【自治体・県庁】職員の採用動画の活用と制作のポイントを解説。

自治体の職員採用は、地域の成長と発展を支える鍵となっており、適切な人材を確保し、地域の多様なニーズに対応するため、幅広い職種で募集を行っているとともに、今も昔も公務員という「安定した仕事」のイメージは強く安定した人気のある職業の1つです。

しかし、少子高齢化に伴う生産年齢人口の現象は日本全体の社会問題であり、状況の差はあれど採用競争は激化しておりそれは地方自治体の職員採用においても同じことが言えます。

また、そのような背景もあってか近年では各自治体における採用プロモーション動画の制作や活用が非常に活発になっています。

本記事では、そんな地方自治体の職員採用における採用動画の活用と制作のポイントについて、実際の事例をご紹介しながら解説します。

目次

自治体・県庁職員の採用動画について、よくある質問

採用動画の制作費はどれくらい?

制作する内容によって大きく変動しますが、概ね50万円〜200万円程度の制作予算で制作されるケースが多いです。

採用動画の制作期間はどれくらい?

制作する内容によって大きく変動しますが、概ね2ヶ月程度を想定しておくと良いでしょう。

採用動画の活用方法にはどのような方法がある?

採用サイトへの掲載、説明会での放映、YoutubeチャンネルやInstagramへの投稿など目的によって様々です。

自治体・県庁職員における、採用動画の活用メリット

採用動画の活用メリットは様々ですが、特に自治体・県庁職員などの採用動画における活用メリットにはどのよなものがあるでしょうか。一般的な活用メリットと合わせて解説します。

採用コンセプトへの共感

自治体・県庁職員の採用動画を活用する最大のメリットはコンセプトへの共感をうみやすいという点でしょう。

地方自治体の採用試験を受けることを検討している求職者は、多くの場合その自治体に馴染みが深いかもしくはその地方に長く居住することを前提としていることが多いでしょう。また、公務員となると待遇や労働環境には一定の安心感をもっていることも考えられます。

その上で採用試験の受験を検討するわけですが、だからこそその地方の特色や働く場所としての行政がどのような雰囲気・考え方をもっているのかは非常に重要です。魅力的な職場の雰囲気であれば、それを伝えるツールとしてコンセプト動画の制作は有効だと言えるでしょう。

先輩社員を通して、キャリアイメージを醸成する

実際の業務内容については、よほど専門的な職種は別として、学生や中途の求職者にとってはイメージが難しいところです。また、中長期的なキャリアとしてどのような選択肢があるのかについても求職者が企業を選ぶ重要なポイントになります。

そのような「働くイメージ」「キャリアイメージ」を先輩社員のインタビューや密着動画などを通して伝えるというのは非常に有効な手段の1つです。

実際に働くシーンを通した自己投影

前述した「働くイメージ」と重なりますが、どのような仕事をするのかではなく、「自分がここで働くこと」を具体的にイメージできるかどうかという視点も重要です。

仕事の内容ではなく、職場の雰囲気・一緒に働く先輩職員の雰囲気・会社としての考え方などなど、様々な要素が絡み合うことでその職場の「雰囲気」が出来上がっているため、これらを言葉だけで表現することは非常に難しく、また受け取り手が理解するのは更に難しいです。

その点動画であれば、そのような「雰囲気」も含めてクリエイティブとして視聴者に届けることができるため、会社を理解するだけではなく「共感」などの感覚的な要素も含めた志望度の向上やセルフスクリーニングを促すことが可能になります。

自治体・県庁職員における、新卒採用動画の活用方法

採用サイトへの掲載

採用コンセプトを表現したものや、その企業のブランドイメージや世界観を表現した動画などを採用サイトのメインビジュアルやファーストビューに掲載するというのは何よりもまず「コンセプト」や「世界観」を学生・求職者に理解・共感してもらうために非常に有効です。

また、メインビジュアル・ファーストビューは採用サイトに訪問するたびに必ず目にする部分なので、志望する学生に繰り返し見せることができるという特徴もあります。

WEBセミナー・オンライン会社説明会

コロナ禍をきっかけに、一気に普及したのがWEBセミナー・オンライン採用説明会です。できるだけ多くの会社の説明会に参加したい学生や求職者にとっては自宅や出先でオンラインで参加できるというのは大きなメリットです。また、企業にとってもリアルの説明会だけではリーチできなかったかもしれない求職者に情報を届けられる機会にもなり得ます。

WEBセミナー・オンライン説明会とリアルな説明会でどのようにコンテンツを出し分けるのかも含めた情報設計は必要になりますが、各社が取り組んでいることや学生にとってのメリットを鑑みるとできる限り実施した方がよい施策の1つです。

自治体・県庁職員における、新卒採用動画の事例

ここまで様々な採用動画の事例や活用方法について解説してきましたが、ここでは改めて採用動画の「種類」ごとに事例をピックアップしています。各社がどのような動画を制作・活用しているのかぜひご参考下さい。

コンセプト動画

高知県職員採用PR動画「はたらこうち!」1min

山口県職員採用プロモーション動画~Challenge for Change~

【京都・亀岡市】職員採用コンセプトムービー/(事務編)

仕事紹介・密着動画

【秋田県職員採用】若手職員1日密着 ー本庁/事務職Ver.ー

【兵庫県公式】職員採用PR動画 新人職員に一日密着

新潟県職員リクルート密着動画【令和4年度:環境職】

座談会動画

新潟県職員リクルート座談会動画【令和4年度】

島根県職員7人のホンネ座談会_島根県職員募集

自治体・県庁職員における、新卒採用動画の制作のポイント

採用向けの動画制作において、特に気をつけなければならないのは下記の4点です。

  1. 目的を明確にする
  2. ターゲットを明確にする
  3. 明確なコール・トゥ・アクションを設定する

具体的にどのようなポイントを抑えるべきか、1つずつ解説します。

目的を明確にする

すごく当たり前のことなのですが、意外と見落とされがちです。

「なんとなくカッコいい動画」「とりあえずインタビュー動画を制作しようと思ってます」とかだと、あまり意味のない動画が出来上がってしまいます。本当にもったいないです。

ちなみに、ここでいう「目的」は「エントリー数を増やす」とか「歩留まりを上げる」とかだと動画クリエイティブに落とし込むには少し抽象的です。

しっかりと役割を果たすことが期待できる動画を制作するためには、上記の「目的」に2〜3回ほど「WHY」をぶつけてみて下さい。

  • なぜ歩留まりが低いのか?→面接での印象が良くない?会社や仕事の説明が分かりづらい?
  • なぜ会社や仕事の説明が理解されないのか?→説明の仕方が悪い?内容が複雑でわかりにくい?

という感じで、ある程度のところまで深ぼったり要素分解しながら「動画の目的」を明確にしましょう。

ターゲットを明確にする

すごくすごく当たり前のことですが、これも見落とされがち…というか動画を制作するにあたっては少し解像度が荒い状態であることが多いです。

例えば、採用ターゲットは「MARCH卒で体育会に所属していたような学生」だとして、動画のターゲットもそのままでよいのか?もう少し絞ったほうがいいのか?あるいは、広げたほうがいいのか?という部分を検討しきれていないケースがあります。

  • 採用ターゲットは「MARCH卒で体育会に所属していたような学生」
  • 動画を制作するのは、〇〇〇〇という目的で、動画には〇〇〇〇という役割を担わせたい。
  • そうすると、動画のターゲットは「MARCH卒で体育会に所属していたような学生」かつ「どちらかというと、〇〇〇〇タイプ」というように絞り込まれるのか「中学高校くらいから大学を卒業するまでなにかに打ち込んだ経験のある学生」というように少し広げるのか。

…という感じです。

新卒採用においても、ナビサイト上で検索条件で絞り込みという意味でのターゲットと、面接で絞り込む際のターゲットはそれぞれ解像度が異なるはずです。

前述の「目的」と紐づくため、ターゲットのことだけを考えても答えはでません。もしこの記事を読んで「あ…」と思った方は目的と合わせてどのようなアプローチが最適であるかについて、もう一度考えてみてはいかがでしょうか。

明確なコール・トゥ・アクションを設定する

「行動喚起」と訳され、デジタルマーケティングの世界ではユーザーに「次に起こしてほしい行動」を誘導することを指します。

つまり、動画を視聴したあとの行動としてどのような行動を期待するのか、そしてそのためにどのような気持ち・感情になって貰う必要があるのかを明確にしましょう、ということです。

当然ですが、やはりこの点についても目的との紐づきがあり、目的の解像度が低いとターゲットやコール・トゥ・アクションも同じように解像度が低い可能性が高いです。

もし、動画制作を具体的に検討しているようでしたら、まずはこれらのポイントを整理することから始めてみましょう。

最後に

いかがでしたでしょうか。とても当たり前のことですが、目的やターゲット、媒体などによって動画の企画や表現方法は大きく変わります。過去の採用活動から得られたデータや示唆をもとに、しっかりと情報を整理した上で、代理店や制作会社と連携して動画制作を行ってみて下さい。

情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
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この記事を書いた人

【株式会社case 代表取締役/動画制作プロデューサー】加藤智史
新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。現在は本メディアの運営を通じた企業の動画制作支援や、動画制作会社の営業支援などを行う。動画制作のご依頼の流れはコチラ

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