観光プロモーション動画の活用のポイントを徹底解説。制作のポイントと事例も紹介。

本記事を作成しているのは、2023年のGWの真っ只中というタイミングなのですが、本格的にコロナ禍が明けたことで観光地には人が溢れているというニュースが日々テレビやSNS上で話題になっています。

コロナ禍には、自治体として観光客を呼び込むことが難しい状況でしたが、円安効果もあり日本国内だけではなく海外からの観光客も爆発的に増加しています。

本記事では今後プロモーションが更に加速していくであろう日本各地の観光プロモーション動画について活用・制作のポイントを事例を交えながら解説します。

目次

観光プロモーション動画についてよくあるQ&A

観光プロモーション動画の制作費はどれくらい?

制作する内容によって大きく変動しますが、最低でも50万円〜とお考え下さい。宿泊施設・眺望・食事などそれぞれのもつ魅力を最大限に引き出すことを考えると、例えばドローンを飛ばしたり、出演者を用意したりなどの演出も考えられるため、可能な範囲で余裕を持った予算確保をおすすめします。

観光プロモーション動画の制作期間はどれくらい?

制作の目的や視聴ターゲット、コンセプトなどが明確になっている状況であれば1ヶ月程度での制作も可能ですが、制作に向けた情報整理からスタートする場合には2ヶ月程度を想定した方が良いでしょう。

観光プロモーション動画の活用法にはどのようなものがある?

大きくは2つです。1つはHPやYoutubeへの掲載を通して観光地名で検索したユーザーにリーチするという方法です。2つ目はYoutubeやFacebookなどの「動画広告」を利用して旅行や出張を予定しているユーザーにリーチするという方法です。

観光プロモーション動画の活用のメリット

宿泊施設・眺望・食事などの「疑似体験」

どのような宿泊設備があるのか、駅からの距離、近隣の観光地へのアクセスなどの「ファクト」情報はHP内の静止画やテキストでの説明で十分に伝えることができるため、「ものすごくわかりにくい場所にある…」等の特別な事情でも無い限りは動画で伝える必要は無いでしょう。

すでにHPやポータルサイトで観光地についての情報を提供している中で、「あえて」動画を用意することの意味は、その場所を旅することで得られる「体験」を擬似的に伝えられることです。

それは、海外からの観光客なのか、国内なのか、カップルなのか、小さなこども連れの家族なのかによって大きく変わりますが、「驚き」「娯楽」「快適」「くつろぎ」などの非日常的な体験であることは間違いありません。

いずれにしても、その観光地を旅する「疑似体験」を、魅力的にかつ現実離れしない範囲で提供できることこそが、観光地プロモーション動画を制作・活用する大きなメリットの1つであると言えます。

スペックへの理解ではなく、「独自性への共感や憧れ」の促進

上記の通り、いわゆる「スペック」的な情報は静止画やテキストでの情報提供でことたります。動画を活用するもう1つのメリットはその観光地の「独自性への共感や憧れ」です。

  • その土地ならではの季節ごとの食材や景色
  • 壮大で豊かな自然と一体となれる山や、川、それらの眺望
  • 小さな子どもも安心して楽しめる遊戯施設

…などの、その観光地の独自の魅力を伝えることで「こんな体験をしてみたい」「私が求めていたのはこういう空間」などの感情を醸成を促すことができるのは、「動画」というクリエイティブならではの特徴であり観光プロモーション動画の活用のメリットの1つです。

観光プロモーション動画の活用方法

公式ホームページへの掲載

動画の内容によって、公式ホームページのどの部分に掲載するべきかは大きく変わりますが、公式ホームページへの掲載というのはもっとも多い活用方法の1つです。

例えば、TOPページのファーストビュー・メインビジュアルを動画にすることでまずは観光地の最大の魅力である部分をホームページへ訪問した人に強制的に見せることも可能です。

また、ページの下部や1つ奥の階層のページに掲載する場合には「自然」「食材」「宿泊施設」などのある部分に特化した動画を掲載することで、興味をもってホームページを閲覧しているユーザーにその魅力を最大限に訴求することができるでしょう。

メルマガへの掲載

リピーターを獲得するというのは、toB・toCに関わらず非常に重要な施策ですが、観光プロモーションにおいても同様でしょう。例えばふるさと納税をしてくれたお客様へメルマガを通して動画を送るということもかんがえられるのではないでしょうか。

例えば、

  • 季節ごとに大きく変わる自然豊かな眺望
  • 季節ごとの旬な食材によって変わる食事のメニュー
  • 地元の商店街や農家の方とのふれあいを通した体験

…など、シーズンやお客様ごとの情報にもとづいて情報を提供する際に、その情報とリンクした動画を送ることができれば前述の「疑似体験」や「独自性への共感や憧れ」の促進につなげることができます。

Youtube広告

動画の広告としての活用方法として最も一般的な媒体がYoutubeです。日本だけでも6500万人以上のユーザーを抱えており、またYoutube自体が「動画視聴」を目的とした媒体であることからも動画広告との相性は他の媒体と比較して良いと言えます。

インストリーム広告

Youtubeの動画広告のメニューの中で最も一般的なものが「インストリーム広告」と呼ばれるメニューです。目当ての動画の前に流れ、5秒後にスキップが可能になる「あのCM」が「インストリーム広告」です。前述の通り30秒未満の視聴であれば、広告費が消費されないため広告の無駄撃ち防止にもなるため、「とりあえずインストリーム広告で配信してみる」ということでも大きな問題はなく、初めての動画広告でも選ばれやすいメニューです。

Facebook広告・Instagram広告

Facebook広告・Instagram広告はYoutubeに次ぐ、動画広告の配信媒体です。Youtubeと比較するとFacebookならではの細やかなターゲティングが可能である点が特徴です。ご存知の方も多いと思いますが、InstagramはFacebookと同じ会社が運営していることから、ターゲティング可能な項目などは全く同じです。

Facebookをご利用であればおわかりになるかと思いますが、例えば大学卒であることや誕生日、居住地、GPSを利用した位置情報なども含めてかなり細かいデータでターゲティング可能であるということがFacebookの最大の特徴です。

そのため、例えば「30代〜40代の都心に住むビジネスパーソン向けの商材・サービスであればFacebook」「20〜30代のダイエットに関心の強いファッション、ビューティー向けの商材・サービスであればInstagram」など、対象となる商材・サービスやターゲット層などによって使い分けられます。

Twitter

Twitterでの動画広告の魅力は「高い拡散性」「リアクションのハードルの低さ」の2つです。拡散性については、世にいう「ネットでの炎上」のほとんどがTwitterで起きていることを考えると理解しやすいでしょう。リツイートや引用リツイートによって、リーチしたターゲットだけではなくそのターゲットのフォロワーにもリーチできるというのは他の媒体には無い魅力です。

「リアクションのハードルの低さ」とは「いいね」が容易であるということです。物理的に「いいね」ボタンが押しやすいというよりも、例えばInstagramのように「この写真にいいねをするんだ」のようなある種の「値踏み」文化がTwitterは比較的薄いため、ユーザーは気軽に「いいね」することが可能です。

ユーザーに「いいね」されることによって、フォロワーに「〇〇さんにいいねされました」と表示されることもあるため、「いいね」という「リアクションのハードルの低さ」が「高い拡散性」に繋がりより高い広告効果を期待できます。

また、Twitterは収集・発信する情報によって複数のアカウントを使い分けているユーザーも多く、年齢・性別などの属性情報に加えて趣味・嗜好による広告配信とも相性が良いと言えます。

観光プロモーション動画の制作と活用のポイント

現実を「超えない」

観光プロモーション動画などによく使われているのがドローンを活用した空撮の映像です。その地域の魅力を伝えるための演出としてはとても魅力的ですし、観ていて楽しい映像です。

しかし、動画を見て「遊びに来てもらう・泊まりに来てもらう」ことを考えるとそこで実際には観られない眺望やできない体験を動画で観せてしまうのは、お客様の期待に応えるという観点では良くないと筆者は考えます。

特にドローンで撮影するような俯瞰での眺望は、仮にホテルにそれを体験できる展望台などがあったとしても「動画でみた景色を超えない」となると期待が大きかった分、満たされないという状況を作りかねません。

後述する目的やターゲットによっても変わりますが、「いかに魅力的にみせるか」と同じくらい「リアルを超えない」ということが特に観光やラグジュアリーな体験を求めるお客様・視聴者にとっては重要なポイントです。

目的を明確にする

観光プロモーション動画を制作する上で、非常に重要なのがその目的を明確にし、可能な限り解像度を上げることです。

例えば、動画制作の最終的な目的が「観光客の獲得」だとします。

では「観光客の獲得」してもらうために、動画はどのような役割を果たすべきでしょうか。

  1. 山の頂上や展望台、川など自然の眺望を疑似体験してもらい、「実際に観てみたい!」と思ってもらうこと
  2. 地域の特産物・旬な食材を使った、豪華な食事
  3. 周辺の観光地も含めた総合的な非日常体験が可能であること

など、その観光地の特徴やマーケティング上の課題によって動画の役割も大きく変化します。

その土地が持つ強みや、何がターゲットの意思決定の材料になるのかをしっかりと分析・把握し動画の役割を明確にしましょう。

ターゲットを明確にする

この動画は「誰が見るのか」「誰に観せたいのか」を明確にしましょう。前述の動画の役割にも紐づきますが、この動画を観る人が

  • 休暇にラグジュアリーな体験をしたい、20〜30代の女性のお客様
  • 記念日に思い出に残るような時間を過ごしたいカップル
  • 小さなこどものいる家族で海外から日本への観光を予定している外国人のお客様

…など、動画を見る人が誰であるかで訴求するべきポイントや表現方法は大きく変わります。何がターゲットの意思決定の材料になるのかをしっかりと分析・把握するためにも、ターゲットは明確にする必要があります。

コール・トゥ・アクションを明確にする

「行動喚起」と訳され、デジタルマーケティングの世界ではユーザーに「次に起こしてほしい行動」を誘導することを指します。

つまり、動画を視聴したあとの行動としてどのような行動を期待するのか、そしてそのためにどのような気持ち・感情になって貰う必要があるのかを明確にしましょう、ということです。

当然ですが、やはりこの点についても目的との紐づきがあり、目的の解像度が低いとターゲットやコール・トゥ・アクションも同じように解像度が低い可能性が高いです。

もし、動画制作を具体的に検討しているようでしたら、まずはこれらのポイントを整理することから始めてみましょう。

予算を確保する

目的・役割とターゲットが明確になれば、「この人に、この情報を、こんなふうに伝える」ということまで決めることができます。

しかし、予算が足りなければ「こんなふうに伝える」の部分が弱くなってしまったり、十分に表現できない可能性があります。

例えば、

  • 自然豊かな眺望を訴求するためにドローンを飛ばす
  • カップルで楽しく食事をしているシーンを撮影するために出演者を用意する
  • 周辺の観光地も含めた、「非日常的な時間」を提案するために複数箇所の撮影を行う

など、適切な演出を加えたくてもそれらの機材・人を用意できなければそれは叶いません。

観光プロモーション動画は数十万円からの制作が可能ですが、企画内容や活用媒体によって必要な制作予算は大きく変動するため、できる限り余裕を持った予算を確保しておいたほうが良いでしょう。

観光プロモーション動画の事例

以下に、観光地の特徴を魅力的に表現している動画を3つピックアップしています。ぜひご参考下さい。

名古屋観光PR動画 Photogenic Nagoya

三重県東紀州観光プロモーション動画/Japan Travel

【Experience Central Tokyo!】中央区観光プロモーション映像 遊(ASOBU)編(日本語/3分版)

新潟観光 ✖ CHIBI UNITY【北方文化博物館編】 Japan_Niigata Promotion ✖ CHIBI UNITY【Northern Culture Museum】

浜松市観光PR動画 「ニホンまるごと、浜松。」~ 生産者編~

最後に

いかがでしたでしょうか。観光プロモーション動画は視聴者にホテルの魅力をわかりやすく伝え、疑似体験を促すことができる一方で、期待値を上げすぎてしまう危険性も孕んでいます。

観光プロモーション動画の制作を検討される際には、制作会社や広告代理店に相談するまえに一度情報整理や予算の検討など、事前準備をしっかりと行った上で問い合わせるようにしましょう。

情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
是非、下のボタンからお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

【株式会社case 代表取締役/動画制作プロデューサー】加藤智史
新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。現在は本メディアの運営を通じた企業の動画制作支援や、動画制作会社の営業支援などを行う。動画制作のご依頼の流れはコチラ

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