コロナ禍によって、リモートワークが一気に浸透したことで注目を集めた地方への移住。都心の企業に属しながら都心から離れた場所で生活し、都心と同じレベルの収入を得られる方法として移住を検討する人が増えてきています。
また、収入は下がるものの、都心の慌ただしい日々に疲れてしまい地方でゆっくりと仕事をしながら生きていくという選択肢も徐々に広がってきているようです。
このような状況は、少子高齢化や都心・都会への人口流出が問題となっている地方自治体にとっては注目すべきポイントと言えます。移住希望者を集めることで生産年齢人口・子どもの数を増やすことで税収を安定させ、行政サービスを充実させることで、自治体単位で住みよい環境を整えることは地方自治体の命題でもあるからです。
このような背景もあってか、近年では各自治体による移住者のインタビュー動画の制作・活用が進んでいます。本記事ではそんな地方移移住者のインタビュー動画の制作や活用のポイントについて解説します。
移住者インタビュー動画についてよくあるQ&A
- 移住者インタビュー動画の制作費はどれくらい?
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制作する内容によって大きく変動しますが、概ね50万円〜500万円程度の制作予算で制作されるケースが多いです。
- 移住者インタビュー動画の制作期間はどれくらい?
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制作する内容によって大きく変動しますが、概ね2ヶ月程度を想定しておくと良いでしょう。ただし、動画の確認や撮影場所・人の手配に時間がかかるケースも考えられるため、できるだけ余裕を持っておいたほうが良いです。
- 移住者インタビュー動画の活用方法にはどのような方法がある?
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HPへの掲載、説明会での放映、YoutubeチャンネルやInstagramへの投稿など目的によって様々です。
移住者インタビュー動画の事例
【出発、進行。くまもとぐらし Vol.2】地元のフリーランスクリエイターを活用した熊本市移住プロモーション動画
【宮城県】石巻圏域移住プロモーション動画(7分版)
移住者インタビュー佐賀県佐賀市に暮らす辻さん
~住んでてよかった~かほく市移住者インタビュー
移住者インタビュー動画の活用メリット
移住プロモーションに動画を活用するメリットは数多くありますが、ここでは代表的な下記の3つに絞ってご紹介したいと思います。
- 実際に移住した方の経験談を聞くことができる
- 地元の方の話を見聞きすることができる
- 居住地の様子を垣間見ることができる
実際に移住した方の経験談を聞くことができる
移住を検討する人にとって、実際に移住した人の経験談は非常に重要なデータになります。特に、自分に近い境遇・属性の方の話であれば尚更です。
もちろん、WEBサイトやパンフレットなどの媒体でも移住経験者のインタビューなどを掲載することはできますが、インタビュー動画であれば実際にその人に話してもらえるというのが最も大きな違いでしょう。
動画も編集は可能ですが、実際に話している姿を見て、聞くことができるというのは視聴者の視点で考えればテキストによる情報と比較してどちらがより重要な情報として、移住検討者に対して大きな影響を与えられるかは明白でしょう。
居住地の様子を垣間見ることができる
移住プロモーション動画の場合、どうしてもその地域の代表的な景勝地や特産物などをピックアップしがちですが、観光プロモーションではなく、「移住」がゴールの動画であることを考えると必ずしもその方法が正解とは言えず、なんの変哲もないけれど、実際に居住する地域を見せるほうが効果的であるケースも考えられます。
この点は後述する動画の役割や、動画を視聴したあとに期待するアクションなどによって動画に盛り込むべき要素は大きくかわるため、その点も踏まえてどのようなプロモーションが効果的であるかは検討する必要があります。
移住者インタビュー動画の制作のポイント
移住プロモーション動画制作において、特に気をつけなければならないのは下記の4点です。
- 目的を明確にする
- ターゲットを明確にする
- 明確なコール・トゥ・アクションを設定する
具体的にどのようなポイントを抑えるべきか、1つずつ解説します。
目的を明確にする
すごく当たり前のことなのですが、意外と見落とされがちです。
「なんとなくカッコいい動画」「とりあえずインタビュー動画を制作しようと思ってます」とかだと、あまり意味のない動画が出来上がってしまいます。本当にもったいないです。
ちなみに、ここでいう「目的」は「移住者を増やす」とか「見学ツアーに来てもらう」くらいの粒度では、動画クリエイティブに落とし込むには少し抽象的です。
しっかりと役割を果たすことが期待できる動画を制作するためには、上記の「目的」に2〜3回ほど「WHY」をぶつけてみて下さい。
- 見学ツアーに来てもらえないのか?→知名度が低い?魅力が伝わっていない?
- なぜ魅力が伝わっていないのか?→説明の仕方が悪い?内容が複雑でわかりにくい?
という感じで、ある程度のところまで深ぼったり要素分解しながら「動画の目的」を明確にしましょう。
ターゲットを明確にする
すごくすごく当たり前のことですが、これも見落とされがち…というか動画を制作するにあたっては少し解像度が荒い状態であることが多いです。
例えば、ターゲットは「移住を検討している人」だとして、動画のターゲットもそのままでよいのか?もう少し絞ったほうがいいのか?あるいは、広げたほうがいいのか?という部分を検討しきれていないケースがあります。
- ターゲットは「移住を検討している人」
- 動画を制作するのは、〇〇〇〇という目的で、動画には〇〇〇〇という役割を担わせたい。
- そうすると、動画のターゲットは「移住を検討している人」かつ「30−40代のカップルや夫婦」というように絞り込まれるのか「移住だけではなく、その前段階のワーケーションとして訪れてくれそうな人」というように少し広げるのか。
…という感じです。
前述の「目的」と紐づくため、ターゲットのことだけを考えても答えはでません。もしこの記事を読んで「あ…」と思った方は目的と合わせてどのようなアプローチが最適であるかについて、もう一度考えてみてはいかがでしょうか。
明確なコール・トゥ・アクションを設定する
「行動喚起」と訳され、デジタルマーケティングの世界ではユーザーに「次に起こしてほしい行動」を誘導することを指します。
つまり、動画を視聴したあとの行動としてどのような行動を期待するのか、そしてそのためにどのような気持ち・感情になって貰う必要があるのかを明確にしましょう、ということです。
当然ですが、やはりこの点についても目的との紐づきがあり、目的の解像度が低いとターゲットやコール・トゥ・アクションも同じように解像度が低い可能性が高いです。
もし、動画制作を具体的に検討しているようでしたら、まずはこれらのポイントを整理することから始めてみましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。とても当たり前のことですが、目的やターゲット、媒体などによって動画の企画や表現方法は大きく変わります。過去の採用活動から得られたデータや示唆をもとに、しっかりと情報を整理した上で、代理店や制作会社と連携して動画制作を行ってみて下さい。
情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
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