会計や経理・労務、法務、CRM、CSMなどなど、日本でも様々な分野でかなり浸透してきたSaaS(Softoware us a Service)。
「この領域はこのプレーヤー」というある程度メジャーなプレイヤーが決まりつつある領域もありますが、それでも従来のオンプレミス型のソフトウェアを使っているレガシーな領域や海外サービスと競合していくなど、厳しい戦いが続いています。
本記事ではそんなSaaSのプロモーション動画制作について、事例をご紹介しながら制作のポイントを解説します。
SaaSプロモーション動画についてよくあるQ&A
- SaaSプロモーション動画の制作費はどれくらい?
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制作する動画や企画の内容によりますが、概ね50〜200万円ほどの幅で制作されるケースが多いです。タクシー広告やTVCMなどでの放映の場合は500〜3000万円ほどかかるケースもあります。
- SaaSプロモーション動画の制作期間はどれくらい?
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制作する動画や企画の内容によりますが、比較的シンプルなものであれば1ヶ月・一般的なもので2ヶ月・タクシー広告やTVCM等の場合は3〜4ヶ月程度を想定おくと良いでしょう。
- SaaSプロモーション動画の活用方法はどのようなものがある?
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大きくは、TVCM、タクシー広告、SNS動画広告、導入事例、マニュアル動画の5つに分類されます。
SaaSプロモーション動画の活用方法
TVCM
プロダクト・サービスが市場で一定評価され、感度の高いITサービスベンチャーやエンタープライズ企業などへの導入が進み、複数回の資金調達なども完了し、更にドライブしていくぞ!となるとTVCMにトライするケースが多くあります。
特にレガシーな企業や業界においては「TVCMをやっている」というだけで信頼につながったり、また、タレントの起用効果も含めて多くの人に認知されることでサービス導入の心理的なハードルが下がる効果も期待できるため、いわゆる「レイトマジョリティ」の獲得に向けた施策として有効に機能していると考えられます。
タクシー広告
企業の部長クラス以上の視聴層を見込めるということでかなり需要が伸びているタクシー広告。TVCMにチャレンジするほどではないものの、市場である程度の評価を受け一定のシェアを獲得している企業による活用が進んでいます。媒体費を抑えた上で一定絞られたターゲットへ配信できることが選ばれる理由である一方で、タレントが起用されているタクシー広告の動画が増えているのは、TV同様に比較的レガシーなターゲットも含めた認知・共感の獲得を狙っていることが推察できます。
Youtube/FacebookなどのSNS動画広告
リスティング広告や静止画クリエイティブを活用したDSP/SNS広告、コンテンツマーケティングなどによる顕在層・潜在層へのアプローチに一定の手応えをつかみ、PMF間近あるいは、PMFを達成したと思われるプロダクト・サービスによる次なる一手として活用されることが多いのが、Youtube/Facebookを代表とするSNSでの動画広告です。
TVCMやタクシー広告と比較するとかなり細かな配信設定が可能であるため、上記のような施策でROIを細かく追っている状況でどの程度動画広告が寄与するのか/したのかのPDCAを回しやすいというのはSNS動画広告の大きな特徴の1つです。
導入事例インタビュー
toBサービスにおける鉄板コンテンツがこの導入事例インタビューです。一昔前まではホワイトペーパーのコンテンツとして活用されることが多かったですが、最近では多くの企業が導入事例インタビュー動画の制作に力を入れています。静止画+テキストのコンテンツとは異なり、クライアントが実際に自らの口でプロダクト/サービスの評価を語ってくれるのは、比較検討段階のターゲットにとっては大きな説得力になります。
マニュアル動画・チュートリアル動画
SaaSにとって重要なのが「いかにチャーン(離脱)を防ぐか」であることは言わずもがなで、それを物語るようにSaaSの盛り上がりと共に「カスタマーサクセス」という職種もニーズが大きくなっています。そしてそのカスタマーサクセスをより効果的・効率的に機能させるためのツールの1つがこの「マニュアル動画・チュートリアル動画」です。
特に、リリースから一定の期間を経て多くの機能が追加されたり、ITリテラシーの低いユーザーが増えてくるとすべての顧客に個別に対応することは不可能であり、マニュアル動画・チュートリアル動画などのヘルプコンテンツによってその工数を削減する必要が出てきます。
SaaSプロモーション動画の制作のポイント
目的を明確にする
SaaSのプロモーション動画を制作する上で、非常に重要なのがその目的を明確にし、可能な限り解像度を上げることです。
例えば、動画制作の最終的な目的の多くは「プロダクト/サービスを導入してもらうこと」などでしょう。
では「導入」してもらうために、動画はどのような役割を果たすべきでしょうか。
- プロダクトのスペックを把握してもらい、必要十分な性能があると理解してもらうこと
- プロダクト/サービスの導入によって実現できることを知ってもらい、圧倒的な作業効率の向上に寄与すると感じてもらうこと
- プロダクト/サービスの導入のハードルが低いということを理解してもらい、トライアルを開始してもらうこと
など、プロダクト/サービスの特徴やマーケティング上の課題によって動画の役割も大きく変化します。
自社プロダクト/サービスが持つ強みや、何が相手の意思決定の材料になるのかをしっかりと分析・把握し動画の役割を明確にしましょう。
ターゲットを明確にする
この動画は「誰が見るのか」「誰に観せたいのか」を明確にしましょう。前述の動画の役割にも紐づきますが、この動画を観る人が
- 現場で実際に業務に従事している人
- 該当業務領域の責任者
- 企業の購買部門の担当者やその責任者
…など、動画を見る人が誰であるかで訴求するべきポイントや表現方法は大きく変わります。何が相手の意思決定の材料になるのかをしっかりと分析・把握するためにも、ターゲットは明確にする必要があります。
予算を確保する
目的・役割とターゲットが明確になれば、「この人に、この情報を、こんなふうに伝える」ということまで決めることができます。
しかし、予算が足りなければ「こんなふうに伝える」の部分が弱くなってしまったり、十分に表現できない可能性があります。
例えば、
- プロダクト/サービスのメリットやベネフィットは3DCGで表現した方が理解してもらいやすい
- より広い認知を獲得するためにタレントを起用したい
- 様々なシチュエーションにおけるベネフィットを提示するために、複数パターンの撮影が必要である
など、適切な演出を加えたくてもそれらの機材・人を用意できなければそれは叶いません。
SaaSのプロモーション動画は数十万円からの制作が可能ですが、企画内容や活用媒体によって制作費は大きく変わるため、できる限りお財布には余裕をもたせておいたほうが良いでしょう。
SaaSプロモーション動画の事例
前述した動画の活用方法別の事例をそれぞれ3つずつピックアップしました。ぜひ御覧ください。
TVCM
freee会計 CM「やさしい確定申告はfreee」篇(15s)
【TVCM】LegalForce|契約書をチェックする頭の中では…「脳内会議篇」(30秒版)
【TVCM】クラウドサイン「実績」篇 15秒
タクシー広告
広告運用自動化ツール「Shirofune」タクシーCM『ウワサの広告代理店潜入レポート!』篇
【タクシーCM】「まるごと業務改善」篇 30秒 / グループウェア desknet’s NEO(デスクネッツ ネオ)
【タクシー広告】Udemy Business サービス紹介 (30秒)
Youtube・FacebookなどのSNS動画広告
【未入金フォロー編】「マネーフォワード ケッサイ」サービス紹介動画 30秒 字幕つき
挑戦者を応援する法人カード「UPSIDER」サービス紹介(36秒)
人事労務を助ける、健康管理システム
導入事例
【お客様事例-製造業業界】Kubota -Customer Success Story-
〖SmartHR導入事例:卸・製造業界〗遠山産業株式会社(遠山グループ)
ユーザベース 導入事例|Gainsight
マニュアル動画・チュートリアル動画
リレーションとルックアップを使ってみよう|動画でわかる!サイボウズ Office Vol.26
<管理者>ダウンロード〜新規開設 – LINE WORKSフリープラン
年末調整 — SmartHRスクール
最後に
いかがでしたでしょうか。当然といえば当然なのですが、目的やターゲット、媒体などによって動画の企画や表現方法は大きく変わります。特にSaaS企業は詳細なマーケティング情報を適切に運用しているケースが多いため、制作会社や代理店に必要な情報を伝えることができれば、精度の高い企画の立案が可能なはずです。
SaaSプロモーションに動画を活用される際には、制作会社や広告代理店に相談するまえに一度情報整理や予算の検討など、事前準備をしっかりと行った上で問い合わせるようにしましょう。
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