ドキュメンタリー動画の制作のポイントと活用方法を徹底解説。事例も紹介。

「情熱大陸」「プロフェッショナル〜仕事の流儀〜」「セブンルール」など、それぞれ微妙にターゲットが異なりますが、その次代を代表するドキュメンタリー番組というのは必ず存在していおり、コンテンツとして魅力的あるということを物語っています。

あまり目にしないかもしれませんが、この「ドキュメンタリー」の動画コンテンツというのは実はテレビだけの専売特許ということではなく、企業のコンテンツとして自作されているものも多くあります。

本記事では、そんなドキュメンタリー動画について、どのような使われ方をしているのか、そして制作時にはどのような点に気をつける必要があるかについて解説します。

目次

ドキュメンタリー動画についてよくあるQ&A

ドキュメンタリー動画の制作費はいくらくらい?

求めるクオリティや制作体制によって大きく変動します。テレビ番組のようなクオリティを求めると数百万〜1千万円を超えることもあります。一方で、ドキュメンタリーっぽい動画であれば100万円程度から制作することも可能です。

ドキュメンタリー動画の制作期間はどれくらい?

ドキュメンタリーっぽい動画であれば2ヶ月程度で制作可能です。本格的なドキュメンタリー動画の場合は、取材期間が長期化する傾向が強くなるため、半年・1年単位で考える必要があります。

ドキュメンタリー動画の活用方法にはどんな方法がある?

「採用向け」「ブランディング」「プロモーション」の大きく3つのパターンに別れます。

ドキュメンタリー動画の種類

新卒採用などのリクルーティングツールとして

新卒採用などにおいてドキュメンタリー(っぽい)動画が活用される目的としては「仕事内容の理解」であることが多いです。1日の仕事の流れを追ったものや、1つのプロジェクトを振り返るような形式まで様々ですがその縦軸のストーリーの中で「具体的な業務内容」「顧客との関係性」「苦労したエピソード」「やり甲斐」などを上手く織り交ぜながら「どんな仕事なのか?」を表現していきます。

採用サイトやパンフレットなどの、静的なコンテンツではなかなか表現が難しい領域なので、このようなコンテンツがあると学生の理解度だけではなく、「満足度」「納得感」などを満たす役割も期待できます。

東洋経済 会社紹介 REAL(リアル):書籍編集・プロモーション

プロモーションツールとしての

ドキュメンタリーというのは、「リアルで、ウソがない」というのが大前提になるのでプロモーションツールとしてはあまり相性が良くなかったりするのですが、だからこそ「リアルで、ウソがない」ことを上手く使ってプロモーションを行っている事例はたくさんあります。

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また、TVCMのメイキング動画のように「こんなふうに作られました」という過程の部分を後出しすることによって話題性を付加するという手法も一定の効果を期待できるでしょう。

あくまでも「本編」が話題になっていることが大前提になりますが、動画や対象物が制作される過程にギミックを設けて、あとでネタバラシというは上手くいくとプロモーション効果が倍増します。直近だと、相鉄東急の直通記念ムービーはメイキングも含めてとても話題になりました。

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ブランディングツールとして

「リアルで、ウソがない」という大前提がドキュメンタリー動画にあるため、ブランディングとはとても相性が良いです。

ブランディングとプロモーションの違いは別の記事で解説した通りですが、改めてお伝えすると

  • プロモーション…機能性やスペック、金額などを訴求し認知向上・差別化を目指したもの
  • ブランディング…そのブランドが生まれた背景や目指す世界観を伝え、共感・信頼の獲得を通して「独自化」を目指したもの

…という違いがあります。

ブランディングは「共感」「信頼」の獲得によって、「〇〇なら〇〇」という指名買いに繋げることを目指すため、ドキュメンタリー動画によってそのブランドにまつわる物語を描いていくというのは非常に効果的です。

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ドキュメンタリー動画の活用メリット

圧倒的なリアリティ

ドキュメンタリー動画の最大の魅力はやはり「圧倒的なリアリティ」です。動画も画像やテキストのように編集は可能ですが、不自然な編集であれば明らかな違和感が生まれてしまうため、基本的に意図的に主張の主旨を変えてしまうような編集は行われません。そのため、「その人の口で語られている」という強い説得力をもたせることができ、それが視聴者の信頼につながります。

また、実際にはある程度「こういう主旨で取材したい」「こういうストーリーが撮りたい」という思惑のようなものは確かに存在しますが、それが実際に撮れるかどうかはわかりません。また、実際に取材を進めていくうちに当初の思惑を超えたエピソードや物語の存在が明らかになるケースもあります。

そのような「一定の未知数」の存在も含めたリアリティこそがドキュメンタリー動画を活用する最大のメリットだと言えます。

高い共感性

ドキュメンタリー動画はそのほとんどが、「特定の人」への密着によって制作されます。テレビ番組であれば、有名なアスリートやその業界のTOPランナーなど華々しい活躍をしている人物をピックアップしますが、企業コンテンツの場合はそうではありません。しかし、それでもやはり面白くなるのが「ドキュメンタリー」です。

「人」というのは同じ人は絶対に存在せず、唯一無二のオリジナルな存在です。だからこそ、一度動画の主人公として描かれるとどんなに平凡な人生を送っている人だとしても面白くなり、「主人公」然とした魅力がにじみ出てきます。

そして、平凡な人が主人公であればこそ、そこには「共感ポイント」が生まれやすくなります。これが企業が自社の社員を主人公としたドキュメンタリー動画を活用する大きなメリットです。共感が生まれると、ブランドへの信頼につなげることができるのです。

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ドキュメンタリー動画制作のポイント

得意なクリエイターを見つける

筆者の経験上、ドキュメンタリー動画はそれが得意・好きなクリエイターを見つけることに尽きると考えています。なぜかと言うと、クオリティの高いドキュメンタリー動画を作るためには、

  • その人やあるいはテーマに対する強い興味を持っているということ
  • 誰とでも関係構築ができる高いコミュニケーション能力

この2つの絶対的な能力が求められるからです。

実は、過去にとある企業からドキュメンタリー動画の制作について相談を受けたことがありました。決して大きなコンクールではありませんでしたが、特定の業界における映画コンクールにドキュメンタリー映画を出品したいというご相談でした。結果だけをお伝えすると納品した作品は無事のコンクールで最高の賞を頂くことができたのですが、この相談を受けた時に真っ先に浮かんだのが「この人にお願いするしかないな」ということでした。

そのクリエイターは、ドキュメンタリー作品の実績や経験が豊富であるということはもちろんですがクライアント対応や取材対象者とのコミュニケーション能力に長けており、短い時間でしっかりと関係構築ができる方でした。結果的にこのクリエイターをアサインすることができたのはラッキーでしたが、それくらい「得意な人に任せる」ことの重要度が高いのがドキュメンタリー動画制作における大きな特徴です。

目的を明確にする

ドキュメンタリー動画を制作する上で非常に重要なのがその目的を明確にし、可能な限り解像度を上げることです。

前述の通り一口で「ドキュメンタリー動画」と言ってもその種類や活用方法は様々で、目的が不明確なままではどのような取材・撮影するのかを決定することはできません。

例えば、採用向けのドキュメンタリー動画を制作するとして、その最終的な目的を「自社に入社してもらうこと」としましょう。

では「入社」してもらうために、動画はどのような役割を果たすべきでしょうか。

  • 選考における辞退を減らすために、辞退要因となっている社風について語ってもらう
  • 仕事内容の理解ができていないという学生が多いので、仕事内容について語ってもらう
  • やり甲斐や厳しさなどは、採用担当から語ることは難しいため、その内容をインタビューで語ってもらう

など、採用活動における課題感やターゲットの状態などによって見せるべき内容は大きくことなります。

採用活動におけるボトルネックがどこにあるのかや、何が相手の意思決定の材料になるのかをしっかりと分析・把握し動画の役割を明確にしましょう。

ターゲットを明確にする

この動画は「誰が見るのか」「誰に観せたいのか」を明確にしましょう。前述の動画の役割にも紐づきますが、この動画を観る人が

  • 新卒採用のターゲットであるMARCH在籍の学生
  • 体育会に所属している学生
  • ベンチャーのインターンなどに参加しているビジネス感度の高い学生

…など、動画を見る人が誰であるかで訴求するべきポイントや表現方法は大きく変わります。何が相手の意思決定の材料になるのかをしっかりと分析・把握するためにも、ターゲットは明確にする必要があります。

予算を確保する

目的・役割とターゲットが明確になれば、「この人に、この情報を、こんなふうに伝える」ということまで決めることができます。

しかし、予算が足りなければ「こんなふうに伝える」の部分が弱くなってしまったり、十分に表現できない可能性があります。

例えば、

  • 取材対象者を象徴的にみせるために、インタビュー時には照明を活用し表情の明暗をはっきりさせる
  • できるかぎりリアルな表情・インタビューを引き出すために長期間の取材を実施する
  • 働いている場所のイメージを訴求するために、複数箇所・複数日の撮影が必要

など、適切な演出を加えたくてもそれらの機材・人を用意できなければそれは叶いません。

ドキュメンタリーっぽい動画であれば少ない予算で制作することも可能ですが、当然ながら一定のクオリティを求めようとすると必要な予算も大きくなります。

ドキュメンタリー動画の事例

ドキュメンタリー動画の用途は問わず、特徴的な動画を3つほどピックアップしました。どの動画にも参考にできると思いますので、ぜひ御覧ください。

東洋経済 会社紹介 REAL(リアル):広告営業

「Call Her Name」 | ポーラ

【三菱商事】“Create the Next” LNGカナダプロジェクト

最後に

いかがでしたでしょうか。「ドキュメンタリー動画」は非常にシンプルが故に、とても奥が深い動画です。特徴的なエピソードや感情の乗った言葉を引き出すことは簡単ではありません。

クリエイティブとしての「演出」はプロに任せられるので、ドキュメンタリー動画の制作を検討する際には事前の情報整理をしっかりと行い、目的やターゲットを明確にした上で代理店や制作会社に問い合わせるようにしまよう。

情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
是非、下のボタンからお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

【株式会社case 代表取締役/動画制作プロデューサー】加藤智史
新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。現在は本メディアの運営を通じた企業の動画制作支援や、動画制作会社の営業支援などを行う。動画制作のご依頼の流れはコチラ

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