動画制作について制作会社に相談すると多くの場合、制作会社からの提案を受けることになります。
その際に、
- 無料で提案してもらえるのか?
- お金がかかる場合はいくらくらいなのか?
など、疑問や不安に思うこともあるのではないでしょうか。
本記事では、そのような疑問にお答えするべく動画制作会社からの提案にかかる費用や、無料提案の場合の内容などについて解説します。
結論:無料で提案してもらうことは可能
最初に結論をお伝えしますが、無料で提案してもらうことは可能です。
また、無料で提案を受ける場合の提案内容ですが、特にお客様側からの指定がない場合は制作会社側の裁量によって提案の粒度・内容が決まります。
複数の制作会社で仕事をした経験のある筆者が考える一般的な提案内容は下記です。「提案」というよりは制作費とスケジュールの概算をはじき出すための情報整理に近いです。
- 与件(制作背景や予算、納期など)
- 参考事例の提示
- 大まかな動画の構成案
- 制作条件の提示
- 制作費の概算見積り
- 概算の制作スケジュール
制作会社や営業担当者によっては、上記に加えて
- 目的や課題の整理
- 制作するべき動画についての提案
- より詳細な動画の構成案
などが加えられ、より企画の詳細度が高いものを提示されるケースもあります。
無料で提案してもらうことのデメリット
制作会社にとって「提案」は案件を獲得するための非常に重要なステップであるため、競合他社に負けないために無料で対応するケースは少なくありません…というよりは、ほとんどの制作会社が無料で応じてくれるでしょう。
ほとんどの制作会社が無料での提案に応じてくれるのであれば、そこにデメリットはないのでは…?と思われるかもしれませんがそうとは言い切れません。その理由をご説明します。
デメリット①:提案のクオリティが制作予算に左右されやすくなる
無料で提案してもらうということは、制作会社の工数を無料で消化していくことになるため、どの程度その案件の提案に注力するのかは、制作会社の判断になります。また、それは往々にして制作予算の大小で判断されます。
つまり、あまり潤沢な予算でなければあまり注力してもらいにくく、逆に潤沢な予算があれば注力してもらいやすいということになります。
「それは有料でも同じでは?」
…と、思われがちですが有料であれば「もらったお金分は価値を返さなければ…」という意識が生まれるため、提案のクオリティを担保しやすくなります。
また、お金をもらったのにクライアントの期待を下回る提案をしてしまっては、二度と声をかけてもらえないかもしれないというプレッシャーもまた、無料提案との違いになるでしょう。
デメリット②:制作原価が削られやすくなる
どういうことかというと、例えば100万円の制作予算のうち通常は原価が65万円だが、無料での提案でかつ3社競合のコンペとなると、提案に工数を割く必要があるため、原価は55万円に抑える必要がある…という状況が生まれやすいということです。
ただし、これは制作会社側の原価設定や営業戦略によって変動するため、あくまでも「そういう状況が生まれやすくなる」程度であり、必ずしもそうではないということは強調しておきます。
有料で提案してもらうことのメリット
無料の場合のデメリットは上記の通りですが、では逆に有料であればどのようなメリットがあるのでしょうか。
あくまでもあまり潤沢ではない予算(数十万円〜200万円程度)の場合のメリットですが、
それは、
- 提案のクオリティの向上
ということに尽きるでしょう。
では、提案のクオリティとは具体的にどのようなことでしょうか。
例えば…ですが、下記が考えられます。
- 絵コンテを作成してもらうことができる
- リサーチを実施するなど企画の精度向上
①の絵コンテについては、動画を静止画で表現したものですが絵コンテが有るのと無いのでは完成した動画をイメージできる度合いが大きく異なるため、提案時に絵コンテを作成してもらうために提案費を支払うのは一考の価値があると言えます。
また、②については例えば企画案が2〜3案ある場合などにターゲットに対してどの企画がもっとも響きやすいかなどを事前にリサーチするなどで企画の精度を向上させることができるケースがあります。
ただし、すべての動画制作プロジェクトで、かつ提案段階で上記が必要なケースは自ずと制作予算も高くなるため、現在検討している制作案件において必要かどうかは事前に検討しておくとよいでしょう。
「無料提案」のクオリティを上げるためにできること
ここまでお読み頂いた方の中には、「無料での提案でも、提案のクオリティを上げる方法はないかかな?」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
無料での提案でも、提案のクオリティを上げる方法はあります。
もちろん、やはり制作予算がかなり低いとそれも難しいのですが、例えば100万円前後の予算で一定以上の提案のクオリティを求めたい場合には下記の2つの方法が有効です。
- 動画制作についての事前情報や目的などをしっかりと整理して伝える
- 競合社数を最低限に抑える
1つずつ説明します。
①動画制作についての事前情報や目的などをしっかりと整理して伝える
いわゆる、5W1H と呼ばれるような情報をはじめとして、できる限り事前情報を整理し社内関係者とコンセンサスを形成したうえで動画制作会社と打ち合わせることができれば、提案のクオリティを上げやすくなります。
なぜかというと、事前情報がしっかりと整理されているということは、それだけクライアント側の制作意向が強いと判断できるためです。
動画制作会社に問い合わせるお客様の中には、「やはり制作しなくなりました」と何らかの理由で制作が白紙になるケースが少なくありません。そしてそのような案件は往々にして事前情報が非常に曖昧なものが多いのです。
そのため、制作会社側はそのような案件にはなかなか注力しづらいという背景があります。
動画制作の事前情報の整理については下記の記事をご参考ください。
②競合社数を最低限に抑える
これはシンプルに2社での比較でよいのであれば2社比較、3社の見積りが必要なら3社に抑えるということです。
制作会社にとっては、競合になる会社が少ないほうが受注できる確率が高くなるため、競合の多い案件よりも注力しやすくなるため、提案のクオリティも上がりやすくなります。
ただ、比較する会社が少ないと発注者としては不安な部分もあるでしょう。その際にはぜひ下記の記事をご参考頂き、制作会社選びの参考にしてみてください。
最後に
いかがでしたでしょうか。基本的に動画制作の提案は無料で実施してもらえますが、そのため実はクライアント側の準備や対応次第でそのクオリティは大きくかわることも考えられます。
できる限りの準備をした上で制作会社との打ち合わせに臨んでみてください。
情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
是非、下のボタンからお気軽にお問い合わせください。