非常に汎用性が高く、様々なシーンで活用される「コーポレートムービー」。Youtubeで検索すると本当にたくさんの会社の動画が出てきますが、どのような目的で制作されているのか不思議に思ったことは無いでしょうか。
本記事ではそんな「コーポレートムービー」について、コーポレートムービーの種類・どんな使われ方があるのか・コーポレートムービーの制作のポイントについて事例を交えながら解説します。
コーポレートムービーについてよくあるQ&A
- コーポレートムービーの制作費はどれくらい?
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制作内容によって変動しますが、概ね50万円〜300万円くらいの予算を用意されることが多いです。
- コーポレートムービーの制作期間はどれくらい?
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少なくとも2ヶ月は想定しておきましょう。全社的な制作物になるため、関係各所への確認に時間がかかることが多く想定よりも長くかかることも少なくありません。
- コーポレートムービーの活用方法にはどのような方法がある?
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会社によって様々ですが、「営業ツール(海外含む)」「IR/株主総会」「周年記念等のイベント」「エントランスでの放映」「HPへの掲載」などが主です。
コーポレートムービーの種類
一口に「コーポレートムービー」といっても、その形は様々です。10〜15分ほどの比較的長い尺で制作されることもあれば、30秒程度のCMサイズで制作されることもあります。ここでは、各社の事例を実際に紹介しながらどのような目的で制作サれたものであるかなどを考察していきます。
会社概要紹介型
もっともスタンダードな「コーポレートムービー」がこの「会社概要紹介型」にあたります。HPやパンフレットなどで紹介されている内容を動画でもというイメージです。このタイプは明確に「こういう場面で使う」というよりは「どこでも使える汎用的なものを作りたい」ということで制作されることが多く、また、制作する会社は比較的経営の安定している大企業であることが多いです。
事業紹介型
会社紹介ではありながらも、動画のメインが事業の強みや特徴の紹介などに寄っているのがこの「事業紹介型」です。このタイプの動画は主に「営業ツール」として活用することを想定しつつ、それ以外にも使える汎用的なものということで制作されることが多いです。会社=〇〇事業と言えるような、領域特化型のメーカー企業などによる制作が多いのが特徴です。
理念・ビジョン型
会社のリブランディングや、ビジョン策定時などに制作されることが多いのがこの「理念・ビジョン型」です。具体的な事業内容ではなく、「どのような想いで会社を立ち上げたのか」「今後どのような世界を目指して経営していくのか」という少しウェットな内容・クリエイティブとなっているのが特徴です。
コーポレートCM型
30秒〜2分程度の比較的短い尺で、事業内容や会社の沿革などの具体的な内容よりもクリエイティブそのもので会社の特徴やビジョンなどを表現しているのがこの「コーポレートCM型」です。セミナーや学会などの幕間で放映するためのツールとして活用されることが多いのが特徴です。
ブランディング型
30~90秒程度の尺で、事業内容などには極力ふれることなく、「どのような世界を目指すのか」「自社がどのような存在なのか」「何を価値とするのか」などの存在意義を示すクリエイティブとなっているのがブランディング型です。事業優位性ではなく、「存在意義」「価値」で他社との差別化・独自化を図ることができるのが特徴です。
コーポレートムービーの活用方法
前章は、コーポレートムービーの種類について筆者なりの視点で区別してみました。こちらでは、「活用方法」という視点で区別してみます。
IR/株主総会
決算資料の説明をする際に、事前情報として「そもそも知っておいてほしいこと」を動画にまとめておきまずは観てもらうというのはIR/株主総会における動画活用方法の1つです。株主であればすでに知っていることだと思われるかもしれませんが、株主総会にわざわざ参加する株主の中には「儲かりそう」だから株を購入したものの、その会社がどのような事業を行っているかは理解していないという層も確実に存在しています。
また、そうでなくても動画の中の情報に、動画のあとで説明する内容についての布石を打っておくなどの準備・仕掛けも可能でありIR/株主総会における動画の活用には各社の狙いが見えて興味深いものがあります。
営業ツール
前述の「事業紹介型」が多いのがこの営業ツールとして活用されるコーポレートムービーです。筆者の経験としてはモノが大きくて運ぶことが困難である機械メーカーや、受託製造・受託生産の設備を備えている工場などは営業ツールとしてコーポレートムービーを制作・活用されることが多いです。
また、「会社概要紹介 型」の動画を制作しその一部を営業ツールとして使われるケースも多くあります。
HPへの掲載
会社概要のページなどへ掲載される場合、「理念・ビジョン型」のコーポレートムービーであることが多いです。比較的短い尺でその会社が描く未来像などをインプットしてもらうことでHPに記載されてるその他の事業内容やIRなどへの理解と共感を促すという役割があります。
周年記念などのイベント
30・50・100周年などの周年記念時に制作され、イベントでの放映を皮切りに汎用的に活用されることも多くあります。周年記念イベント時のみの放映となると、どうしてもコストを捻出できなかったりあるいは純粋に「もったいない」ため、制作の理由としては「周年記念」だけれども、動画の内容としては比較的汎用性の高いものにし、継続的に活用していこうという企業が多いです。
エントランスなどでの放映
これまでご紹介したあらゆるコーポレートムービーが、もっとも多く活用されるのがエントランスでの放映でしょう。特に大企業であれば、その企業を訪問している多くのビジネスパーソンがその企業をクライアント・取引先としており、例えば露骨にスマホをいじったりなどはせずに行儀よく待っているケースが多いです。そのような手持ち無沙汰な状況で動画を放映しておくと自然とその動画が目に止まります。また、実際に担当者とあったときの話のネタにもなるため、意外と役に立つというのがこのエントランスで放映されるコーポレートムービーなのです。
コーポレートムービーの制作のポイント
目的を明確にする
コーポレートムービーを制作する上で非常に重要なのがその目的を明確にし、可能な限り解像度を上げることです。
前述の通り一口で「コーポレートムービー」と言ってもその種類や活用方法は様々で、目的が不明確なままではどのような動画を制作するべきなのかを決定することができません。
例えば、コーポレートムービー制作の最終的な目的を「製品を購入してもらうこと」としましょう。
そうすると、制作するコーポレートムービーはおそらく「事業紹介型」のものになるでしょう。
では「購入」してもらうために、動画はどのような役割を果たすべきでしょうか。
- 事業の特徴を把握してもらい、必要十分なスペックがあると理解してもらうこと
- 工場の機能やそこで製造・生産できるラインナップを知ってもらい、多少のオーバースペックでも有効な投資だと思ってもらうこと
- 工場の大きさや作業効率を知ってもらい、既存の工場に置き換わり得るものであると理解してもらうこと
など、事業の特徴や見せる相手によって動画の役割も大きく変化します。
会社・事業が持つ強みや、何が相手の意思決定の材料になるのかをしっかりと分析・把握し動画の役割を明確にしましょう。
ターゲットを明確にする
この動画は「誰が見るのか」「誰に観せたいのか」を明確にしましょう。前述の動画の役割にも紐づきますが、この動画を観る人が
- 現場で実際に業務に従事している人
- 事業の責任者
- 企業の購買部門の担当者やその責任者
…など、動画を見る人が誰であるかで訴求するべきポイントや表現方法は大きく変わります。何が相手の意思決定の材料になるのかをしっかりと分析・把握するためにも、ターゲットは明確にする必要があります。
予算を確保する
目的・役割とターゲットが明確になれば、「この人に、この情報を、こんなふうに伝える」ということまで決めることができます。
しかし、予算が足りなければ「こんなふうに伝える」の部分が弱くなってしまったり、十分に表現できない可能性があります。
例えば、
- 工場の内部を俯瞰で見せるためにドローンで空撮する必要がある
- 事業内容や市場シェアをインパクトのある形で表現するために、グラフィックやCGを使ったほうが良い
- インタビューも収録するため、照明なども必要
など、適切な演出を加えたくてもそれらの機材・人を用意できなければそれは叶いません。
コーポレートムービーは少ない予算で制作することも可能ですが、当然ながら一定の予算を投じた方が見栄え・内容ともに高いクオリティが実現できます。また、「会社紹介」というように基本的には全社にまたがる制作物であることを考えると対外的な見え方だけではなく、自社で働く社員からどのように見えるのか?も強く意識する必要があります。
コーポレートムービーの事例
これまでご紹介したコーポレートムービー以外に、特徴的な動画を5つピックアップしました。制作を検討中の方はぜひご参考下さい。
JATCOコーポレートムービー2022
パナソニック インダストリー コーポレートムービー
【公式】Chatworkコーポレートブランドムービー「働くをもっと楽しく、創造的に」
ショーボンドグループ コーポレートムービー
【日立建機】コーポレートムービー
最後に
いかがでしたでしょうか。「コーポレートムービー」は、汎用性が高いツールであるがゆえに、無難に会社概要をまとめて動画として観せられればOKというように考えがちですが、他のマーケティングツールなどと同じようにやはり目的から考え、ターゲットを選定し、訴求内容を吟味するという一連のSTEPは欠かすことができません。
ぜひしっかりと情報を整理し、準備を整えた上で代理店や制作会社へ声をかけるようにしてみて下さい。
情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
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