動画制作会社を探す際、慣れていなかったり特定の取引先がない場合にはネット検索で制作会社を探すことがほとんどでしょう。
筆者が新卒で動画制作会社に入社した10年ほど前とは大きく状況が変わり、今ではgoogleで「動画制作 会社」と検索するとたくさんの動画制作会社がヒットします。
表示された制作会社の上から順番に2〜3社問い合わせるケースが多いと思われますが、
- どの会社に問い合わせればよいのか?
- 会社ごとの違いはなんだろう?
…と、迷ったり困ったりしたことはなかったでしょうか。
本記事では、上記のように少しだけ迷ったり、手当り次第に問い合わせるのは気が引ける…という方に向けて、「問い合わせるべき会社の選び方」や「問い合わせる際のコツ」をお教えします。
問い合わせる会社の選び方
細かいことをお伝えしようとすると長くなってしまうので、最初に結論をお伝えします。
- 制作実績が豊富な会社
- コーポレートサイトが見やすい会社
- お客様の声が更新されている会社
この3つが満たされている会社に2〜3社ほど問い合わせれば、その中の1社は「ここなら大丈夫そうだな」と思える会社や担当者である可能性が高いです。
ここからは少し掘り下げていくので、気になる方はお読みください。そうでない方は次の章に進んで頂ければと思います。
動画制作に求める価値は何か?
この記事をお読みのあなたは、動画制作にどのような価値を求めているでしょうか。動画制作をプロに外注する以上、一定のクオリティを求めるというのは当然なので、それ以外でどのようなものがあるかピックアップしてみます。
- 安定した丁寧な制作進行
- 何よりも「安さ」を重視する
- 他ではあまり見たことのない奇抜な企画や特徴的なビジュアル
筆者の過去の経験上は、大きく上記の3つに分類されるのですが、当てはまるものはあるでしょうか。ここからは上記3つそれぞれのパターンで問い合わせるべき会社の見分け方をお伝えします。
※あくまでも問い合わせ前に見分けるポイントとなるため、確実な方法というわけではないことご了承くださいませ。。。
①安定した丁寧な制作進行
動画制作が初めての方や、過去に制作を外注したもののコミュニケーションがうまく行かず制作進行にストレスを感じた方などはこの点を求められることがあります。
この点を求められる方におすすめする方法は、
- 「丁寧に制作進行する」ことをサイト上で明言している会社
- 比較的規模が小さい会社
の2つを満たす会社を問い合わせ先に1社は含めることをおすすめします。
理由は、
- 「丁寧に制作進行すること」は動画制作会社が問い合わせを獲得する上では重要なキーワードにはなりにくい
- 一定以上の規模の制作会社になると、どうしても「数」をさばく必要があり1件1件丁寧に進行することが物理的に難しいケースがあるため、比較的規模の小さい会社を1社は選んでみる。
という2点です。
「丁寧に制作進行すること」は動画制作会社が問い合わせを獲得する上では重要なキーワードにはなりにくい
実際に検索してみるとわかるのですが、数多くの動画制作会社があるにも関わらずこの点を訴求しているサイトは決して多くはありません。そしてその理由は問い合わせる方の多くは「丁寧に進行すること」の重要性に気づいていないことだと筆者は考えます。
動画制作は比較的ライトな案件でも1ヶ月程度は制作会社とお客様とのコミュニケーションが継続するため、コミュニケーションの相性が悪かったり、雑だったりすると納品までの期間大きなストレスを抱えてしまうことになります。
しかし、これは実際に経験してみないと気づきにくいポイントです。
また、強く意識せずとも順調に制作を進められている場合は、クライアントは同じ制作会社にリピートして依頼することになるため、制作会社が「新たな問い合わせを獲得する」上では重要なキーワードにはなりづらいのです。
比較的規模の小さい会社を1社は選んでみる。
実際に筆者が在籍していた会社も例外なく制作進行を担当するプロデューサーは「納品額(売上額)」で仕事を評価されるため、すべての案件を満遍なく丁寧に進行することが難しケースが存在します。これはプロデューサー個人のスタンスという部分もありますが、多くの場合は受託制作というビジネスモデルである以上いたしかたないことです。
一方で比較的規模の小さい会社は、ビジネスモデルは同じですが抱えているクライアントが少なく、売上に対する1案件の重みは一定以上の規模の会社よりも重くなるため、丁寧に進行してもらえることを期待できます。ネット検索で「比較的規模の小さい会社」を見つけるのは少しめんどくさいですが、もし見つけることができれば、2〜3社の1社に含めてみることをおすすめします。
何よりも「安さ」を重視する
この場合、問い合わせるポイントは下記の2つです。
- 「安さ」を押し出している会社に問い合わせる
- クラウドソーシングサービスでクリエイターを探してみる
「安さ」を押し出している会社に問い合わせる
自ら進んで「安さ」を打ち出すというのは「安さなら勝てる」と思っているもしくは、「安さで惹きつけて、アップセルしていく」など、いづれにしても「安く請け負っても成立する仕組み」を構築している会社であると考えられます。後者は今回の場合対象にならないので、前者のケースで考えます。
安く請け負うということはそれだけ粗利・原価を削るということで、粗利・原価を削るということはその分「工数をかけずに制作できる仕組みがある」「間接費用を抑えている」などの工夫をしているはずです。基本的に「安くできそう」だとは思ってもらいたいものの「安くできるとは明言したくない」というのが問い合わせがほしい制作会社の本音ではあるので、それをあえて「安くできる」と明言している会社があれば、問い合わせてみても良いでしょう。
クラウドソーシングサービスでクリエイターを探してみる
「安く制作する」ことを最優先にするのであれば実は制作会社ではなくクリエイター個人に発注するのが一番確実です。今はクラウドソーシングのサービスも複数あるため、案件の情報を公開すれば複数のクリエイター候補を見つけることは難しいことではありません。制作会社に問い合わせるのと併せて、個人のクリエイターを探してみましょう。
他ではあまり見たことのない奇抜な企画や特徴的なビジュアル
この点を重視する場合は、「こんな動画を作りたい!」と思える動画を実際に制作した担当したプロデューサーやディレクター、デザイナーを見つけることが最も近道です。
具体的には、Youtubeや各社の実績ページで自身のイメージに近い動画を見つけて、
- こんな動画を制作したいので、同じクリエイターに担当してほしいことを伝える
- Youtubeで見つけた動画を担当したプロデューサーやディレクターを探す
①はうまく動画を見つけることができれば、比較的容易なのですが②は少し難易度が上がります。確実な方法があるわけではないのですが、「イメージに近い動画」を見つけることができたら、「その動画のタイトル+プロデューサー」「その動画のタイトル+ディレクター」「その動画のタイトル+キャンペーン名」などで検索してみましょう。
うまく行けば実際に制作した会社の実績ページやプレスリリースなどが見つかるはずです。
ただし、このような動画の場合比較的制作予算は高い傾向にあるため、その点は念頭においておくべきでしょう。
動画制作の予算はどれくらいか?
動画制作にかけられる予算がどれくらい確保できているかでも、問い合わせるべき会社は変わってきます。
筆者の経験から、下記をおすすめします。
- 〜30万円…「安さ」を打ち出している会社もしくは、個人クリエイター
- 30万円〜300万円…ネット検索で上位表示される会社
- 300万円〜500万円…ネット検索で上位表示される会社+TVCMやWEBCMの制作が得意な会社
- 500万円〜1,000万円…ネット検索で上位表示される会社+TVCMやWEBCMの制作が得意な会社+広告代理店
- 1,000万円〜…TVCMやWEBCMの制作が得意な会社+広告代理店
筆者は「ネット検索で上位表示される会社」と「TVCMやWEBCMの制作が得意な会社」の2つで動画制作に携わった経験がありますが、この2社が持っているノウハウや制作の進め方は全く異なります。
そのため、制作予算に応じて、その金額帯の動画制作が得意な会社を見つけるということが動画制作を成功させるために重要なポイントの1つとなります。
明確な比較ポイントは無く、いくつかの提案から見極めたい場合
一定以上の予算が確保できていて、様々な角度から提案をもらいたい場合には、これまでご紹介した問い合わせ先を複数織り交ぜて問い合わせてみると言う方法がよいでしょう。
そして、その際に重要なことはそのことを各社に伝えることです。
そうすることで、各社は自社が最も得意とする提案をせざるを得なくなるため、様々な提案を受けた上で選ぶ事が可能になります。
ただし、注意点としては、「選ぶのが難しくなる」ことです。複数の異なる視点からの提案の場合、各社がそれぞれ重要など考えることを軸に「こうするべき」と提案を行います。ときには「そもそも前提としてこう考えるべきです」という提案や、「〇〇万円も使う必要はなく、〇〇万円でできます」という提案、とても魅力的だが「1.3倍の予算が必要です」という提案が出揃う可能性もあります。
このような状況で自社にとってベストな提案を見極めることは非常に難しいため、そのことは念頭においておくべきでしょう。
問い合わせる際のコツ
問い合わせる会社が決まれば、次はどのような内容で問い合わせるかです。
問い合わせる際のコツとしては、「いかに制作会社に本気になってもらうか」です。本気になってもらうことで、
「比較的優秀な営業担当を割り当ててもらえる可能性が高くなる」というのが制作会社側に本気になってもらうことのメリットです。営業担当が優秀であれば、その分良い提案を貰える可能性は高まりますし、発注後の制作進行もスムーズになる可能性が高まります。
このあたりは、下記の記事にまとめていますので、もしご興味いただけましたらぜひご覧ください。
最後に
多くの場合、問い合わせる際にはあまり小難しいことは考えず「まずは話を聞いてみよう」というスタンスだと思いますが、そのタイミングで「どこに問い合わせればよいかな…?」とお考えになられた方にとって、少しでも参考になる情報であれば幸いです。
caseはまだ立ち上がったばかりの制作会社ですが、もしご興味いただけましたら弊社にもお問い合わせくださいませ。