SDGsは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。これは国際連合が2015年に採択した17の目標で、2030年までに世界規模の課題を解決し、持続可能な社会を実現するための取り組みを促進するために設定されました。
日本でも、持続可能な開発目標(SDGs)への積極的な取り組みを通じて、社会的責任を果たす姿勢を強化している企業が多くあり、その姿勢を示す一つの方法として動画制作・活用が進んでいます。
多くの日本企業が、SDGsに積極的に取り組みまた、その取り組みを積極的にアピールしている大きな理由としては、SDGsへの取り組みが企業価値の向上にも寄与し、CSR(企業の社会的責任)の一環にもなると考えられていることです。
本記事では、上記のように積極的にSDGsに取り組み、その活動をアピールしている企業のSDGsムービーをピックアップしながら、制作のポイントについて解説します。
SDGs動画/SDGsムービーについてよくあるQ&A
- SDGs動画/SDGsムービーの制作費はどれくらい?
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制作する動画や企画の内容によりますが、概ね50〜500万円ほどの幅で制作されるケースが多いです。
- SDGs動画/SDGsムービーの制作期間はどれくらい?
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制作する動画や企画の内容によりますが、比較的シンプルなものであれば1ヶ月・一般的なもので2〜3ヶ月程度です。
- SDGs動画/SDGsムービーの活用方法はどのようなものがある?
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大手企業の中にはTVCMやYoutube広告などで放映されるケースもありますが、自社のYoutubeチャンネルへの設置や、コーポレートサイトのCSR関連のページに掲載されることが多いです。
SDGs動画/SDGsムービーの種類
一口に、SDGs動画/SDGsムービーといっても、企業ごとにその内容は大きく異なります。ここでは、どのような種類のSDGs動画/SDGsムービーがあるのかを解説します。
「SDGsとは?」について説明している動画
例えば、ベネッセ社は、下記のような「SDGsってなんだろう?」という動画を制作・配信しています。
ベネッセ社の場合、提供している通信教育サービスの対象に、小さな子どもも多く含まれることや、そのサービスを購入している親世代の方々が、「子どもからSDGsってなに?」と聞かれることも多いのではないか?」「SDGsについて説明・理解できるコンテンツがあったほうが良いのではないか」という仮説や背景からこのような動画を制作されたのではないかと予想できます。
また、このような関わり方であれば、SDGsで掲げられている17の目標に直接的には関連していなくても、企業として「SDGsを重要視していますよ」というアピールにもなり、また、子どもから質問されて「どう説明していいか…」と困っている親世代へのプロモーションの一助にもなりうることを考えると、ベネッセ社らしい非常に上手な取り組みではないでしょうか。
「SDGs」への自社の取り組みについて説明する動画
もっとも多いのが、このパターンの動画です。SDGsが世界的に取り組むべきものであるとしても、営利企業にとってそれがただコストを大きくしてしまうだけのものであれば、ここまで大きく取り上げられたり積極的に取り組む企業が多くでてくることはなかったのではないでしょうか。
その中で、あえてお金をかけて動画を制作・配信しているということは、「私達はSDGsに積極的に取り組んでいる」ということを「知ってもらうこと」によって、企業イメージの向上やブランディングにつながると考える企業が多いと考えることができるのではないでしょうか。
「SDGs」に対する、自社のスタンスを表現した動画
真面目に、ちょっと堅苦しく「説明」するだけではなく動画というクリエイティブの特徴を活かして、SDGsに取り組む姿勢やスタンスを「表現」している動画クリエイティブもいくつか見られました。ニュースや新聞などで多く取り上げられていたとしても、一市民として身近な問題・目標として捉える機会は少ないのではないでしょうか。
そのような中で、より多くの人に自社の活動に対するポジティブな感情を呼び込む方法として、「説明による理解」ではなく、「表現への共感」を選ぶというのは、動画を活用する上で有効な手段であると言えます。
SDGs動画/SDGsムービーの制作のポイント
SDGs動画/SDGsムービー制作において、特に気をつけなければならないのは下記の4点です。
- 目的を明確にする
- ターゲットを明確にする
- 予算を確保する
具体的にどのようなポイントを抑えるべきか、1つずつ解説します。
目的を明確にする
SDGs動画/SDGsムービーを制作する上で、非常に重要なのがその目的を明確にし、可能な限り解像度を上げることです。
例えば、動画制作の最終的な目的の多くは「活動への理解や共感」などでしょう。
では「活動への理解や共感」してもらうために、動画はどのような役割を果たすべきでしょうか。
- SDGsそのものについても理解してもらい、自社の活動の重要性の理解につなげること
- SDGsという言葉をフックにして、自社が長年取り組んでいる活動に価値を感じてもらうこと
- 一見SDGsへの関連が薄そうな自社と、SDGsへの関連性やそれについての取り組みを知ってもらうこと
など、活動の特徴などによって動画の役割も大きく変化します。
SDGs動画/SDGsムービーを制作する目的を明確にした上で、動画に求める役割を定めましょう。
ターゲットを明確にする
この動画は「誰が見るのか」「誰に観せたいのか」を明確にしましょう。前述の動画の役割にも紐づきますが、この動画を観る人が
- 比較的情報感度が高く、新しいサービスへの興味関心が高い人
- トレンドに敏感で、新しいモノ好きな人
- SDGsや環境意識の高い人
…など、動画を見る人が誰であるかで訴求するべきポイントや表現方法は大きく変わります。何が相手の意思決定の材料になるのかをしっかりと分析・把握するためにも、ターゲットは明確にする必要があります。
予算を確保する
目的・役割とターゲットが明確になれば、「この人に、この情報を、こんなふうに伝える」ということまで決めることができます。
しかし、予算が足りなければ「こんなふうに伝える」の部分が弱くなってしまったり、十分に表現できない可能性があります。
例えば、
- SDGsそのものについては、アニメーションで表現した方がターゲットに届きやすい。
- より深い共感を獲得するために有名なナレーターを起用したい
- 自社の様々な活動を見てもらうために、様々な場所で実際の活動の様子を撮影したい。
など、適切な演出を加えたくてもそれらの機材・人を用意できなければそれは叶いません。
SDGs動画/SDGsムービーは数十万円からの制作が可能ですが、企画内容や企画内容によって制作費は大きく変わるため、できる限りお財布には余裕をもたせておいたほうが良いでしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。当然といえば当然なのですが、目的やターゲットなどによって動画の企画や表現方法は大きく変わります。
SDGs動画/SDGsムービーに動画を制作される際には、制作会社や広告代理店に相談するまえに一度情報整理や予算の検討など、事前準備をしっかりと行った上で問い合わせるようにしましょう。
情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
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