初稿…というのは、動画制作会社から最初に提出される「動画」としての成果物です。
動画制作の過程の中で、例えば絵コンテ・シナリオやその他の成果物を受け取ることはあると思いますが「動画」として成果物を受け取るのはこのタイミングが最初となります。
動画制作会社側からすると、シナリオ・絵コンテ通りに撮影や制作をした成果物になるので
基本的には「問題ないだろう」という想定で提出しますが、発注者側としては初めて動画としての成果物を目にするタイミングなので、その反応は様々です。
今回はこの初稿確認の際に、気をつけるべきポイントを紹介したいと思います。
完成度について確認しておく
案件の特性や発注者側の要望によって「初稿」をどの程度の完成度で提出するのかは様々です。
9割程度の完成度で提出するケースや、発注者側がOKといえばほぼ納品完了という完成度であるケースもあれば、
「とりあえずカットを繋いでみました」という完成度で提出するケースもあります。
基本的には事前に制作会社側から共有されているはずですが、稀に制作会社と発注者との間で
初稿の完成度について認識に相違がある状態で初稿が共有されるとトラブルに繋がる可能性があります。
例えば、
- 制作会社側は5割程度の完成度で、一度イメージに相違がないかなどについて
確認したいと思っている - 発注者側は初稿の段階でほぼ完成したものが出てくると考えている
という状況だと、発注者側は初稿を確認した際に「ドキッ」とするはずです。
「クオリティが低い」と思いクレームを入れたタイミングで制作会社側から「実はまだ半分くらいの完成度です」という申し開きがあるというのは十分考えられる展開です。
本来であれば、初稿確認のタイミングではなくキックオフミーティングのタイミングで
初稿がどの程度の完成度で提出されるのかについては制作会社側から伝えておくべきですが
もし未確認の状況であれば、事前に一度確認しておいた方が良いでしょう。
シナリオ・絵コンテと比較する
動画はシナリオ・絵コンテ通りに制作されるので、そのシナリオ・絵コンテと比較して
動画の仕上がりを確認しましょう。
実写の動画であれば、撮影時にシナリオ・絵コンテと異なる部分が発生した際には撮影現場
で発注者側へその内容が共有されるているはずですが、
シナリオ・絵コンテと異なる部分が、事前に発注者側へ伝えられていないものであれば
制作会社側へ確認する必要があります。
また、企業担当者(発注者)が上長やその他の社内の関係者へ「初稿」を展開する際に
「なぜシナリオ・絵コンテと異なるのか」という部分を説明する必要性が生じることも
あるかと思いますので、
シナリオや絵コンテと初稿動画の内容に差異がある場合にはしっかりと確認しておきましょう。
ナレーション・BGMを確認する
初稿段階では、ナレーションはいわゆる「仮ナレ」と呼ばれる状態であることが多いです。
仮ナレとは、プロのナレーターの声ではなく機械音声や編集を担当した人の声で
一旦仮のナレーションを入れている状態です。
音声を聞くと明らかにプロの声ではないものなのであまり問題になることはないですが、
初めての動画制作で事前知識がない状態だと稀に「これがナレーション…?」と少し不安を感じる企業担当者もいるかと思います。
制作会社側からの説明が入るはずですが、基本的に初稿段階では「仮のナレーション」で
あるということは頭に入れておいたほうがいいでしょう。
BGMも要チェック
また、BGMについても仮で入っているケースが多くあります。
BGMに特別なこだわりがない場合はライセンスフリーの音源を購入して動画に
あてこむのですが、画の動きとBGMのバランスは実際に当て込んだものを見てみないと
判断ができないため購入前の音源を当て込んでいるケースが多いです。
そして、購入前の音源には必ず「音声ロゴ」が入っています。
「音声ロゴ」というのは、サンプル音源の不正利用防止を目的として、
BGMの音にかぶせる形でBGM購入サイトのサイト名などが音声で入っているものです。
画像購入サイトで購入前のサンプル画像に、「すかし」が入っている画像のようなイメージです。
この「音声ロゴ」は動画とBGMのバランスをみて、それでOKであれば実際に購入して
再度動画に当て込めば消えてしまうので初稿段階では気にする必要はありません。
あくまでも、動画とBGMがマッチしているか、イメージに近いものであるかなどの
観点で確認するようにしましょう。
最後に
今回ご紹介した初稿確認時のポイントの中には制作会社側から事前に通知されておくべき
ものも含まれていますが、単純に通知が漏れてしまっているケースもあり得ますので
事前に知っておくとよりスムーズに制作が進行できるはずです。
動画制作を進行する際には多くのコミュニケーションが発生するため、
その中でお互いに細かな抜け漏れがあったり、伝え方に問題があり誤解を生んでしまうこと
は珍しいことでは有りません。
制作が一定以上進行してしまう前に、気になる部分がある場合には細かく制作会社の担当者に確認するようにしましょう。
コメント