【電機メーカー】における動画の活用と制作のポイントを徹底解説。事例も紹介。

テクノロジーの急速な進化や市場の変化により、大きな変革期を迎えている電機業界。

AI、IoT、ブロックチェーンなどの先進技術の普及が進み、スマートホームやスマートモビリティなどの新たな市場が形成されはじめています。また、電機メーカー各社は製品とサービスのデジタル化、コネクティビティの向上を通じたユーザーエクスペリエンスの強化に乗り出すなど、電機メーカーは市場の要求に迅速に対応した製品の開発だけではなく、新たなビジネスモデルの創造と競争力の維持を図っています。

本記事では積極的な動画の活用が目立つ、電機メーカーにおける動画の活用・制作のポイントを事例を交えながら解説します。

目次

電機メーカーの動画制作についてよくあるQ&A

電機メーカーにおける動画の制作費はどれくらい?

制作する内容・企画によって変動するという前提になりますが、概ね50万円〜300万円程度の制作費で制作されるケースが多いです。TVCMやデジタルマーケティングなどに活用される動画の場合、1000万円を超えるケースもあります。

電機メーカーにおける動画の制作期間はどれくらい?

制作する内容・企画によって変動するという前提になりますが、概ね2ヶ月程度であることが多いです。予算が大きくなると制作期間も長くなる傾向があるため、300万円以上の予算の場合には3ヶ月〜4ヶ月を想定した方がよいでしょう。

電機メーカーにおける動画の活用方法にはどんなものがある?

「会社紹介」「IR/株主総会」「新卒・中途採用」「プロモーション」「ブランディング」「研修・マニュアル」などが挙げられます。

電機メーカーにおける動画の活用方法

会社紹介

会社紹介動画は、汎用的に活用できるため、エントランスでの放映や各種セミナー、一般消費者向けなど「様々な用途を想定して制作される代表的な動画です。

会社における規模感、得意領域、理念・ビジョンなど様々な要素を網羅的にまとめ、「ウチはこういう会社です」というまさに自己紹介的な動画であり、その会社についてまだあまり詳しく知らない人への入門偏となるようなコンテンツであることが多いです。

IR/株主総会

IR/株主総会における動画の活用は、他の活用方法と比べると動画の活用・浸透が早かった領域です。それまで、株主総会に出向かないと直接経営者からの発表や質疑応答の様子を観ることができませんでしたが、LIVE配信を筆頭に動画の活用が進んでいます。

また、IR向けの動画コンテンツを用意しておくことは既存の株主だけではなく投資家向けのコンテンツとしても有用だと考えられます。IR向けの資料はあえて動画化する必要はありませんが、業績良好で投資家に向けたアピールをしたい企業にとっては、敢えてリッチなコンテンツを用意しておくことそのものがポジティブな影響を期待できます。

プロモーション

プロモーション…と一口に言っても新ブランドや新製品発表会などで活用されるコンセプトムービーや、製品の特徴をまとめた営業ツール、3DCGを活用した製品紹介などその活用方法は様々です。

電機メーカーの場合、季節ごとの新ブランド・新製品などのCMはTVなどでもよく目にします。そのような場合は有名なタレントを起用するなど一定以上の規模・予算が必要になりますが、そのような大々的なプロモーションだけではなく、デジタルマーケティングや公式サイトでのサービス紹介などでも動画は積極的に活用されています。

ブランディング

テクノロジーの進化が加速していく中で、コモディティ化するスピードも上がっており他社との競争のためのプロモーションだけではなく、独自の世界観・ビジョンへの共感を促すブランディングの重要性が上がってきています。

電機メーカーの場合、toC・toBに関わらず、スペックや価格などによる意思決定も一般的ですが、その「比較検討」の選択肢に入るために、特定の業界・特定の用途などにおいて「〇〇といえば、〇〇」というような3番目くらいまでに想起してもらえるような施策は非常に重要であり、そのためのツールとしてブランディング動画は非常に有用と言えます。

研修・マニュアル

人材研修や、製品マニュアルはわかりやすく「人件費」を抑制できる動画の活用法です。また、視聴者のニーズも明確であるため、必要以上の動画のクオリティが求められない=制作費も抑制しやすいため、取り掛かりやすい領域でもあります。

また、特にユーザー向けの製品マニュアル動画は、ユーザーが困っている時に必要な情報を届けることができるため、UXと呼ばれるユーザー体験としても非常にポジティブにはたらき、モノを届けるだけではなくその製品の活用を通した「コト」として価値が提供できる側面も注目されています。

新卒採用・中途採用

少子高齢化における生産年齢人口の現象は既定路線となっており、技術の伝承も含め人材の確保は電機メーカーにおいても非常に重要な課題の一つです。

上手く動画を活用することで、応募数の増加〜内定承諾まであらゆるSTEPで効果を発揮するため自社の採用課題に合わせた動画の活用がポイントになります。

電機メーカーにおける動画制作のポイント

電機メーカーにおける動画の制作において、特に気をつけなければならないのは下記の4点です。

  1. 目的を明確にする
  2. ターゲットを明確にする
  3. 予算を確保する
  4. 視聴後に抱いてほしい感情・心情を明確にする

具体的にどのようなポイントを抑えるべきか、1つずつ解説します。

目的を明確にする

すごく当たり前のことなのですが、意外と見落とされがちです。

「なんとなくカッコいい動画」「とりあえずインタビュー動画を制作しようと思ってます」とかだと、あまり意味のない動画が出来上がってしまいます。本当にもったいないです。

ポイントは、

「動画制作の目的」と「動画に期待する役割」を分けて考えることです。

例えば、製品の購入を最終的なアクションとして期待する場合、動画制作の目的は「顧客に購入してもらうこと」です。しかし、その際に動画に期待する役割は「製品の理解」なのか「不安の解消」なのか「製品を認知してもらうこと」なのかによって制作するべき動画は大きく変わります。

必ずしも明確なKPIなどを設ける必要はありませんが、制作の目的については関係者間で明確な共通認識を形成しておくことが必要です。

ターゲットを明確にする

すごくすごく当たり前のことですが、これも見落とされがち…というか動画を制作するにあたっては少し解像度が荒い状態であることが多いです。

電機メーカーのターゲットは殆どの場合「自社の社員」「顧客」のいずれか・もしくは両方となることが多いです。

  • 自社社員…どのような社員がよりコアなターゲットか。活躍している社員なのか、くすぶっている社員なのか。
  • 顧客…既存顧客なのか、新規顧客なのか。

…など、可能な範囲で具体化しておいたほうが企画立案だけではなく、社内関係者感の共通認識も形成しやすくなります。

企画に関して言えば、ターゲットがより具体的であればあるほど、動画としてもより具体的でターゲットが共感しやすい企画を立案しやすく、ターゲットが幅広く抽象的であればあるほど、「言いたいことはわかるけど、なんかぼんやりしている」動画になりやすいです。

前述の「目的」と紐づくため、ターゲットのことだけを考えても答えはでません。もしこの記事を読んで「あ…」と思った方は目的と合わせてどのようなアプローチが最適であるかについて、もう一度考えてみてはいかがでしょうか。

予算を確保する

目的・役割とターゲットが明確になれば、「この人に、この情報を、こんなふうに伝える」ということまで決めることができます。

しかし、予算が足りなければ「こんなふうに伝える」の部分が弱くなってしまったり、十分に表現できない可能性があります。

例えば、

  • 未来的なあり方を表現するために、3DCGが必要
  • 様々な事業における存在意義を提示するために、複数パターンの撮影が必要である
  • 自社の社員のインタビューが必要

など、適切な演出を加えたくてもそれらの機材・人を用意できなければそれは叶いません。

制作費を抑えて制作すること自体は可能ですが、企画内容によって制作費は大きく変わるため、できる限りお財布には余裕をもたせておいたほうが良いでしょう。

視聴後に抱いてほしい感情・心情を明確にする

動画を見たあとに、ターゲットに「どのような感情になって欲しいか」「どんな心情を抱いてほしいか」を明確にしましょう。

この点もやはり目的と紐づくため、この点だけを切り離して考えることはできませんが、

・強く共感し、より高いモチベーションで働いてほしい
・自分の仕事は高い社会性を帯びていることを思い出してほしい
・競合他社との違いは、製品のスペックだけでは無いと理解・共感してほしい

など、目的によってどのような感情・心情を抱いてもらうことが望ましいかも決まってきます。なんの脈絡もなく「かっこいい動画」「感動的な動画」などのような議論にならないよう気をつけましょう。

最後に

「電機メーカー」という大きなくくりで動画の活用方法をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。

「電機メーカー」だからというよりは、「そもそもなんのために動画を制作し、活用するのか」という根本的な問いに対して、どれだけ高い解像度で回答を用意できるかで動画制作の成否は決まるため、まずは解像度をあげるための情報整理から始めてみることをおすすめします。

情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
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この記事を書いた人

【株式会社case 代表取締役/動画制作プロデューサー】加藤智史
新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。現在は本メディアの運営を通じた企業の動画制作支援や、動画制作会社の営業支援などを行う。動画制作のご依頼の流れはコチラ

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