それぞれの企業が独自に「あるべき姿」や「目指す姿」として定める「ビジョン」。日々の仕事の中ではどうしても目の前の業務に追われてしまいがちですが、ふと立ち止まり「自分はなんのために働いているのか」という問いの1つの答えにもなりうるため、社員がモチベーション高く働く企業であれば必ずと言っていいほどビジョンが浸透しており、社内制度のあり方から社員の考え方や発言にいたるまで、それが感じられるほどです。
本記事ではそんな「ビジョンムービー」について、各企業の事例も交えながら活用のメリットや制作のポイントについて解説します。
ビジョンムービーについてよくあるQ&A
- ビジョンムービーとは?
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企業が掲げる、企業が果たすべき使命や存在意義などを動画で表現したものです。
- ビジョンムービーの制作金額はどれくらい?
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ビジョンムービーだからいくら、というよりはどのような企画・制作内容によって大きく変動しますが、具体的には50万円〜数百万円、数千万円規模の予算まで様々です。
- ビジョンムービーの制作期間はどれくらい?
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ビジョンムービーだからいくら、というよりはどのような企画・制作内容によって大きく変動しますが、購入可能な動画素材を活用したものであれば1ヶ月程度でも制作可能です。一般的な動画制作の期間としては2〜3ヶ月程度を想定しておくと良いでしょう。
ビジョンムービーとは?
ビジョンムービーは、端的にいうと「企業が掲げている使命や存在意義を動画として表現したもの」です。
では、そもそもビジョンとはどういう意味なのか、簡単に触れたいと思います。
ビジョンとは
まず、ビジョンとはどのような意味でしょうか。
企業経営におけるビジョンとは、企業が独自に掲げるMVVにおける真ん中の「V」の部分を指していおり、簡単に説明すると、
- M:ミッション…企業がなすべきこと
- V:ビジョン…企業のあるべき姿
- V:バリュー…企業、社員がやるべきこと
上記における、「企業のあるべき姿」を定めたものが「ビジョン」です。
そしてそれを、動画で表現したものが、ビジョンムービーということになります。
ただし、全ての企業で必ずしもMVVが定められているわけではなく、MVVの文脈ではなく、企業が中長期的に目指す姿という意味で「ビジョン」を掲げているケースも多くあるため、上記のMVVはあくまでも1つの考え方であると理解した方が良いでしょう。
MVVについては、下記の記事にわかりやすくまとまっているので興味のある方は合わせてお読み下さい。
ビジョンムービーの活用メリット
ビジョンムービーを活用する最大のメリットは「理解・共感が容易」ということに尽きるでしょう。
テキストだけで表現する場合、どうしても堅苦しくなりがちで比較的短い文章で表現されることが多いため、そこに込められた想いや背景などまでを届けることは難しいです。
もちろん、しっかりと文章で補足・説明することも可能ですが「ファクト」だけではなく「情緒」も表現するということになればやはり動画の方が伝わりやすいでしょう。
以下で、なぜ動画の方が「情緒」を表現しやすく、また理解・共感が容易であるかについて説明します。
3Vの法則(メラビアンの法則)
メラビアンの法則とも呼ばれる、アメリカの心理学者が提唱した有名な法則があります。
話し手が聞き手に与える影響には「言語情報(Verbal)」「聴覚情報(Vocal)」「視覚情報(Visual)」の3つがあり、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%影響を与えるとされており、圧倒的に「視覚情報」つまり目から入ってくる情報が聞き手に与える影響は大きいのです。
テキスト情報の5000倍と言われる動画の情報量
動画が持つ情報量はテキスト情報の5000倍とも言われています。
視聴者がテキストの5000倍の情報をもらさずに受け取ることができるかどうかはさておき、もともとの情報量が多いため、仮に視聴者がテキストと動画の2つの媒体に同じ時間触れたとすると圧倒的に動画から入ってくる情報が多くなるというのはおそらくご自身の実体験からも納得のいくものではないでしょうか。
共感を促すために必要なのは情報量
視聴者に企業が掲げる理念に「共感」してもらうためにはそれ相応の情報量が必要になります。
例えば、感動的なドラマや映画を観て涙することがあったとします。
涙するのはどのドラマや映画のストーリーを通じて登場人物やそのシチュエーションへの「共感」があるからです。
30分あるいは1時間の間そのストーリーを目にしていたからこそ、実際には無い物語と存在しない登場人物に共感し涙してしまうというのは誰しも経験があるのではないでしょうか。
つまり、「共感」するためにはそれに足るだけの情報量が必要なのです。
そして、動画であれば少なくとも視聴者へ与える情報量を他の媒体よりも担保しやすい分「共感」が重要なポイントとなるビジョンムービーにおいてより強力な効果を発揮しやすいと言えるのです。
ビジョンムービーの制作のポイント
ビジョンムービーの制作において、特に気をつけなければならないのは下記の4点です。
- 目的を明確にする
- ターゲットを明確にする
- 予算を確保する
- 視聴後に抱いてほしい感情・心情を明確にする
具体的にどのようなポイントを抑えるべきか、1つずつ解説します。
目的を明確にする
すごく当たり前のことなのですが、意外と見落とされがちです。
「なんとなくカッコいい動画」「とりあえずインタビュー動画を制作しようと思ってます」とかだと、あまり意味のない動画が出来上がってしまいます。本当にもったいないです。
特にビジョンムービーの場合、比較的抽象性の高いテーマであるため、関係者間で明確な共通認識をもっておかないと、制作過程でブレが生じてしまいます。
必ずしも明確なKPIなどを設ける必要はありませんが、制作の目的については関係者間で明確な共通認識を形成しておくことが必要です。
ターゲットを明確にする
すごくすごく当たり前のことですが、これも見落とされがち…というか動画を制作するにあたっては少し解像度が荒い状態であることが多いです。
ビジョンムービーのターゲットは殆どの場合「自社の社員」「顧客」のいずれかです。
- 自社社員…どのような社員がよりコアなターゲットか。活躍している社員なのか、くすぶっている社員なのか。
- 顧客…既存顧客なのか、新規顧客なのか。
…など、可能な範囲で具体化しておいたほうが企画立案だけではなく、社内関係者感の共通認識も形成しやすくなります。
企画に関して言えば、ターゲットがより具体的であればあるほど、動画としてもより具体的でターゲットが共感しやすい企画を立案しやすく、ターゲットが幅広く抽象的であればあるほど、「言いたいことはわかるけど、なんかぼんやりしている」動画になりやすいです。
前述の「目的」と紐づくため、ターゲットのことだけを考えても答えはでません。もしこの記事を読んで「あ…」と思った方は目的と合わせてどのようなアプローチが最適であるかについて、もう一度考えてみてはいかがでしょうか。
予算を確保する
目的・役割とターゲットが明確になれば、「この人に、この情報を、こんなふうに伝える」ということまで決めることができます。
しかし、予算が足りなければ「こんなふうに伝える」の部分が弱くなってしまったり、十分に表現できない可能性があります。
例えば、
- 未来的なビジョンを表現するために、3DCGが必要
- 様々なシチュエーションにおけるベネフィットを提示するために、複数パターンの撮影が必要である
- 自社の社員のインタビューが必要
など、適切な演出を加えたくてもそれらの機材・人を用意できなければそれは叶いません。
ビジョンムービーはある程度費用を抑えてのの制作も可能ですが、企画内容によって制作費は大きく変わるため、できる限りお財布には余裕をもたせておいたほうが良いでしょう。
視聴後に抱いてほしい感情・心情を明確にする
動画を見たあとに、ターゲットに「どのような感情になって欲しいか」「どんな心情を抱いてほしいか」を明確にしましょう。
この点もやはり目的と紐づくため、この点だけを切り離して考えることはできませんが、
・強く共感し、より高いモチベーションで働いてほしい
・自分の仕事は高い社会性を帯びていることを思い出してほしい
・競合他社との違いは、サービスや製品のスペックだけではないと理解・共感してほしい
など、目的によってどのような感情・心情を抱いてもらうことが望ましいかも決まってきます。なんの脈絡もなく「かっこいい動画」「感動的な動画」などのような議論にならないよう気をつけましょう。
ビジョンムービーの事例
Mizkan 未来ビジョンムービー2022 「ともに」本編動画【ミツカン公式】
Yahoo! JAPAN ビジョン動画 2022
Vision Movie – ビジネスインフラになる
KDDI VISION 2030
日清製粉グループ ビジョンムービー2022
最後に
いかがでしたでしょうか。繰り返しになりますが、ビジョンムービーの制作は、「ビジョン」というテーマの抽象性の高さから共通認識の形成や目的・ターゲットの明確化など情報整理が難しいという特徴があります。しっかりと情報を整理した上で、代理店や制作会社と連携して動画制作を行ってみて下さい。
情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
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