「動画制作会社 おすすめ」などのキーワードで検索すると、おすすめしてくれているのかどうか疑いたくなるほど多くの候補をピックアップしていたり、「そもそも、その会社に動画制作を依頼したことあるの…?」と疑問に思ってしまうのですが、この記事の読者の皆様はいかがでしょうか。
本記事では筆者と同じような疑問をお持ちの読者の方々に、実際に複数の動画制作会社で働き400本以上の動画制作に携わってきた筆者が、本当におすすめの会社ってどういう会社なのか?どう比較するとよいか?を解説します。
筆者のプロフィール
まず、この記事を読んでいただくにあたって「誰が何を書いているのか?」も非常に重要な要素になると思いますので、簡単に私のプロフィールをまとめています。
【株式会社case 代表取締役/動画制作プロデューサー:加藤智史】
新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。現在は本メディアの運営を通じた企業動画の受託制作や、動画制作会社の営業支援などを行う。
動画制作会社(予算数十万円〜数百万円)での営業兼プロデューサーとしての役割を中心に、広告代理店(予算数百万円〜数千万円)でのアカウント(クライアントと社内クリエイティブチームの窓口、PM業務を担当する役割)なども経験しているため、比較的高い説得力で本記事をお届けできるのではないかと考えています。
動画制作会社としておすすめの会社とは?
結論、絶対の自信をもっておすすめできる動画制作会社というのは基本的には「ない」というのが回答になります。それは、お客様が作りたい動画がどのようなものであるか次第ということもありますが、動画制作は会社としての実績が多くても営業やプロデューサーの力量によってプロジェクトの成否が左右されるためです。
そのため、動画制作の外注に慣れている人や広告系の代理店の担当者は「制作会社」というよりは、プロデューサーや営業担当など「人」で選ぶことも多くあります。
また、キーワード検索で上位表示される動画制作会社の多くは「フリーランスクリエイター」をネットワークする形で制作リソースを確保しているため、ディレクターやカメラマンなどの「実際に動画を制作するリソース」は多くの会社で実質的に共有されているという業界構造もあり、言い方を変えると「一定の予算であれば、どの会社に依頼してもあまり変わらない」と表現することもできます。
そのため、本記事では「似たような会社だけで比較」するのではなく、「できるだけ属性の異なる会社を比較する」ことを前提として解説していきます。
※本記事でいう「属性」とは、制作体制や得意領域などを指しています
動画制作を外注する際の3つの選択肢
そもそも、「動画制作を外注したい」と考えた際に「制作会社を探す」以外の選択肢を検討していない…という方も多いのではないでしょうか。
多くの場合それで問題はなく、多くの方々にとっては動画制作会社をネットで検索して探す・選ぶことがもっともコスパの高い方法だと言えます。
ただし、条件によってはそうではないケースもあるため、それを踏まえてどのような選択肢があるのかを説明します。
3つの選択肢
- 広告代理店へ発注する
- 動画制作会社へ発注する
- 個人クリエイターへ発注する
では、上記の中から「適切な制作会社を選ぶ」ために必要なのはどのようなことでしょうか。
筆者が「適切な制作会社を選ぶ」ために必要だと考えるのは下記の3つです。
- 担当者が自身のリソース・リテラシーを把握すること
- 動画制作に必要な予算と自社の予算を把握すること
- 上記を把握した上で、基準を定めて選択すること
ここで挙げた3つは、あくまでも私が個人的見解ですが1から順に検討していくと、スムーズに選択肢を絞ることがでるので、ぜひご一読ください。
リテラシー・リソースを把握する
ここでいうリソース・リテラシーとは言葉そのままの意味ですが大まかに
下記のようなイメージです。
- リテラシー
これまで動画やWEBサイトなどどれくらい「クリエイティブ」制作の
経験や知見があるか。
- リソース
自身の業務の中でどれくらいの時間を「動画制作」に充てられるか。
リテラシーを把握する
上記の通り、これまで自身の経験・知見としてクリエイティブ制作やシステム構築やイベントの開催など
「外注先と様々な事項について調整・折衝しながら進行した経験」
がどれくらいあるのか、をイメージしてみてください。
必ずしも動画制作やクリエイティブの制作ではなくても上記のような経験があれば外注先や社内調整などにどのような段取りが求められるかを具体的にイメージすることができるはずです。
もし、あまり経験がない場合には個人クリエイターへ発注するという選択肢は消えると考えたほうが良いでしょう。
個人クリエイターへの発注は3つの選択肢の中でもっとも費用を抑えやすい方法ですが、一方で高いリテラシーと
大きなリソースが求められる傾向が強いというのがその理由です
リソースを把握する
先程も記載していますが、例えば個人クリエイターへの発注は高いリテラシーと共に、大きなリソースを求められます。
どのような動画を制作するのかによって変わってきますが、例えば実写動画で出演者やロケーションの手配が必要となる場合、通常その役割を担うのはクリエイター(ディレクター)ではなく、制作会社の担当者の役割です。
しかし、個人クリエイターに発注するとなれば、その役割を発注者が担うことになる可能性はゼロではありません。
仮に発注者であるあなたがロケーションや出演者を手配することになった場合どのような手段を取るでしょうか?
- スタジオを探す
- キャスティング会社へ問い合わせる
ざっくりと業務を仕分ければたった2つですが、例えばスタジオを探す場合にそのスタジオが
- ディレクターが作成したシナリオや絵コンテにマッチしているのか否か
- 想定している撮影時間内で撮影を終えることができる条件が揃っているのか
など確認すべき事項は沢山あります。
また、通常の場合ロケーションは複数の候補地をピックアップした上で「ロケハン」と呼ばれる下見を行った上で決定するのですが、その日程調整や実際に下見に行くのも発注者の役割になります。
以上のように、リテラシーとしても高いものが求められますがそれだけではなく、求められる役割を滞りなくこなための大きなリソースも必要となるのです。
そのため、リテラシー・リソースのいずれか一方でも担保することが難しい場合は個人クリエイターへの発注については慎重に検討すべきでしょう。
動画制作/自社の予算を把握する
自社の予算の把握は、比較的容易でしょう。
むしろ動画制作を具体的に検討し始めたときにはきっと予算は決まっているはずです。
では、動画制作に必要な予算はどのように把握すると良いでしょうか。動画制作会社へ問い合わせて、営業担当者に相談するのも1つの選択肢となるでしょう。
こちらの記事で、見積りをもらう際のコツをまとめていますのでぜひご参考ください。
制作会社の選択基準
単純に制作費用だけで比較すると、
代理店 > 制作会社 > 個人クリエイター
ということになりますが、発注難易度としては
個人クリエイター > 制作会社 > 代理店
となります。
それぞれどういうケースで選択肢となりうるかを説明していきたいと思います。
代理店が選択肢になるケース
主に下記のケースだと個人的には代理店への相談をおすすめしたいと思います。
<担当者要因>
- 担当者が多忙でリソースを割くことができない
- リソースを割くことはできるが、求められる役割が多岐にわたり進行難易度が高い
<環境要因>
- ある程度潤沢な予算がある
- 付き合いがあり、自社をよく理解している代理店がある
- 動画の制作だけではなく、WEB広告やトレインチャンネルなど
- 制作した動画を広告素材として出稿する予定がある
特に、制作した動画を広告素材として活用する場合にはその広告領域に長けている広告代理店へ相談することを強くオススメします。
相談すれば動画制作会社が広告出稿を代行してくれると思いますが、やはり案件としては動画制作を単発で請け負うケースが多く「餅は餅屋」の方がスムーズな案件進行を期待できるでしょう。
特にyoutubeやfacebookその他のネット上での動画広告出稿を検討しているケースや複数媒体での出稿を検討しているケースでは出稿だけではなく、「運用」の必要性も出てきます。
このような場合には広告代理店が強みを発揮してくれるはずです。
制作会社が選択肢になるケース
主に下記のケースだと制作会社への相談をおすすめしたいと思います。
<担当者要因>
- ある程度のリソースを確保することができる
<環境要因>
- 潤沢とは言えないまでも、一定程度(20~300万)予算がある
- 制作した動画は自社の営業活動やセミナーなどでの活用を想定している
- 自社に広告運用や出稿の担当者がいる
ざっくりまとめると、目的にかなった「動画制作を依頼したい場合」ということになります。
それ以外に、制作した動画の活用方法や制作物が増える場合には代理店への相談を検討してみると良いでしょう。
個人クリエイターが選択肢になるケース
主に下記のケースだと個人クリエイターへの相談をおすすめしたいと思います。
<担当者要因>
- しっかりと業務リソースを確保することができる
- 高い制作リテラシーを持っている
<環境要因>
- 予算が限られている
- 制作した動画は自社の営業活動やセミナーなどでの活用を想定している
- 自社に広告運用や出稿の担当者がいる
制作会社と個人クリエイターへの発注の分かれ道は、
- 確保されている予算と求めるクオリティのバランスが高いレベルで求められる
(高いコストパフォマンスが求められる) - 業務リソース、高い制作リテラシーを担保できる
の2点です。
このどちらかが欠けても、個人クリエイターへの発注は難しいと考えるべきでしょう。
問い合わせる会社の選び方
細かいことをお伝えしようとすると長くなってしまうので、最初に結論をお伝えします。
- 制作実績が豊富な会社
- コーポレートサイトが見やすい会社
- お客様の声が更新されている会社
この3つが満たされている会社に2〜3社ほど問い合わせれば、その中の1社は「ここなら大丈夫そうだな」と思える会社や担当者である可能性が高いです。
ここからは少し掘り下げていくので、気になる方はお読みください。そうでない方は次の章に進んで頂ければと思います。
動画制作に求める価値は何か?
この記事をお読みのあなたは、動画制作にどのような価値を求めているでしょうか。動画制作をプロに外注する以上、一定のクオリティを求めるというのは当然なので、それ以外でどのようなものがあるかピックアップしてみます。
- 安定した丁寧な制作進行
- 何よりも「安さ」を重視する
- 他ではあまり見たことのない奇抜な企画や特徴的なビジュアル
筆者の過去の経験上は、大きく上記の3つに分類されるのですが、当てはまるものはあるでしょうか。ここからは上記3つそれぞれのパターンで問い合わせるべき会社の見分け方をお伝えします。
※あくまでも問い合わせ前に見分けるポイントとなるため、確実な方法というわけではないことご了承くださいませ。。。
①安定した丁寧な制作進行
動画制作が初めての方や、過去に制作を外注したもののコミュニケーションがうまく行かず制作進行にストレスを感じた方などはこの点を求められることがあります。
この点を求められる方におすすめする方法は、
- 「丁寧に制作進行する」ことをサイト上で明言している会社
- 比較的規模が小さい会社
の2つを満たす会社を問い合わせ先に1社は含めることをおすすめします。
理由は、
- 「丁寧に制作進行すること」は動画制作会社が問い合わせを獲得する上では重要なキーワードにはなりにくい
- 一定以上の規模の制作会社になると、どうしても「数」をさばく必要があり1件1件丁寧に進行することが物理的に難しいケースがあるため、比較的規模の小さい会社を1社は選んでみる。
という2点です。
「丁寧に制作進行すること」は動画制作会社が問い合わせを獲得する上では重要なキーワードにはなりにくい
実際に検索してみるとわかるのですが、数多くの動画制作会社があるにも関わらずこの点を訴求しているサイトは決して多くはありません。そしてその理由は問い合わせる方の多くは「丁寧に進行すること」の重要性に気づいていないことだと筆者は考えます。
動画制作は比較的ライトな案件でも1ヶ月程度は制作会社とお客様とのコミュニケーションが継続するため、コミュニケーションの相性が悪かったり、雑だったりすると納品までの期間大きなストレスを抱えてしまうことになります。
しかし、これは実際に経験してみないと気づきにくいポイントです。
また、強く意識せずとも順調に制作を進められている場合は、クライアントは同じ制作会社にリピートして依頼することになるため、制作会社が「新たな問い合わせを獲得する」上では重要なキーワードにはなりづらいのです。
比較的規模の小さい会社を1社は選んでみる。
実際に筆者が在籍していた会社も例外なく制作進行を担当するプロデューサーは「納品額(売上額)」で仕事を評価されるため、すべての案件を満遍なく丁寧に進行することが難しケースが存在します。これはプロデューサー個人のスタンスという部分もありますが、多くの場合は受託制作というビジネスモデルである以上いたしかたないことです。
一方で比較的規模の小さい会社は、ビジネスモデルは同じですが抱えているクライアントが少なく、売上に対する1案件の重みは一定以上の規模の会社よりも重くなるため、丁寧に進行してもらえることを期待できます。ネット検索で「比較的規模の小さい会社」を見つけるのは少しめんどくさいですが、もし見つけることができれば、2〜3社の1社に含めてみることをおすすめします。
何よりも「安さ」を重視する
この場合、問い合わせるポイントは下記の2つです。
- 「安さ」を押し出している会社に問い合わせる
- クラウドソーシングサービスでクリエイターを探してみる
「安さ」を押し出している会社に問い合わせる
自ら進んで「安さ」を打ち出すというのは「安さなら勝てる」と思っているもしくは、「安さで惹きつけて、アップセルしていく」など、いづれにしても「安く請け負っても成立する仕組み」を構築している会社であると考えられます。後者は今回の場合対象にならないので、前者のケースで考えます。
安く請け負うということはそれだけ粗利・原価を削るということで、粗利・原価を削るということはその分「工数をかけずに制作できる仕組みがある」「間接費用を抑えている」などの工夫をしているはずです。基本的に「安くできそう」だとは思ってもらいたいものの「安くできるとは明言したくない」というのが問い合わせがほしい制作会社の本音ではあるので、それをあえて「安くできる」と明言している会社があれば、問い合わせてみても良いでしょう。
クラウドソーシングサービスでクリエイターを探してみる
「安く制作する」ことを最優先にするのであれば実は制作会社ではなくクリエイター個人に発注するのが一番確実です。今はクラウドソーシングのサービスも複数あるため、案件の情報を公開すれば複数のクリエイター候補を見つけることは難しいことではありません。制作会社に問い合わせるのと併せて、個人のクリエイターを探してみましょう。
他ではあまり見たことのない奇抜な企画や特徴的なビジュアル
この点を重視する場合は、「こんな動画を作りたい!」と思える動画を実際に制作した担当したプロデューサーやディレクター、デザイナーを見つけることが最も近道です。
具体的には、Youtubeや各社の実績ページで自身のイメージに近い動画を見つけて、
- こんな動画を制作したいので、同じクリエイターに担当してほしいことを伝える
- Youtubeで見つけた動画を担当したプロデューサーやディレクターを探す
①はうまく動画を見つけることができれば、比較的容易なのですが②は少し難易度が上がります。確実な方法があるわけではないのですが、「イメージに近い動画」を見つけることができたら、「その動画のタイトル+プロデューサー」「その動画のタイトル+ディレクター」「その動画のタイトル+キャンペーン名」などで検索してみましょう。
うまく行けば実際に制作した会社の実績ページやプレスリリースなどが見つかるはずです。
ただし、このような動画の場合比較的制作予算は高い傾向にあるため、その点は念頭においておくべきでしょう。
制作体制で選ぶ
制作体制の違い
動画制作会社の中で大きく異なるポイントの1つは制作体制です。大きく下記の2つに分かれます。
- 自社で制作リソース(カメラマンやディレクター)を抱えている
- 自社で抱えておらず、フリーランスクリエイターと提携している
そして、この2パターンにおける違いも先の記事で紹介した下の画像の通りざっくりとこんな感じです。
クオリティ | コミュニケーション | コスト | |
---|---|---|---|
①自社でクリエイターを雇用している | 一定のクオリティで安定しやすい | 担当プロデューサーが窓口になる | ②と比較すると高くなりがち |
②フリーランスクリエイターと 提携している | クリエイター毎にバラツキがでやすい | 窓口担当はプロデューサーだが、メインはクリエイターになるなど、ばらつきがある | ①と比較すると柔軟性が高く安く制作することも可能 |
キッパリクッキリ上の表のように切り分けられるわけではありません。良し悪しというよりは、「違い」「傾向」だと捉えて頂ければと思います。
では、上の画像の要素を1つずつ解説していきたいと思います。
クオリティについて
クオリティとは、
動画クリエイティブのクオリティ≒クリエイターの腕や予算に応じて整えられる環境・機材・人員
を指しています。
①だとクオリティが高く、②だと低いということではありません。
ただ、①と②の違いの源泉である「制作リソースが外か中か」から考えると傾向として「クオリティの高低のバラツキ」につては表の様な違いが出ていくることは否定できません。
(良し悪しではなく「違い」であることは強調しておきたいと思います。)
例えば、①だとそもそも採用する時点でそのクリエイターの過去の実績を確認したり、実際に仕事をする中でどれくらいのクオリティを発揮しているのかについてはしっかりと把握できている可能性が高く、
公開されている実績≒その会社のクオリティ
だと考えることができます。
一方で②の会社だと、提携しているクリエイターが数百人単位の会社もあるため当然バラツキが生まれてしまい、
公開されている実績≒その会社クオリティ
とは言い難いものも出てくるでしょう。
(そのクオリティを実現できないクリエイターが、提携クリエイターの中にいる可能性がある)
ここまでの話で「クオリティは絶対担保したいから②は避けたい…」と考える方もいらっしゃると思います。
実は②の会社で、このクオリティの問題をクリアするのはスゴく簡単です。
「担当する(予定)のクリエイターが実際にその会社で制作した実績」
をいくつか見せてもらいましょう。そこで安心が得られれば特に心配することはなくなるはずです。
コミュニケーションについ
ここで言うコミュニケーションは
- クリエイターと営業担当
- クリエイターとプロデューサー
など、実際に動画制作のディレクションを行いクリエイティブのクオリティの行方を握っている人物と、
動画制作会社の人間として予算やクオリティについて企業担当者と約束(契約)した人物の間でのコミュニケーションを指しています。
①のケースであれば、当然同じ会社の人間同士なので顔を突き合わせてコミュニケーションを取ることは難しいことではありません。
タイミングさえ合わせれば日常的な仕事の風景です。
②の場合も同じような「顔を突き合わせたコミュニケーション」そのものは難しくは無いもののその頻度や濃度については、比較すると1の方が担保しやすいでしょう。
(コミュニケーションの頻度が多ければいいというものでもないので、ここでもやはり「違い」として受け取って頂ければと思います。)
実際に制作に入ってしまえば、結局クライアントの担当者とクリエイターが直接コミュニケーション(電話・メール等)するケースもありますし、そうなれば制作体制①か②かの違いはほぼ無くなります。
敢えて、どのようなケースであれば1もしくは2のほうが良いか…というと
①のほうが望ましいと考えられるケース:制作予算が大きい場合
制作に関わる人数が多い、予算が大きい場合にはそれだけ制作進行上のコミュニケーション量は多くなりますし、ちょっとした認識のズレが思わぬミスに繋がったりする可能性も大きくなるためどちらか、でいえば①の制作体制の方が安心感はあるでしょう。
②のほうが望ましいと考えられるケース:より高いコストパーフォーマンスを期待する場合
上記のケースだと、②の方が望ましいでしょう。前者については、コミュニケーションが間接的なものになることは制作会社もクリエイターも把握しているため、この点に細心の注意を払い最小限のリソースで正確に状況を把握できるように心がけています。そのため、①であれば「コミュニケーション」そのものに費やしていたリソースをクリエイティブのクオリティに直結する部分へ振り分けることも可能となります。
ざっくり上記のようなケースはそれぞれ、長所が活きてくるでしょう。
caseの場合
ちなみに…ですが、弊社caseは制作体制としては②に該当しますがコミュニケーションの窓口は営業から制作進行、納品まで一貫して筆者が担当する、イイトコドリの制作体制を敷いています。
実際に制作会社の中で働いてみて最終的な動画のクオリティやお客様との関係性などをもっとも良い状態に保ちながら制作進行が可能であるとの考えているからです。
得意領域で選ぶ
制作会社を選ぶポイントのもう一つは得意領域を打ち出しているか否かです。
例えば、キーワード検索で上位表示される会社の中には
・オールジャンル対応可能で、コストパフォーマンスも高い
ことを打ち出している会社があります。制作実績をみると確かにに数多くの実績がありジャンルも多岐にわたっていて安心感があります。
その一方で、
- アニメーションやモーショングラフィックスが得意
- とにかく安さでは負けない
- 採用領域が得意
- ブランディングが得意
など、得意領域を明確に打ち出している会社もあります。目的や予算などが明確に決まっている場合には専門領域に強い会社に声をかけたいですよね。
ただ、このような「専門領域×動画制作」の会社は簡単なキーワード検索ではヒットしにくいので探す際には少し工夫が必要です。
もし、一定以上の予算が確保できている場合にはその専門領域のコンサル企業に相談し、そのコンサル会社にプロデュースしてもらうというのも1つの手でしょう。
動画制作を依頼する際のコツ
ある程度制作会社の目星がついてきたら、実際に問い合わせて制作会社の話を聞いてみる段階です。
実はここにもこつがあるので、2点紹介します。
①事前にしっかり情報を整理する
動画制作会社は「動画制作」のプロフェッショナルですが、動画で紹介するサービスや商材など対象物についてのプロフェッショナルではありません。
そのため、
- なぜ動画を制作しようと考えたのか
- 動画を見せたいターゲットはだれなのか
- 動画を見せたあとに、どんな感情を抱き・行動してほしいか
などの、いわゆる5W1Hの情報は事前にしっかりと整理しておく必要があります。もちろん、制作会社に相談しながら進めるのも1つの手ですが、事前に自分たちでやっておくほうがメリットは大きくそれが②のコツに繋がります。
②「問い合わせ」する際のコツ
制作会社への問い合わせも単に問い合わせフォームにざっくり用件と連絡先を入力・送信するだけではもったいないです。制作を上手く進行するための最初のステップだからこ重要なポイントがあります。
それは「いかに制作会社に本気になってもらうか」です。
本気になってもらうことで、「比較的優秀な営業担当を割り当ててもらえる可能性が高くなる」というのが制作会社側に本気になってもらうことのメリットです。営業担当が優秀であれば、その分良い提案を貰える可能性は高まりますし、発注後の制作進行もスムーズになる可能性が高まります。
このあたりは、下記の記事にまとめていますので、もしご興味いただけましたらぜひご覧ください。
動画制作会社を比較する方法とは?
ネット検索の段階で動画制作会社を比較する方法としておすすめなのは、下記の方法です。
- 広告をクリックしない
- 比較サイト、一括見積りサービスを利用しない
- 「動画制作会社」で上位表示される会社の中から1社選ぶ
- 「〇〇動画 制作」などの複合ワード検索で上位表示される中から1社選ぶ
- 「動画制作会社」で5ページ目以降に表示される、上記の検索では見かけなかった会社を1社選ぶ。
少しめんどくさいですが、ネット検索でできるだけ属性や特徴の異なる動画制作会社に声をかけたい場合には上記の方法を試してみることをおすすめします。
逆に、「同じ属性の会社で比較したい」ということであれば、③の中から2-3社に声をかければOKです。
では1つずつ解説します。
①広告をクリックしない
いわゆるリスティング広告を出稿している会社は、「会社」としてはマーケティング・広告に投資するだけの余裕のある会社であると考えられるため安心感のある会社という意味では1社くらいはそのような会社があってもよいでしょう。
ただし、それはこの後解説する③の会社でもクリアできるため筆者としては広告をクリックして問い合わせることは除外することをおすすめします。
それは、「広告を出稿している」=間接費が高い≒動画制作時の原価率が低い可能性が高い と考えられるからです。
当たり前といえば当たり前ですが、原価というのは動画のクオリティを左右する大きな要因の1つです。
筆者が動画制作に携わり始めた2012年頃に比べるとリスティング広告のクリック単価は驚くほど上昇しており、ここに恒常的に広告を出向し、上位表示されているということは相当額を広告に投資していると考えられます。
②比較サイト、一括見積りサービスを利用しない
これも理由としては、先ほどと同様でこのサービスを利用している動画制作会社は普通に検索して上位表示されるため、異なる属性の動画制作会社を比較する際には利用しないほうがよいでしょう。
利用すると、「制作会社を探す手間」は省くことができますが、一方で「数多くの制作会社からの問い合わせに対応する手間」がかかるため、上手く活用しないと結果的にあまり工数削減には繋がらないという点もおすすめしないポイントです。
「動画制作会社」で上位表示される会社の中から1社選ぶ
いわゆるSEOに注力し、Googleにも評価されて上位表示されている会社は実績も多く名だたる大企業との取引実績もあり安心感もあるため、そのような会社を候補の1つには入れておいたほうが良いでしょう。
ただし、繰り返しになりますが異なる属性の会社と比較したいということであれば、1社で十分です。他の2−3社は以降の方法で選ぶことをおすすめします。
「〇〇動画 制作」などの複合ワード検索で上位表示される中から1社選ぶ
〇〇動画といっても、「インタビュー動画」などだと複合検索とはいえまだ絞り切ることが難しいです。
例えばそれが「採用向け」であれば「採用インタビュー動画」、導入事例であれば「導入事例インタビュー動画」など動画の「用途」もキーワードに含めてみると、「動画制作会社」などの単一キーワード(ビッグワード)検索とは異なる結果が表示されやすくなり、属性の異なる会社を見つけやすくなります。
⑤「動画制作会社」で5ページ目以降に表示される、上記の検索では見かけなかった会社を1社選ぶ。
これは、③と似ていますが、ビッグワードで検索して一気に5ページ目や6ページ目に飛んでしまってそこに表示されている会社の中から1社選んでみるというのがこの⑤の指し示す内容です。
5ページ目、6ページ目でも1ページ目に表示されている会社のサイトが表示されることも多いため、思い切って8−10ページ目くらいまで飛んでしまっても良いかもしれません。
いずれにしても「上位表示されてない」というのが重要なポイントです。
これは、①とは逆にマーケティングや広告に投資していないと考えられるからです。ただし、だからといって制作原価が高いかというと別な部分にコストを掛けてしまっていることも考えられるため、必ずしもそうであるとは言えません。
ただし、少なくとも上位表示されていないだけに、上位表示されている会社との違いを比較することはできます。
結論:動画制作は「会社」ではなく、「人」で選ぶことがおすすめ
ネット検索で上位表示されている中から選ぶのであれば…という条件つきになりますが、結論として筆者は会社というよりは「人」で選ぶ方が成功する可能性が高いと考えています。
その理由と詳細な内容は別記事にまとめているので気になる方はこちらをお読み頂きたいのですが、
内容をまとめると、
- 上位表示される動画制作会社の制作リソース(クリエイター情報)は共有されている
- 上位表示される動画制作会社は総じて実績豊富で、オールジャンル対応が可能
…てあることを考えると、結果的に差がでるのは「人」の部分になると筆者は考えています。
営業担当者や、制作進行を担当するプロデューサーがビジネスパーソンとして最低限のスキルと能力をもっているのか、「人と人」としての相性に問題はないか、信頼できるかなどがクリアできれば建設的なコミュニケーションが可能なはずなので、たとえ多少うまく行かないことがあっても前向きな解決を図ることができます。
動画に限らず、このようなプロジェクトはうまく行くときは上手くいくので実は「何かしらのトラブルが起きた時に如何に対処するか」という点において、信頼できて・的確に対処できる人を選ぶというのが重要なポイントだと筆者は考えます。
動画制作の進み方
動画制作を実際に外注したことのない方にとっては、「動画制作がどのように進行していくのか」「いつまでに、どんな情報を揃えなければいけないのか」「いつまで修正が可能なのか」など、わからず不安な部分も多いでしょう。
詳しくは、こちらの記事で紹介していますが、
時間の無い方は直ぐ下の画像と、一番下の画像だけでも見ていってください。
動画制作時の発注者(顧客側)の役割
無事に動画制作がスタートすれば、あとは全て制作会社に任せられる…というわけではありません。
むしろ制作スタート後が本番で発注者・顧客側にも制作会社には決して担うことができない重要な役割があります。
それは大きく下記の3つです。
- 「決める」こと
- スケジュールを意識したレスポンス
- 具体的なフィードバック
詳細はこちらの記事にまとめていますが、簡単に説明します。
①「決める」こと
制作方針や企画、絵コンテなど動画制作についての情報の多くは制作会社から提案・提示されますが最終的にそれに「GO」を出すのは発注者・顧客側の役割です。
もちろん、そのために必要であれば自社の関係者との社内調整や根回しなども含まれます。
②スケジュールを意識したレスポンス
制作会社側がスケジュールを遵守するのはもちろんですが、以外と発注者・顧客側が双方で了解したスケジュールを守らない・守れないケースが多くあります。
もちろんそれは、顧客側にとって納期が多少遅れても大した問題ではないから…という理由からくるものだと理解していますが、制作会社側はそのスケジュールをベースにクリエイターのスケジュール・リソースを確保しています。
そのため、発注者側が「1週間くらい延びてもいいや…」という感覚でレスポンスを遅らせると、制作会社としては他の案件を優先せざるを得ず結果的に2〜3週間納期がズレてしまうということは少なくありません。
③具体的なフィードバック
制作会社からのアウトプットには、できる限り具体的にフィードバックするように意識するとよりスムーズに進行できます。
例えば、制作会社から提出されたデザインが少しピンと来ない場合に、
「なんかピンと来ないのでやり直して下さい」
…というフィードバックだと、制作会社としてはどこから手をつけて良いのかの判断ができません。そのため、
「ここの色味をもう少し濃ゆく(薄く)したのを見てみたい」
「ターゲットの心情を考えると〇〇なので、もう少しシャープな印象にしたいと思うのですがどうでしょう?」
など、
- どのように修正したいのか。
- その修正を行いたい理由や背景
をセットにして伝えるなど、より具体的なフィードバックを行うとコミュニケーションがスムーズになります。
動画制作はcaseへご相談ください。
とても長くなりましたが、ここまでお読み頂きありがとうございます。
もし、この記事を読んで「いいな」と思えたらぜひ弊社caseへ動画制作についてご相談ください。
筆者のプロフィールは本記事の冒頭でご紹介した通りですが、下記一部最近の実績です。
(筆者が制作会社での業務委託として担当した案件になります)
※クリックで拡大表示されます
弊社はまだ設立して間もないこともあり、制作会社としてご紹介できる実績が少ないのですが、ご一緒させて頂いたクリエイターからはこのようなコメントを頂いています。
caseの特長は筆者である私加藤が営業から制作進行、納品まで一貫してコミュニケーションの窓口として担当させていただくこと。そして、私がこれまで一緒に仕事をしてきた信頼できるクリエイターとともに動画制作を行うことです。
ここまでお読み頂きありがとうございました。一緒にお仕事ができることを楽しみにしております。