「展示会に間に合わせたい」「今期(上期)の予算で発注したい」「採用動画をすぐに用意したい」
——こうした理由から、短納期で動画を制作したいというご相談をよくいただきます。
とはいえ、動画制作にはある程度の時間がかかるのが一般的。
「今から動いて本当に間に合うのか?」という不安から、動き出せずにいる担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、短納期での動画制作が可能なケース・必要な準備・実現のための工夫などを実務目線で解説します。
今からでも間に合うのかを判断する材料として、ぜひ参考にしてください。
動画制作の最短納期(短納期・最短・至急の目安)
急いでいる方は、「最短でどれくらいで制作できるのか?」をまずは知りたいでしょう。結論としては、「どんな動画を制作するか?」次第になってしまうため、この質問にお答えするにはもう少し解像度を上げる必要があります。
それでも、あえてお答えすると、「3週間」というのが1つの目安になります。
3週間というのは、従来の動画制作に必要とされる期間の1/3程度の期間となるため、制作会社だけではなく、発注側の企業の意思決定や確認のスピードが求められますし、動画の修正にも限界があります。
また、制作期間が短縮される分リスクも高まります。
以降の章では、「どうやって制作期間を短縮化していくのか」「短期間で制作可能な動画事例」などをお伝えしていきます。
実写動画の制作工程・期間・短縮ポイント(短納期対応)

制作工程
動画制作を外注する際の一般的な流れです。
また、各工程でご参考いただける記事をリンクしましたので、ぜひご参考ください。
- 問い合わせ :制作会社へ問い合わせ
- 商談 :問い合わせた会社と商談。事前に情報をまとめておく
- 提案/見積り :各社から見積りをもらう
- 発注 :見積りの内容を比較し、発注先を決定する
- キックオフMTG :制作開始にあたってスケジュールや制作内容を確認
- 企画 :目的やターゲットに合わせてどのような動画を作るか?を決める
- シナリオ/絵コンテ制作 :企画に沿って動画の流れを決め、それを絵や画像を使ってより具体的にします。
- ロケハン :撮影する場所や候補地を下見します。
- 撮影 :絵コンテに沿って撮影します。
- 素材制作 :テロップ・図版・BGM・効果音などの素材を用意します。
- 編集 :撮影した素材や制作した素材を、絵コンテに沿って編集します。
- MA/ナレーション収録 :編集した動画の音を整えます。またナレーションの収録なども行います。
以上が、概ねどのような実写動画制作においても必要な工程になります。
細かな部分としてはキャスティングをする際の「オーディション」や、WebCMなど比較的規模の大きな制作の場合には「PPM」と呼ばれる撮影前の最終チェックを行うMTGなども実施されますが、予算・規模によっては割愛されることも多いため本記事では割愛します。PPMについてはこちらで少しふれていますので気になる方はご参考ください。

制作する動画ごとの制作期間
各工程にどれくらいの時間が必要になるのか…については制作する動画によっても変動するため、ここでは制作期間全体としてどれくらいの時間が必要であるかをお伝えします。
あくまでも目安となるため、参考程度にご覧ください。
- インタビュー動画:1〜2か月
- ドキュメンタリー動画:2〜3か月
- WebCM全般:2〜4か月
- 会社紹介動画:2〜3か月
- 商品紹介動画:2〜3か月
- 採用動画全般:2〜3か月
制作期間を短縮するために必要なこと
目安として上記の期間が必要だとしても、どうしても急ぎで動画を制作したいこともあると思います。その場合は前述している各工程において、よりスピーディーに意思決定を進める必要があります。制作会社側に対応してもらえるかどうかもありますが、ここでは発注側でできることをお伝えします。
- レスポンス・意思決定は迅速に
- 出演者を決めておく
- 撮影場所を決めておく
- 伝えたい情報・ターゲットなどを決めておく
- イメージに近い動画を探して、イメージを固めておく
- 制作予算を決めておく
- 比較する制作会社の数は最小限に
制作する動画によっては、発注側では決めかねてしまうケースもありますが、例えばインタビュー動画や会社紹介動画等の場合は、概ね決めておくことができるでしょう。
また、制作予算については「そもそもどれくらい必要なのかわからない」というケースもあると思いますが、その場合はある程度幅をもたせるもしくは、上限だけを決めて2〜3パターンほど見積りをもらうなどでクリアすることができます。
アニメーション動画の制作工程・期間・短縮ポイント(短納期対応)

制作工程
各工程で参考頂ける記事をリンクしましたので、ぜひご参考ください。
- 問い合わせ :複数の制作会社へ問い合わせ
- 商談 :問い合わせた会社と商談。事前情報をまとめておく
- 提案/見積り :各社から見積りをもらう
- 発注 :提案・見積りの内容を比較し、発注先を決定
- キックオフMTG :制作開始にあたってスケジュールや制作内容を確認
- 企画 :目的やターゲットに合わせてどのような動画を作るか?を決めます
- シナリオ/絵コンテ制作 :企画に沿って動画の流れを決めそれを絵や画像を使ってより具体的にします。
- イラスト/デザイン(素材)制作:動画に使うデザイン、イラスト、音などを制作します。
- MA/ナレーション収録 :編集した動画の音を整えます。またナレーションの収録なども行います。
以上が、概ねどのようなアニメーション動画・モーショングラフィックス動画制作においても必要な工程になります。
アニメーション動画・モーショングラフィックス動画の場合には、動画に活用するイラスト・デザインの制作が必要になるため、細かい部分としてはそのイラスト・デザインのテイスト・トンマナを決める必要がありますがタイミングとしては、発注前段階で制作会社から確認が入るはずです。
また、「どれくらい、どんなふうに動かすか」もアニメーション動画・モーショングラフィックス動画の場合には重要で制作費にも影響するため、この点についても発注前に確認が入ります。
制作期間
各工程にどれくらいの時間が必要になるのか…については制作する動画によっても変動するため、ここでは制作期間全体としてどれくらいの時間が必要であるかをお伝えします。
あくまでも目安となるため、参考程度にご覧ください。また、アニメーション・モーショングラフィックス動画の場合はクオリティと動画の尺によって制作期間が大きく変動するため、その点も注意が必要です。下記の制作期間で制作可能な動画もピックアップしています。
- 〜30秒:1〜2か月
- 30〜60秒:1〜2か月
- 60〜90秒:2〜3か月
- 90〜120秒:2〜3か月
- 120秒〜:3か月〜
制作期間を短縮するために必要なこと
- レスポンス・意思決定は迅速に
- 伝えたい情報・ターゲットなどを決めておく
- イメージに近い動画を探して、イメージを固めておく
- 制作予算を決めておく
- 比較する制作会社の数は最小限に
- 特急対応の費用を捻出する
- 販売されているイラスト素材を活用する
アニメーション・モーショングラフィックス動画の場合、イラスト作成や編集作業など物理的に短縮することが難しい作業に多くの時間を要してしまうため、急いで制作する場合は発注側で決められることを決めておくことに加えて、⑥の特急対応費用を捻出することで自社案件に集中的にリソースを割いてもらうという方法もあります。
また、⑦のように販売されている素材を中心に制作することも方法の1つです…がどうしても既視感のある仕上がりになってしまうため、その点は注意が必要です。
短納期でも制作可能な動画事例
アニメーション・モーショングラフィックス
実写
よくある質問
- 至急・特急で動画制作する場合の最短納期は?
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目安は最短3週間。実写は〈企画圧縮/撮影0〜1日/並行編集〉、アニメは〈既存素材活用/演出簡素化〉で短縮。いずれも本数・尺・修正回数の固定と、初稿2〜5営業日・修正は即日〜翌日などの前提が必要です。
- 緊急案件に強い動画制作会社の探し方は?
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緊急案件に強い動画制作会社の探し方は、短納期の再現性と即応体制を“数値と手順”で確認すること。実績や記事に「初稿2〜5日」「撮影0〜1日」「修正は即日〜翌日」などの明記があり、企画短縮/週末対応・電子契約/NDA即日・Slack等の運用が示されているかをチェックする。比較時は本数・尺・撮影日数・修正回数・承認者数・初稿目安を共通前提に、同条件での再現可否と提案・見積りを突き合わせる。
- 緊急案件に強い動画制作会社の選び方のポイントは?
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ポイントは、短納期の再現性×即応体制を数値と手順で確かめること。実績や記事に「初稿2〜5日」「撮影0〜1日」「修正は即日〜翌日」の明記があり、企画短縮・週末/夜間対応・電子契約/NDA即日・Slack運用が示されている会社を優先する。
- 緊急案件に強い動画制作会社を探す際のチェックリストは?
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チェックは、①リードタイム:初稿2〜5日、修正即日〜翌日、応答SLA(例:1営業日内)。②スコープ:本数×尺、撮影日数。③体制:PMの有無、夜間/週末稼働可否。④運用:企画短縮手順・クラウド共有。⑤法務/調達:電子契約・NDA即日・稟議対応。これらが提案/見積りや実績で具体記載されているかを見る。
- 緊急案件に強い動画制作会社の評価軸は?
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評価軸は、スピード再現性(過去実績の時間指標と初稿/応答SLA)、運用成熟度(企画短縮→撮影→編集の手順化、Slack等の即時共有)、リソース冗長化(二班体制・代替要員・週末/夜間対応)の三本柱。本数・尺・撮影日数・修正回数・承認者数を共通前提にそろえ、同条件での再現可否を提案/見積りと突き合わせて評価する。
- 緊急案件に強い動画制作会社の探しで失敗しないコツは?
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失敗回避は、前提の固定(本数・尺・撮影日数・修正回数・承認者数・初稿目安)と承認者の集約を先に合意し、変更管理(受付窓口・記録様式・費用/納期影響の算定)を明文化すること。あわせて電子契約/NDA即日、予備日確保、並行編集の許可、短納期割増と修正回数の固定まで見積り本文に書面化し、停止条件/エスカレーションも決めておく。
最後に
短納期の場合、通常の納期とは異なる対応や進行が求められますが、動画制作が不可能ということではありません。もし迷っている場合には、まずは動画制作会社に相談してどのような制作であれば可能なのかを把握することからスタートしてみましょう。
情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
是非、下のボタンからお気軽にお問い合わせください。