動画制作の外注を検討するときに、まず気になるのは「いくらくらいかかるんだろう?」ということではないでしょうか。
実際に私が制作会社に勤めていたときも問い合わせの多くが「どれくらい費用がかかるか教えて欲しい」「相場感がわからない」というものでした。
そして、「動画制作の見積りは無料でもらえるのか?」というのも担当者の方にとっては非常に気になるポイントでしょう。
本記事ではそんな「動画制作の見積り」について、無料でもらうことができるのかどうかや、見積りをもらう際のポイント、そして動画制作の外注に失敗しないためのポイントなどを解説します。
筆者のプロフィール
まず、この記事を読んでいただくにあたって「誰が何を書いているのか?」も非常に重要な要素になると思いますので、簡単に私のプロフィールをまとめています。
【株式会社case 代表取締役/動画制作プロデューサー:加藤智史】
新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。現在は本メディアの運営を通じた企業動画の受託制作や、動画制作会社の営業支援などを行う。
動画制作会社(予算数十万円〜数百万円)での営業兼プロデューサーとしての役割を中心に、広告代理店(予算数百万円〜数千万円)でのアカウント(クライアントと社内クリエイティブチームの窓口、PM業務を担当する役割)なども経験しているため、比較的高い説得力で本記事をお届けできるのではないかと考えています。
動画制作の見積りは無料でもらえるのか?
結論からお伝えすると、動画制作の見積りは無料でもらうことができます。
本メディアを運営しているcaseはもちろん、他の制作会社でもその多くが見積りは無料で実施してくれるはずです。
筆者はこれまで10年ほど動画制作に携わり、扱う予算が比較的大きな広告プロモーションのプロジェクトに携わったこともありますが、数千万円を超えるケースでも見積り自体で費用が発生するケースは見たことがありません。
では、その見積りをよりうまく(精度高く)もらうためにはどのようなポイントを抑えるべきでしょうか。
上手に見積りをもらうためのポイント
この記事を読んでいる方が動画制作の外注を検討しているとして、「動画を制作しようと思っているので見積りを作ってほしい」と言ってもそれだけでは当然見積り書は出てきません。
では、どのような情報を伝える必要があるでしょうか。「動画の尺」「撮影の有無」「キャスティングの有無」など、もちろんこれらも重要なポイントですが、動画制作に慣れていない人にとっては「今自分で決めることはできない」ことのほうが多いでしょう。
ここでは、そんな方々のためにより簡単により精度の高い見積り書を作成してもらうためのポイントをお伝えします。
それは、
- 制作したい動画のサンプルを探しておく
- 納期を提示する
- 5W1Hを可能な限り具体的に提示する
の3つです。1つずつ解説します。
①制作したい動画のサンプルを探しておく
見積りを依頼する際に大事なのは「自分がイメージしている動画に近い事例」を見積り依頼時に提示することです。
「こんな感じの動画制作を依頼した場合、いくらくらいかかりますか?」
と問い合わせると、あなたのイメージする動画を制作する際に必要になる費用を大まかにつかむことができるでしょう。
「大まかに」というのは全く同じ制作条件でも制作費用というのは、制作会社やその他の要件によって変動するためです。
細かい条件を制作会社と詰めるまでは、あくまでも「概算」としての見積りである可能性が高いのでその点は理解しておいた方が良いでしょう。
それでもできる限り詳細な制作費を知りたいときには、そのイメージに近い動画のどの部分が最も自分のイメージと重なるのかを伝えましょう。
動画の探し方はこちらをご参考ください。
②納期を提示する
見積もりを作成する上で重要な情報の1つが納期です。特に急いでいる場合には、明確にいつまでに必要であるかを伝える必要があります。
通常であれば2ヶ月程度必要な動画制作に1ヶ月ほどしか時間をかけられないとすると、1ヶ月短縮するための体制を整えるための費用や、急いで制作する際に考えられるリスクを回避するための費用など通常では発生しない費用が発生することが考えられるためです。
また、実写で撮影が必要な案件の場合、スケジュールの兼ね合いでどうしてもロケハン(撮影場所の下見)ができなくなる、天気予備(天候不良時の予備日)の設定ができないなどのリスクも考えられるため、動画制作を検討する際にはできるだけ、スケジュールに余裕をもって準備するようにしましょう。
③5W1Hを可能な限り具体的に提示する
ビジネスにおける基本中の基本ではありますが、意外と見落とされがちなのがこの5W1Hの情報です。
例えば、先の納期は「When(いつ)」に当たる部分ですが問い合わせ頂くタイミングでは決まっていないケースもあったりします。
この5W1Hがなぜ重要であるかについては、下記の記事を参考いただき、ここではこの情報がなぜ「上手に見積りをもらう」ことに繋がるのかをご説明します。
それは、この情報がしっかりと整理されているお客様ほど「動画制作への本気度が高い」と制作会社側が判断するからです。
本気度の高いお客様ほど、必然的に「なぜ動画が必要なのか」「達成したい目的」「解決するべき課題」「視聴ターゲット」「予算」「納期」など見積りや提案に必要な情報が解像度高く揃えられているのです。
もちろん、見積りを依頼するタイミングで完璧である必要はありません。大事なのは「冷やかしではなく、本当に作るつもりである」ことが伝わることです。
そのためには、まずは最低限でも良いので、ここまで記載した3つのポイントを抑えて見積りを依頼してみてください。
制作・外注に失敗しないための4つのポイント
動画制作を外注した経験のある人の中には、なんらかの理由で「失敗した」「上手くいかなかった」と感じている方がいます。筆者も制作会社の営業として担当したお客様からそのような「以前お願いした会社で上手くいかず…」という相談を受けたことが何度かあります。
詳細は下記の記事にまとめていますが、ここでは失敗しないために重要な4つのポイントをご紹介します。
適切な制作会社を選ぶ
「それができれば苦労しない」と言われてしまいそうですが、やはりこの点は重要です。
ここで端的にお伝えしたいのは、「信頼できる営業担当者を選ぶ」という視点をもってみることです。
筆者が動画制作に携わり始めた10年ほど前とくらべると動画制作会社は格段に増えました。そしてどの会社も甲乙つけがたいほど豊富な制作実績を持っています。(弊社はまだ会社としての実績は少ないですが…)
その中で何をポイントに選ぶか?の1つのポイントが上記の「信頼できる営業担当者を選ぶ」という視点です。
詳しくは下記の記事にまとめていますが、端的にお伝えすると、
- 優秀な営業担当は、優秀なプロデューサー、優秀なクリエイターをアサインできる
- 優秀な営業担当は、無用なトラブルを避けてくれる
- 優秀な営業担当は、コミュニケーションがスムーズ
という3点です。「絶対この会社がいい!」と思える会社が見つからず悩むことがあればぜひ参考にしてみてください。
そしてもし悩むようであれば、ぜひ筆者にもご相談ください。
スケジュールに余裕を持つ
基本的なことではありますが、何らかの理由で急いで制作を進めなければならないケースもあります。そのような場合、
- 人的なリソースを確保するために通常スケジュールでの進行よりもお金がかかる
- 急ぐ分、準備・確認に通常より時間を割くことができず何らかのトラブルが起きる可能性が高くなる
…というリスクがあります。
会社によっては、短納期でも費用を抑えて制作してくれる会社もあるかもしれませんがそれでもスケジュールを短縮するということは、どこかでなにかを犠牲にせざるを得ません。
もちろん、通常スケジュールよりもトラブルが起きる可能性が高まるというだけで、「必ずトラブルになる」「失敗する」わけではありません。制作に慣れているプロが進行する以上、トラブルの種は極力排除し最大限問題なく進行できるよう尽力することは間違いありません。
ただ、それでも想定外のトラブルに見舞われることもあるのが動画をはじめ、クリエイティブ制作の現場です。
だからこそ、できる限りスケジュールには余裕を持つことを強くおすすめします。
制作内容によって変動しますが、最低2ヶ月。できれば3ヶ月ほど制作スケジュールが確保できると良いでしょう。
上記はあくまでも「制作期間」なので、制作会社を選んだり正式に発注するまでのリードタイムがどれくらい必要になるかについては、自社の稟議や予算申請のフローについて事前に把握しておく必要があります。
完成イメージをできるだけ具体的にする
いざ、動画制作をスタートする際には制作会社側からどのような動画が完成する予定であるかは絵コンテやシナリオなどの資料を用いて説明があるはずです。
動画制作に慣れていれば、そのような資料で具体的なイメージを持つことができますが、初めての場合にはそれでもイメージが難しいこともあるでしょう。
そのような場合には、遠慮なく制作会社側に質問してイメージの具体化に努めましょう。
制作過程で完成イメージの認識の相違などのズレが生じてしまうと、軌道修正には時間とコストがかかってしまいます。
社内調整を怠らない
発注側の企業の担当者の方の役割の1つが、自社内のステークホルダーとの共通認識の形成です。
- こんな目的でこんな動画を制作します。
- これが完成イメージです。
- いつころ完成良い体です。
- このタイミングでシナリオや動画を確認して、いつまでにフィードバックしなければなりません
…などなど、動画制作の背景や前提、クリエイティブイメージ、スケジュールなどについて関係者としっかりと「握る」ことができていないと、後になって「どんでん返し」が起きることは珍しいことではありません。
特に、動画制作について最終的なOKを出せる決裁権者とのすり合わせは重要です。
動画制作の進み方
動画制作を実際に外注したことのない方にとっては、「動画制作がどのように進行していくのか」「いつまでに、どんな情報を揃えなければいけないのか」「いつまで修正が可能なのか」など、わからず不安な部分も多いでしょう。
詳しくは、こちらの記事で紹介していますが、
時間の無い方は直ぐ下の画像と、一番下の画像だけでも見ていってください。
動画制作時の発注者(顧客側)の役割
無事に動画制作がスタートすれば、あとは全て制作会社に任せられる…というわけではありません。
むしろ制作スタート後が本番で発注者・顧客側にも制作会社には決して担うことができない重要な役割があります。
それは大きく下記の3つです。
- 「決める」こと
- スケジュールを意識したレスポンス
- 具体的なフィードバック
詳細はこちらの記事にまとめていますが、簡単に説明します。
①「決める」こと
制作方針や企画、絵コンテなど動画制作についての情報の多くは制作会社から提案・提示されますが最終的にそれに「GO」を出すのは発注者・顧客側の役割です。
もちろん、そのために必要であれば自社の関係者との社内調整や根回しなども含まれます。
②スケジュールを意識したレスポンス
制作会社側がスケジュールを遵守するのはもちろんですが、以外と発注者・顧客側が双方で了解したスケジュールを守らない・守れないケースが多くあります。
もちろんそれは、顧客側にとって納期が多少遅れても大した問題ではないから…という理由からくるものだと理解していますが、制作会社側はそのスケジュールをベースにクリエイターのスケジュール・リソースを確保しています。
そのため、発注者側が「1週間くらい延びてもいいや…」という感覚でレスポンスを遅らせると、制作会社としては他の案件を優先せざるを得ず結果的に2〜3週間納期がズレてしまうということは少なくありません。
③具体的なフィードバック
制作会社からのアウトプットには、できる限り具体的にフィードバックするように意識するとよりスムーズに進行できます。
例えば、制作会社から提出されたデザインが少しピンと来ない場合に、
「なんかピンと来ないのでやり直して下さい」
…というフィードバックだと、制作会社としてはどこから手をつけて良いのかの判断ができません。そのため、
「ここの色味をもう少し濃ゆく(薄く)したのを見てみたい」
「ターゲットの心情を考えると〇〇なので、もう少しシャープな印象にしたいと思うのですがどうでしょう?」
など、
- どのように修正したいのか。
- その修正を行いたい理由や背景
をセットにして伝えるなど、より具体的なフィードバックを行うとコミュニケーションがスムーズになります。
動画制作はcaseへご相談ください。
とても長くなりましたが、ここまでお読み頂きありがとうございます。
もし、この記事を読んで「いいな」と思えたらぜひ弊社caseへ動画制作についてご相談ください。
筆者のプロフィールは本記事の冒頭でご紹介した通りですが、下記一部最近の実績です。
(筆者が制作会社での業務委託として担当した案件になります)
※クリックで拡大表示されます
弊社はまだ設立して間もないこともあり、制作会社としてご紹介できる実績が少ないのですが、ご一緒させて頂いたクリエイターからはこのようなコメントを頂いています。
caseの特長は筆者である私加藤が営業から制作進行、納品まで一貫してコミュニケーションの窓口として担当させていただくこと。そして、私がこれまで一緒に仕事をしてきた信頼できるクリエイターとともに動画制作を行うことです。
ここまでお読み頂きありがとうございました。一緒にお仕事ができることを楽しみにしております。