サービス紹介動画の活用方法と制作のポイントを徹底解説。事例も紹介。

本記事でいう、「サービス紹介動画」とは無形商材のプロモーションなどのために活用される動画のことを指しています。スマホや4G回線の普及によって手軽に動画が視聴できる環境が整い、また、今後5G回線が普及するにつれて動画の視聴は更に身近で手軽なものになります。

そのような社会環境の変化の中で、企業が自社サービスを紹介するためのツールとして動画を制作するというのは、例えば、「サービスサイト」や「LP(ランディングページ)」を制作するのと同じくらい「ツールとして必要最低限のもの」「当たり前のこと」と認識され始めています。

本記事ではそんな「サービス紹介動画」について活用方法や制作のポイント、事例などについて解説します。

目次

サービス紹介動画についてよくあるQ&A

サービス紹介動画とは?

「サービス紹介動画」とは無形商材のプロモーションなどのために活用される動画のことを指しています。

サービス紹介動画の制作費はどれくらい?

どのような動画を制作するかで大きく変動しますが、概ね50〜200万円程度の予算で制作されることが多いです。

サービス紹介動画の制作期間はどれくらい?

どのような動画を制作するかで大きく変動しますが、一般的には2ヶ月程度の制作期間を設けられるケースが多いです。

サービス紹介動画の活用法は?

ブランディング、広告、サービスの解説(理解促進)の大きく3つの目的で活用されることが多いです。

サービス紹介動画動画の活用方法

ブランディング

「ブランディング動画」については別の記事でも解説していますが、広告などとは明確に異なり、そのブランド(サービス)の存在意義や目指す世界を描くことに寄って「信頼」「共感」を獲得することも目的とした動画です。

「サービス紹介動画」を制作したいというニーズの中にブランディングを目的としたものが含まれるケースは少ないですが、発注側・制作会社側いずれも「〇〇動画」の〇〇の部分を明確に定義して言葉を使い分けられている…というわけでもないため、本記事では活用方法の1つとしてご紹介しています。

広告

ここでいう広告は「媒体・メディアに広告費・掲載費を支払って動画を配信すること」を指しています。マーケティングファネルにおける「認知拡大」を目的とし、動画の尺も15〜1分と比較的コンパクトなものが多いのが特徴です。

また、サービス紹介動画を広告として活用する場合の媒体としては下記の4つがよく使われます。

タクシー広告

一定以上の経済力を持っている視聴層を見込めるということで大きく需要が伸びているのがタクシー広告です。TVCMにチャレンジするほどではないものの、市場である程度の評価を受け一定のシェアを獲得している企業による活用が進んでいます。媒体費を抑えた上で一定絞られたターゲットへ配信できることが選ばれる理由である一方で、タレントが起用されているタクシー広告の動画が増えているのは、TV同様に比較的レガシーなレイトマジョリティ層も含めた認知・共感の獲得を狙っていることが推察できます。

Youtube広告

WEBCM動画の活用方法として最も一般的な媒体がYoutubeです。日本だけでも6500万人以上のユーザーを抱えており、またYoutube自体が「動画視聴」を目的とした媒体であることからも動画広告との相性は他の媒体と比較して良いと言えます。

Facebook広告・Instagram広告

Facebook広告・Instagram広告はYoutubeに次ぐ、動画広告の配信媒体です。Youtubeと比較するとFacebookならではの細やかなターゲティングが可能である点が特徴です。ご存知の方も多いと思いますが、InstagramはFacebookと同じ会社が運営していることから、ターゲティング可能な項目などは全く同じです。

Facebookをご利用であればおわかりになるかと思いますが、例えば大学卒であることや誕生日、居住地、GPSを利用した位置情報なども含めてかなり細かいデータでターゲティング可能であるということがFacebookの最大の特徴です。

そのため、例えば「30代〜40代の都心に住むビジネスパーソン向けの商材・サービスであればFacebook」「20〜30代のダイエットに関心の強いファッション、ビューティー向けの商材・サービスであればInstagram」など、対象となる商材・サービスやターゲット層などによって使い分けられます。

一方で、最近ではFacebook・Instagramの広告配信はAIによる最適化が非常に優秀であるため、性別のみを指定した上であとはAIに任せてしまうという配信の方が細かくターゲティングするよりも広告効率が高いという結果も出ているというのも1つの特徴です。

Twitter

Twitterでの動画広告の魅力は「高い拡散性」「リアクションのハードルの低さ」の2つです。拡散性については、世にいう「ネットでの炎上」のほとんどがTwitterで起きていることを考えると理解しやすいでしょう。リツイートや引用リツイートによって、リーチしたターゲットだけではなくそのターゲットのフォロワーにもリーチできるというのは他の媒体には無い魅力です。

「リアクションのハードルの低さ」とは「いいね」が容易であるということです。物理的に「いいね」ボタンが押しやすいというよりも、例えばInstagramのように「この写真にいいねをするんだ」のようなある種の「値踏み」文化がTwitterは比較的薄いため、ユーザーは気軽に「いいね」することが可能です。

ユーザーに「いいね」されることによって、フォロワーに「〇〇さんにいいねされました」と表示されることもあるため、「いいね」という「リアクションのハードルの低さ」が「高い拡散性」に繋がりより高い広告効果を期待できます。

また、Twitterは収集・発信する情報によって複数のアカウントを使い分けているユーザーも多く、年齢・性別などの属性情報に加えて趣味・嗜好による広告配信とも相性が良いのも特徴です。

サービスの解説(理解促進)

主に、サービスサイトやLP、商談時の説明ツールとしての活用を指しています。マーケティングファネルで言うところの「理解促進」を目的とし、動画の長さとしては30秒〜2分程度の比較的長めの尺であることが特徴です。

動画の構成としては、サービスを活用するシーンやメリット・ベネフィットを理解してもらったり、サービスの利用や導入が簡単であること、費用的な負担が少ないことなど、「この動画を見ればおおよそ理解できる」ような動画を制作されるケースもあれば、いづれかの訴求ポイントに絞られるケースもあります。

この点については後述する「制作の目的」によってあるべき動画の構成は変わるため、「制作のポイント」の章をお読み下さい。

サービス紹介動画の種類(アニメーション・実写)

サービス紹介動画の種類は大きく分けると「実写」と「アニメーション(モーショングラフィックス)」の2つです。

どちらで制作するべきかは、やはり後述する「制作の目的」によるのですが制作費の観点からアニメーション(モーショングラフィックス)で制作されることの方が圧倒的に多いです。

それぞれ、どのような特徴があるのかをご説明します。

アニメーション(モーショングラフィックス)

アニメーション(モーショングラフィックス)の特徴は大きく下記の2つです。

  • 制作費をコントロールしやすい
  • サービスの具体的なメリットやスペックなどを「理解」を促しやすい

①について、イラストや動きのクオリティをコントロールすることでコストをコントロールしやすいため、数十万円ほどの制作費の場合はほぼアニメーション(モーショングラフィックス)での動画制作となります。

一方で、冒頭でも触れた通り多くの企業が「動画」の制作を行っているため、極端に予算を抑えてしまい明らかにクオリティとして見劣りしてしまうというのは避けたいところです。

制作費は動画の尺(長さ)によっても大きく変わりますが、目安として30秒で60〜80万円程度くらいの予算をご用意されると、「明らかに見劣りする」ことなくある程度のクオリティを実現できるでしょう。

②については、イラストやグラフを動かすことによって視覚的な情報とナレーションなどの聴覚的な情報を組み合わせることで短時間で多くの情報をわかりやすく表現することが可能であるため、視聴者の「理解」を獲得しやすい、というのがポイントです。

実写

実写でのサービス紹介動画の制作の特徴は、下記の2つです。

  • 利用シーンのイメージが容易
  • サービスを利用することによって得られるベネフィットや仕事やライフスタイルの変化への「共感」を促しやすい

①は、例えばオフィスで仕事をしているシーンや友人と遊びにでかけているシーンなどはイラストでの表現よりも実写によって表現されたほうが「自己投影」しやすいというのがポイントです。一方で「自己投影しやすい」クオリティを実現するためにはキャストや衣装、ロケーションなど多くのヒト・モノが必要になるため、コストは上がりやすいです。

②は①と紐づくのですが、そのサービスを利用することによって「自分の生活がどう変わるのか」の「イメージが容易である」ために、「共感」を獲得しやすいというのがポイントです。

例えば、多くのユーザーが日々利用しているLINEというサービスがありますが、これをアニメーションで「メッセージやスタンプ、動画などで家族・友人とコミュニケーションができるアプリ」として紹介するのと、実写で「LINEで簡単にコミュニケーションできることで、充実した日々を送ることができる」ことを表現するのでは、圧倒的に後者の方が「共感」を得やすい動画となります。

サービス紹介動画の制作のポイント

目的を明確にする

サービス紹介動画を制作する上で、非常に重要なのがその目的を明確にし、可能な限り解像度を上げることです。

例えば、動画制作の最終的な目的が「サービスを購入・ダウンロードしてもらうこと」だとします。

では「購入・ダウンロード」してもらうために、動画はどのような役割を果たすべきでしょうか。

  1. スペックを把握してもらい、必要十分な性能があると理解してもらうこと
  2. 購入・ダウンロードによって実現できることを知ってもらい、作業効率の向上など課題解決に寄与すると感じてもらうこと
  3. 購入・ダウンロードすることによってユーザーのライフスタイルがどのように変化するのか?というベネフィットを理解してもらう

など、商材・サービスの特徴やマーケティング上の課題によって動画の役割も大きく変化します。

自社商材・サービスが持つ強みや、何がターゲットの意思決定の材料になるのかをしっかりと分析・把握し動画の役割を明確にしましょう。

ターゲットを明確にする

この動画は「誰が見るのか」「誰に観せたいのか」を明確にしましょう。前述の動画の役割にも紐づきますが、この動画を観る人が

  • ビジネスの現場で実際に業務に従事している人
  • 比較的情報感度の高い一般消費者
  • いわゆる「レイトマジョリティ層」で、情報感度やITリテラシーの低い人

…など、動画を見る人が誰であるかで訴求するべきポイントや表現方法は大きく変わります。何がターゲットの意思決定の材料になるのかをしっかりと分析・把握するためにも、ターゲットは明確にする必要があります。

予算を確保する

目的・役割とターゲットが明確になれば、「この人に、この情報を、こんなふうに伝える」ということまで決めることができます。

しかし、予算が足りなければ「こんなふうに伝える」の部分が弱くなってしまったり、十分に表現できない可能性があります。

例えば、

  • サービスのメリットやベネフィットは実写で表現した方がイメージしてもらいやすい
  • より広い認知を獲得するために有名なお笑い芸人を起用したい
  • 様々なシチュエーションにおけるベネフィットを提示するために、様々なロケーションでの撮影が必要である

など、適切な演出を加えたくてもそれらの機材・人を用意できなければそれは叶いません。

サービス紹介動画の事例

ブランディング

アニメーション(モーショングラフィックス)

福田道路ブランドムービー 60秒篇
キクノグループ|ブランドムービー「暮らしのはじまりを支える」(15秒ver.)

リクルートカーセンサー

実写

【freee】ブランドムービー2021「スモールビジネスを、世界の主役に。」

【公式】Chatworkコーポレートブランドムービー「働くをもっと楽しく、創造的に」
パナソニック 空質空調社 ブランドムービー 「空気から、未来を変える。」空質7要素技術篇

広告

アニメーション(モーショングラフィックス)

給与即日払いサービス「Payme」サービス紹介動画
STREAM(ストリーム)WEB CM | 「みんな」篇 30秒
GVA 法人登記 サービス紹介動画(15秒ver)

実写

ソフトウェア第三者検証_サービス紹介動画

「マネーフォワード トランザクションファイナンス for Startup」サービス紹介動画_30秒
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ウリアゲガンバ「サービス紹介」30秒
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サービス説明(理解促進)

アニメーション(モーショングラフィックス)

整理券管理アプリ「hakken」サービス紹介動画
【サービス動画2分編】MiiTel(ミーテル)のご紹介
3分でわかる「リノベる。」サービス説明動画

実写

【公式】LINEバイト: LINEバイト 最強の海の家【オファーハウス】 Come on in!篇
話題のジムを都度利用できる【GYYM】のサービス紹介
doda新卒エージェントサービス紹介動画(ロングバージョン)

最後に

いかがでしたでしょうか。とても当たり前のことですが、目的やターゲット、媒体などによって動画の企画や表現方法は大きく変わります。そして、制作会社や代理店に伝えられる情報の精度によって、企画の精度・動画のクオリティも同様に大きく変わります。

サービス動画の制作を検討する際には、制作会社や広告代理店に相談するまえに一度情報整理や予算の検討など、事前準備をしっかりと行った上で問い合わせるようにしましょう。

情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
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この記事を書いた人

【株式会社case 代表取締役/動画制作プロデューサー】加藤智史
新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。現在は本メディアの運営を通じた企業の動画制作支援や、動画制作会社の営業支援などを行う。動画制作のご依頼の流れはコチラ

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