての情報の多くは制作会社から提案・提示されますが最終的にそれに「GO」を出すのは発注者・顧客側の役割です。
もちろん、そのために必要であれば自社の関係者との社内調整や根回しなども含まれます。
②スケジュールを意識したレスポンス
制作会社側がスケジュールを遵守するのはもちろんですが、以外と発注者・顧客側が双方で了解したスケジュールを守らない・守れないケースが多くあります。
もちろんそれは、顧客側にとって納期が多少遅れても大した問題ではないから…という理由からくるものだと理解していますが、制作会社側はそのスケジュールをベースにクリエイターのスケジュール・リソースを確保しています。
そのため、発注者側が「1週間くらい延びてもいいや…」という感覚でレスポンスを遅らせると、制作会社としては他の案件を優先せざるを得ず結果的に2〜3週間納期がズレてしまうということは少なくありません。
③具体的なフィードバック
制作会社からのアウトプットには、できる限り具体的にフィードバックするように意識するとよりスムーズに進行できます。
例えば、制作会社から提出されたデザインが少しピンと来ない場合に、
「なんかピンと来ないのでやり直して下さい」
…というフィードバックだと、制作会社としてはどこから手をつけて良いのかの判断ができません。そのため、
「ここの色味をもう少し濃ゆく(薄く)したのを見てみたい」
「ターゲットの心情を考えると〇〇なので、もう少しシャープな印象にしたいと思うのですがどうでしょう?」
など、
- どのように修正したいのか。
- その修正を行いたい理由や背景
をセットにして伝えるなど、より具体的なフィードバックを行うとコミュニケーションがスムーズになります。
動画制作はcaseへご相談ください。
とても長くなりましたが、ここまでお読み頂きありがとうございます。
もし、この記事を読んで「いいな」と思えたらぜひ弊社caseへ動画制作についてご相談ください。
筆者のプロフィールは本記事の冒頭でご紹介した通りですが、下記一部最近の実績です。
(筆者が制作会社での業務委託として担当した案件になります)
※クリックで拡大表示されます
弊社はまだ設立して間もないこともあり、制作会社としてご紹介できる実績が少ないのですが、ご一緒させて頂いたクリエイターからはこのようなコメントを頂いています。
caseの特長は筆者である私加藤が営業から制作進行、納品まで一貫してコミュニケーションの窓口として担当させていただくこと。そして、私がこれまで一緒に仕事をしてきた信頼できるクリエイターとともに動画制作を行うことです。
ここまでお読み頂きありがとうございました。一緒にお仕事ができることを楽しみにしております。